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詩"草原で信じてたこと


草原駆け抜ける信じてた人が 

 高級な腕時計をして 

 偉い人とゴルフに行って 

 歓楽街でバナナ発言をして 

 そしてその大好きだった人が 

 その最中に熱を出したとき 

 やっとわたしはそこへ呼ばれるだろう 

 やっとわたしは君のもとへ駆け付けられるだろう

 髪を撫で、

背中から抱きしめて、

性もキスもしないほど

優しく涙を溜めながら、

愛の名を口にするより遥か、

君の美しい名前の由来を尋ねてばかりで、

やっと開放されるんだ 



 それでも世の中はゴミで輝いてて 

 君が熱を出しながら下剤を飲み 

 振り切ったその利き手で

新しい腕時計を買った瞬間 

 わたしは息ができなくなった 



 それがはじめての

私の万引きと援助交際だった 

 心はいつまでもあの草原をジーンズで駆け抜ける少女のまま

世間の目に殺されてるから 

 地獄で生きよう 

 そのあとで楽しい地獄にしていくしかない 

 この世も

あの人も変わらない 

 憎むよりそれでも信じたいから 

 過ちを彼岸花のように抱えながら

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