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Slack移行大作戦

 札幌市を中心に、ひとり親世帯や生活保護世帯等を主な対象に、「環境に左右されない楽しい学びの場をすべての子ども・若者へ」を使命として、学習支援や居場所づくりをしているKacotam

 コミュニケーションツールを、Chatwork から Slack へ移行することを決めました。Chatworkの利用開始から5年ほど、登録者数200名余り、コロナ禍で対面での活動が限られた中での移行という、微妙にやきもきした移行大作戦の記録です。

Slack、君に決めた!

 5年ほど利用してきたChatworkから移行するという話が立ち上がったのは、Chatworkの仕様変更「フリープランのグループチャット利用上限数変更」が発端です。
 Kacotamでは、定常的な活動のグループチャットの他、イベントや研修などで一時的に利用するグループチャットを作成することが多くあります。
 コミュニケーションツールの移行はとっても大変なので、できれば避けたかったのですが、フリープラン + NPO支援プログラム(最大100名) の混合型運用では限界がすぐに来ることが見えてしまったので、コミュニケーションツールの変更について7月上旬から検討を始めました。

 利用中のChatworkと移行先候補の Slack、Google Chat、LINE WORKS、Microsoft Teams、elgana のフリープランでの機能面比較と有料プラン利用の場合のコスト比較をしました。
 機能面は、実際使ってみないと分からないところもあったので、検証用の環境をつくって、職員+何名かのボランティアで実際の動きも確認しました。

 結果、フリープランでChatworkでできていたことができなくならず、グループチャット参加数制限の問題が発生しないものは、候補の中には、Slackしかありませんでした。

オープンであること、紳士的であること

 Chatworkでできていたことはできなくならないことを前提にSlackに移行したのですが、「誰でも使えるシンプルな機能」なChatworkに対して、機能モリモリのSlackなので、利用ガイドラインをつくることにしました。
 Chatworkのときも本当はつくっておいたがよかったのでしょうが、コミュニケーションツールとして、ChatworkやSlackのようなサービスを使うノウハウの「ノ」の字も当時はなかったのと、動いている中でガイドラインを改めて作って仕切り直すのもなかなか難しく、放置されていた案件でした。

 Slackの利用ガイドラインの作成にあたっては、WEBで全部または一部が公開されている様々なSlack利用ガイドラインを参考にしました。
 Google先生で、「Slack利用ガイドライン」で引っかかるものをひたすら眺めながら、KacotamでのSlack運用のありたい姿を模索しました。

【Slack利用ガイドライン目次】
〇 はじめに
〇 用語
〇 基本方針
〇 ワークスペースに参加したら最初に行うべきこと
〇 全員が参加するチャンネル
〇 チャンネルの新規作成
〇 ダイレクトメッセージの利用
〇 セキュリティ
〇 個人情報の取り扱い
〇 ガイドラインの改訂

 今回のガイドラインで伝えたかったのは、大雑把には

◎ オープンにコミュニケーションしよう
◎ 個人情報の取り扱いとセキュリティに留意しましょう

の2点です。

 今回のSlack移行は、Chatworkの仕様変更がきっかけでしたが、団体規模が少しずつ大きくなってきていたKacotamにとって、オンライン上でのスタッフのコミュニケーションの在り方を改めるチャンス!と思って、その部分に的を絞った利用ガイドラインとしました。
 Slackのいろいろな機能の使い方については、動かしながらガイドラインの改訂を継続的にして組み込んでいければと思っています。
 すでに、「スレッドで返信」を活用しよう!と「リアクションを活用しよう!」の普及啓発大作戦が実行されています。

移行作業の段取り

主たる連絡手段の変更について

8月末 コミュニケーションツールの移行実施案内
8月末〜9月中旬 Slackのワークスペースへ招待メールから各自参加
9月中旬〜9月末 Slackの利用をメインに、Chatworkを一部併存 ←イマココ
10月 Chatworkの利用終了

 今回、基幹システムに登録されているボランティアスタッフのメールアドレスへ招待メールを送信して、各自ワークスペースへ参加してもらう流れをとったのですが、招待メール送信数上限の壁にぶち当たりました。
 一度に、100件ほどまでしか招待メールが送れず、招待メールからワークスペースへ一定数が参加し終えないと、次の招待メールがなかなか送れませんでした。結果、数日に分けて招待メールの送信を完了。今回の移行作業の一つの山場でした。

 招待リンクを団体内に共有してそこから参加してもらった上で、参加してきた人が、団体内の人であることを確認するというのも一つの方法だったのですが、その突き合わせ作業が大変そうだったので、今回は招待メールにしました。

基幹システム連携の改修

 基幹システムから活動への出欠リマインドや各種通知を、Chatworkのメッセージやタスク機能でメンバーへ配信をしていたので、この部分の改修も必要となりました。
 SlackのWEB APIは、基幹システムで使用しているPythonでもクライアントライブラリが提供されていたのでSlackへ送信するように変更すること自体はそれほど大変ではなかったのですが……。
 Slackの利用ガイドラインに照らし合わせたときに、送信内容の変更が必要だったり、送信先のグループチャット(チャンネル)が分割されたり統合されていることに対応する必要が出たり、送信内容の変更に併せて基幹システム側への機能(画面)追加が必要になったで、当初の想定より大規模な基幹システム側の改修となりました。

大詰め?

 先日、基幹システムのSlack対応リリースも無事に終わり、予定通りメインのコミュニケーションツールがSlackへ切り替わりました。が、じゃっかん取り残されていたり、参加しておいた方がいいチャンネルへの参加漏れなどもありそうな予感がしています。もうしばし、移行サポートモードは続きそうです。

◇◆◇ 編集後記 ◇◆◇

 Kacotamでは、環境に左右されない楽しい学びの場づくりを、ICTの力で後方支援してくれるメンバーを募集しています。基幹システムはDjango(Python)、公式WEBはWordpress(PHP)を採用しています。フルリモートでの作業です。全国・全世界どこからでも参加できます。

 ※新しい技術の採用も基本的にウェルカムです!

いただいたサポートに応じて、「環境に左右されない楽しい学びの場をすべての子ども・若者へ」をミッションに活動する認定NPO法人Kacotam(カコタム)へ寄付をします!