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パリのアジア人街で食べた赤いフォーの謎(前編)

やあ、みんな。ケイチェルおじだよ。

昨日まで2日に渡ってマカロンの記事を書いてるあいだにおいたんが何をしてたかと言うとね、ある謎に取り組んでたんだ。

今から10年以上前、おいたんがフランスに住んでたとき、毎日のようにパリの街歩きをしてたという話は以前アフリカ丼の記事で書いたね。

このアフリカ丼に出会ったストラスブール大通りと同じように、おいたんのお気に入りの街歩きコースがあったんだけど、それはパリ北駅からアラブ人街のバルベスを経て、さらにインド人街のラ・シャペルを経て、サンマルタン運河沿いに南に下ってアジア人街のベルヴィルまで行くコース。

パリのいいところは、こうやって市内を歩くだけでちょっとした世界旅行の気分が味わえるとこだね。

ちなみに、サンマルタン運河沿いは映画『アメリ』の世界そのもので、日本人観光客にもお馴染みかもしれない。このあたりはスノッブというかサブカルチックというか、若い芸術家や学生が好んで住むところ。ミニギャラリーとか一風変わったバーが何軒もある。昔は売れない芸術家はモンマルトルに住んでたわけだけど、モンマルトルは観光地化しちゃったから、今はサンマルタン運河周辺のこの辺りなんだね。

水曜の夕方(フランスは水曜半ドンの人が多い)や週末になれば、運河沿いの緑の芝生はピクニックを楽しむ若者でいっぱいになる。ピクニックと言っても、スーパーでワインやツマミを買ってシートを敷いてみんなで飲む、ただの外飲みなんだけどね。

で、地下鉄2号線と11号線が交差するベルヴィルは、パリで最も古いアジア人街。パリの中華街と言えばセーヌ左岸の南の方にある13区のイタリア広場周辺が有名だけど、ここベルヴィルはそれより歴史があって、旧仏領インドシナの中華系の人たちによって作られたらしい。なので中華系の店だけでなく、ベトナム・ラオス・カンボジア系のお店も多いし、さらには北アフリカ系の移民も多く住むのでチュニジア料理やモロッコ料理のお店もある、国際的なカルティエなのだ。実際のところ国際的というより、雑然としたカオスな雰囲気なんだけどもw

このベルヴィルの駅を出たすぐの交差点に、「タンタン(Tin Tin, 東東)」っていうヴェトナム&中華料理のお店があるんだけど、ここの「赤いフォー」がおいたんのお気に入りだったんだ。

残念なことに写真を撮ってないんだけど、赤いスープのフォーで、味としては真っ赤な色に反して全然辛くなく、むしろ甘い味噌味みたいなフォーだった。砕いたナッツが入ってたから担々麺に近いとも言えるけど、味はどちらかと言えば日本の味噌ラーメン寄り。だからおいたんは日本の味噌ラーメンが恋しくなると、ここに赤いフォーを食べに来てたわけ。オペラ周辺の日本人街にあるラーメン店はどこも高くて美味しくなかったからね(今はどうか知らないけど)。

日本に住む今は味噌ラーメンが恋しくなるなんてことはない…というかダイエットしてると外でラーメン全く食べないし、それでも恋しくなることはない(笑) 何なんだろ?

まあそれはさておき、ベルヴィルで食べた赤いフォーは何だったんだろう?っていう疑問が最近沸いてきて、調べてみることにした。

まずは"Paris Belleville TinTin"で画像検索すると、Tripadvisorに載ってるメニューの写真が出てきた。この左下に乗ってる赤いスープのやつだ。

この写真ではメニュー名が分からなかったので、手を変え品を変え調べてみると、どうも「Pho Satay」ないし「Pho Saté」という名前のようだと分かる。料理名さえ分かればこっちのもんよってことでさらに検索続行。

フランス語では、"Soupe saté aux boulettes de bœuf & viande"とあるので、「牛団子と肉のサテスープ」ということらしい。確かに肉団子は入ってたのは間違いないけど、調べてみると半生の牛肉が入る場合もあるようだ。TinTinのには入ってなかったような気がするけどなあ。

そもそも"satay"ないし"saté"とは何ぞやってことで調べてみたら、日本でもテレビで取り上げられたりしてよく知られたベトナムの調味料なんだって。知らなかった。

それで先日、隣町の輸入食材店に行ったら、なんと4種類ものサテが売られてたわ。

ベトナム版"食べるラー油"」としてベトナム料理だけでなくチャーハンやTKGにも合うってことで最近すごく売れてるらしい。

なかでもSaté Tômというのがエビの出汁がきいたサテらしく、おいたんも買ってみました。

要はこれを使った、甘い坦々麺っぽいフォーを作れば、ベルヴィルで食べたPho Satayになるんじゃない?ってことで、明日の後編に続きます。

おわり。

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