「人間関係って変わるの?」
暑いですね。
暑いのでひさしぶりにnoteを書いてみようと思います。
あるクライアント様のところでメンバーと話をしていたとき、「一度壊れた人間関係って変わるの?」という質問を受けました。
その質問にドキッとし、詳しく話を聞いてみると、何かをきっかけに同じ部署内である人が他のメンバーを非常に嫌うようになり、仕事が非常にやりにくくなっているということでした。
組織の体験学習をお手伝いしていると、人間関係の問題は避けて通ることができません。むしろ、どの組織にも必ずあるものではないでしょうか?
おそらく、この悩みは、異なる考え方を持つ他者と共に働く組織において永遠の課題なのだと思います。
人にはそれぞれ考え方の違いがあり、それゆえに合う・合わないが生じるのは当然です。
しかし、「合わない」という気持ちがどんどん膨れ上がると、嫌悪や最悪の場合、憎悪にまで発展し、一緒に働くことが困難になることもあります。
こうなってくると、協力が出来ず、むしろ足を引っ張るなどして組織としてのパフォーマンスにも影響が出てしまうことにもなります涙。
今回の場合、憎悪とまではいかないものの、「アイツとは一緒に働きたくない!」と言ってうんざりしている状況でした。
大きな組織であれば、部署移動や配置換えによって一緒に働かないようにすることも可能かもしれませんが(それもそんな簡単ではないと思いますが)、小さな組織ではそれも難しいこともあります。
経験上、20人未満の小規模な組織(中小企業、部門、課、チームなど)では、2者間の関係であっても、その関係自体やその対処方法や経緯もが目に入りやすく、それが全体に影響を及ぼし、組織全体に影響を与えるため、非常にセンシティブです。
仕事をしている中で、直接バチバチやっている光景を目の当たりにしたり、問題があるからと辞めさせる方向に組織が動くのを目にすると多くの場合嫌な気持ちになるのではないでしょうか?
そういう光景が繰り返されると、「対立があって雰囲気が悪い組織」「人を排除する組織」のような認識やそれを支持するナラティヴが強くなり、そういう文化や風土を構成していきます。
ちょっと(だいぶ)横道にそれました・・・
では、どうすれば関係が改善するのでしょうか。残念ながら、必ずしも関係が良くなる方法はありません。
なんだよ!と思うかもしれませんが、直接話し合っても、ナラティヴ・メディエーションのように第三者が介在しても、人と人のことなので必ずしも改善するとは限りません。
しかし、関係が変わる可能性を生むには、どんなにギスギスした状況でも、関わりを完全に断たないことが重要だと思います。
一度「この人はこういう人だ」と思い込むと、そのイメージがどんどん膨らんでいき、その人をその視点からしか見られなくなってしまい、他の情報が入りにくくなります。
そして嫌いだからと関わらなくなると、想像の中でその嫌いなイメージはさらに独り歩きして大きくなります。
しかし、直接話すのが難しい状況でも、同じ空間にいてなんらか関わる機会があれば、その人の違う一面を見ることができるかもしれません。
例えば「いけすかなあいアイツ」が音楽を聴いているスマホの画面を見て、「お、おまえもそのバンド好きなのか?」みたいなことは関わる機会がないと起こり得ません。趣味はわかりやすいですが、行動力や姿勢、考え方、知らないことはたくさんあるはずでそれはそれが現れる場面を目にすることで1番知ることができます。
「違う一面」は普段とは違う活動の方が現れやすいので、普段の仕事の中でも、ちょっと通常じゃないこととりくんでみたり、プロジェクト活動のような場所で一緒になったり、ワークショップに参加したり、レクリエーションなど普段と違う活動を行ったりすることで、「こんな一面もあるんだー」とその人について新たな発見ができ、そこから「こんな一面もある人」と新たな認知が生まれて関係が変わる可能性が生まれます。
私が組織をお手伝いする際に、ときおりワークショップを入れるのはそれが起こることを期待している面もあります(別に対立してなくても新たな一面を発見することは組織に新鮮さをもたらします)
関係をあきらめ、「嫌いだからもうあなたとは関わりません」となってしまうと、その機会すらなくなってしまいます。
正に「あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・? by安西先生」なんですよね
とはいえ、当事者たちにとって非常に強いストレスを感じる可能性もあるので、最大限の注意を払い、方法を選ぶ必要はありますが、「知らない一面」を知り、認知が変わる体験が生まれるチャンスをどのように作れるかが、「できてしまった関係」を変える可能性を生むのではないかと思います。
人は認知の生き物なので、見えているほんの一面を観て、その人について思い込み、評価・判断してしまいがちです。「見えているものがすべてではない」と考え、違う一面を探そうとするまなざしとそれについて問いかける精神を組織のなかに一つでも増やすことが組織の体験学習のお手伝いさんとして大切なことかなと考えています。
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