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飲み会とzoom飲み会の間

コルクラボというコミュニティで、月に2回のリアルの定例会をやっているころ、渋谷のブックラボ東京に多くて50人くらいの人が集まり、zoomでも50人くらいの人が集まっているということがよくあった。

定例会の後にはいつもリアルの懇親会があり、懇親会の2次会なんてものも毎回あったと思う。そこでは50人は、3人〜5人くらいの小集団になり、それぞれに思い思いに話したいことを喋り、周りでどういう話題が走っているかをそれとなしに聞きながら、興味のあるグループになめらかに移動していた。だから話題は50人で10〜12種類くらいあり、個人は3〜5くらいの話題に参加して会話を楽しんでいた。

ここまで書けばわかると思うけど、zoomは1人が喋ると全員が聞くし、発言者を増やすためにブレイクアウトルームを作ってもどこで何を話しているかはわからない。だから怖くてブレイクアウトルームを移ることに心理的ハードルがある。つまり、同じ50人で集まっても、飲み会とzoom飲み会では話される会話の量は半分以下、下手したら10分の1くらいになってしまう。

これは飲み会の話だけではなく、職場でももちろん一緒だ。話さなきゃいけないアジェンダだけ、意思決定者だけが話している会社と、「部屋」に集まり、誰が何をやってるかそれとなく見ながら、みんなが雑談で喋っていること、オープンスペースで行われている会議の話題が耳に入る環境というのがある会社では、人の行動も異なってくる。

別にどちらが正しいということではなく、企業の状況によって取るべき施策が異なってくるだけ。将来が安定的に見えて、新しいチャレンジの数が少なくていい企業は全てzoomでやってもあまり問題はないし、新しいチャレンジを多産多死的にやっていく会社では、どこにいいアイデアが眠ってるかわからんから「部屋」に集まった方がいい。

試行錯誤の量が少ない組織は、組織内に流通する情報の量は少なくていい。一方で、市場での試行錯誤から暗黙知を形式知化する必用がある試行錯誤の多い企業はそうではないだろう。それに関してはマイクロソフトの調査でわかったファクトもある。

「言ってることは置いといて、でもアイツのことは嫌いじゃない」っていうようなゲマインシャフト的な結びつきが、多様な人間関係のベースにあり、縦横ナナメで仕事が進んでいく良さが、アジェンダだけで物事を進めていくシンプルさに取って代わられている。1対1の会話だったらリアルでもリモートでもそれほど違いないからね。

これが10年経ったときにどうなってるかはわからんし、昭和感まるだしでディストピアになるとも思わないけど、明日はどっちだ。

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