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異語り〜コトガタリ〜

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【現代怪談】 日常に紛れ込んだ微かな異の物語を綴っていきます。(毎週木曜日更新)
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2021年10月の記事一覧

異語り 063 急加速

異語り 063 急加速

コトガタリ 063 キュウカソク

中学校の大嫌いな行事に10キロマラソンというものがありました。(男子は15キロ)
2月の極寒の中、宇治川の堤防を5キロ先まで走って行って帰ってくるという鬼畜行事です。

少しばかりの救いとしては、当日は現地集合・現地解散になるということぐらいでしょうか。
いくら北海道よりは暖かいといえ、京都でも2月には雪だって降ります(ほとんど積もりませんが)
在学中の3回のう

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異語り 062 予防接種

異語り 062 予防接種

コトガタリ 062 ヨボウセッシュ

ワクチン(予防接種)はどれだけ有用性が高く、副反応が出にくいものであっても反対派がいるようで、今騒がれている新しいワクチンには結構な数の反対派と、様子見派がいるように思う。
子供を産むと、生後数ヶ月後からかなりの数の予防接種を受けさせることになる。
スケジュール管理もなかなかにややこしかった。
我が家の予防接種スケジュールも、ようやく息子の一種を残すのみとなっ

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異語り 061 林間学校

異語り 061 林間学校

コトガタリ 061 リンカンガッコウ

小学生の息子が宿泊研修に行きました。(緊急事態宣言のため、延期になっていた)
テレビっ子がいないと家の中がとても静かです。

林間学校といえば、今も昔も怪談の鉄板みたいなもの、スマホやネットの普及で少し変わってきたかなぁとも感じますが、ベースとなる話は変わっていないように思います。

自分自身では体験することはなかったのですが、林間学校の夜の約束として「友達

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異語り 060 焼き芋

異語り 060 焼き芋

コトガタリ 060 ヤキイモ

昔、友達に誘われて焼き芋をしたことがある。

友達の家は広い砂利敷の空き地の奥にあった。
その空き地が友達の家のものだったのか、ただ管理を任されていただけなのかは知らないけれど、秋になるとその空き地はたっぷりの落ち葉が積もる。
いつも友達のおじいさんかおばあさんが落ち葉を掃き集めていた。

空き地の周りはぐるりと木が植わっていたので、いくつもの小山ができるくらい結構

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異語り 059 家庭菜園

異語り 059 家庭菜園

コトガタリ 059 カテイサイエン

我が家には大きな庭があります。(家が小さいとも言う)
引っ越してきた当時は大々的に庭を耕し、大きな家庭菜園も作っていました。
元々が牧場だった土地らしく、土が豊かなおかげで何を植えても(世話が下手でも)十分な実りを得ることができました。
二三年かけて好みと消費量を把握し、ミニトマト・きゅうり・じゃがいもの3種を定番と決め、プラスαでちょこちょこと冒険をするスタ

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