「遺伝子のいたずら」

WEDNESDAY PRESS 003

先輩から手紙が届く。僕も返事を書く。
これを我々は84円交際と呼んでいる。
この先輩の手紙はいつも分厚い。ときには94円交際になることもある。というのは先輩は毎日数紙の新聞を読み、その中から僕にふさわしいと思う切り抜きを入れてくれるのだ。この手間にはいつも頭が下がり、その切り抜きから新たな視点や情報を見出すのであった。ありがたいことだ。

先日送られてきた日本経済新聞の切り抜き。
「古代人DNA、敵か味方か」という見出し。
内容はホモ・サピエンス(人類)がネアンデルタール人の遺伝子と交配した確率が高い方が新型コロナウイルス感染症で人工呼吸器を必要とするリスクは最大で3倍という研究結果がでた、というもの。判明した古代人の遺伝子は人類の1〜4%が持つ。バングラディシュでは63パーセントを超え、南アジアでは50%、欧州では16パーセントにもなる。東アジアとアフリカにはほとんどいない。現在の死者数を見れば、見事にこの傾向に合致する。

あまりにも符合し過ぎだという見方もあるが、この論文は研究の始まりと考えていいのであろう。これから様々な検証が繰り返され、いずれは結果が出るに違いない。だが、生命には多くの遺伝子が関与することは明らかである。
このネアンデルタール人の遺伝子の行方は、どのような結果を我々の暮らしに警鐘を鳴らすのか、福音であるのか、見届けることはできないかもしれないが興味深い記事であった。

またまた先輩に返事を書かなければならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?