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クラロワリーグ | れいや - 私のCRLベストゲーム

2019年5月4日、CRL Asia 2019 Season1 Week2の対SANDBOX戦。
「本当に嬉しくて涙まで流したので、印象深いです」


2021年、『クラロワリーグ』の仕組みが大きく変わって、3年間続いた”チーム戦”の歴史が終わり、全く新しい”個人戦”の年間大会が始まることになりました。新しいものは新しいもので楽しんでいくにしても、そうは言ってもさびしいなあ、という感情がファン的には残っています。

そこで、このタイミングで、3年間のプロリーグ団体戦の思い出だったり”CRLでのベストゲーム”だったりという共通のテーマで、プロ経験者の方々にお話をうかがってみたいと思いました。

第5回は、れいや(Reiya)選手編です。

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れいや(Reiya) Twitter
「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ(CRL)」で活躍した日本人プロ選手。日本のeスポーツチームDetonatioN Gamingに2019年の1年2シーズン在籍した。天界が6400だった時代に”日本人で最初にトロフィー7200に到達した3人”のうちの1人として大きな期待の中でプロ入りし、新人だてらに1v1エースの重責を果たした。
趣味はYouTubeを漁ること。ゲームでは最近#コンパスをよく遊んでいる。あまりクラロワをする時間がとれていなかったけれど、そのうち”リハビリ”をすませて復帰したいと思っているとのことだ。



1.プロリーグでチーム戦を闘ってきて

――クラロワリーグ(CRL)の仕組みが今年2021年に大きく変わって、3年間続いたチーム戦が終わり、個人戦のまったく新しいフォーマットになりました。
プロチームに所属してリーグ戦を闘ってきたプロ経験者として、この大きな変更をどう受け止めていますか?

れいや
1v1は1v1で盛り上がると思うので、全然ありだと思います!

――プロチーム所属の経験者として、チーム戦と個人戦にはどのような違いがあると思いますか?

れいや
チーム戦は、2v2やKOHなど戦略面も必要だったのに対し、1v1は純粋な実力とデッキ幅が大事になってくると思います。

――れいや選手は1v1とKOH中心に出場されましたが、1v1・KOH・2v2の中ではどのセットが好きでしたか?

れいや
1v1が特に好きでした。


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――思い返せば、CRL初年度2018年はアジア3拠点を転戦、2019年は韓国開催で外国暮らし、2020年はコロナ禍のオンライン開催と、同じリーグ戦と言っても毎年コロコロ仕組みが変わる中で選手の皆さんはリーグを闘ってきました。
れいや選手がプロ活動された2019年をふりかえってみて、あれは特に大変だったなーという思い出はありますか? 逆に、あれは最高に楽しかったなという思い出はありますか?

れいや
慣れない生活だったので、全体的に大変だった気がします。
毎日の山登りが1番楽しかったです!

――DNGメンバーの日課の”山登り”は、当時アップされたHANExHANE選手の実写動画で拝見しました。和やかでいい雰囲気でした。
DNGメンバーが逆上がりのツイートをしていたのもこの山ですよね?

れいや
そうです。


――プロリーグの団体戦を長期間のシーズンにわたって行っていくと、練習などでチームメイトと過ごす時間は非常に長くなります。また、対戦相手とも試合会場などで何度も顔を合わせるため、敵でありつつ好敵手のような存在になっていったのではないかと思います。
一番印象に残っているプレイヤーをチームメイトから1人、対戦相手から1人挙げるとすればどの選手になるでしょうか?

れいや
天ぷら選手と、JACK選手ですね。

天ぷら選手は、僕が特にチームで推していたメンバーであり、試合でも輝きを見せていた選手でした。

JACK選手は仲がいいというのもあり、敵チームながら実はよく応援していました笑。

――天ぷら選手ですか! そして、JACK選手!


――れいや選手は、1年間2シーズンをDetonatioN Gamingでプロ選手活動されました。選手だけでなく、監督・コーチや他部門の選手、裏方さんをひっくるめた「DetonatioN Gaming」というプロチームは、あなたにとってどういう場所でしたか?

れいや
とても居心地のいい場所でした!

僕が最年少ということもあり、チームのみんなは親のような存在でもありました。

――兄でなく親ですと! 当時のチームメイトの皆さんが聞いたら驚くような気がします。
・・・それとも納得される、のかな?


◆ ◆

2.私のCRLベストゲーム

――れいや選手が出場したCRLの試合の中から、一番印象に残っている”ベストゲーム”を選ぶなら、いつのどの試合になりますか?

れいや
vsGreed選手戦ですね。日付は覚えてないです、すみません。

――2019年5月4日、CRL Asia 2019 Season1 Week2 Match14の対SANDBOX戦でしょうか? れいや選手の初セット勝利でしたし、チームにとっても3戦目にしてのシーズン初勝利を決めた試合でした。更には当日の日本語解説を担当したのも元DNGのkooさんでしたね。

れいや
その試合です。

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――れいや選手には、大物選手や好調な選手に強い”大物食い”な選手という印象があります。Greed選手との”新人選手対決”となったあの試合を”ベストゲーム”に選んだ理由をおしえてください。

れいや
私が初勝利をおさめた試合で、本当に嬉しくて涙まで流したので、印象深いです。

――そうでした、そうでした。


――あの試合に臨むにあたってプロとしてどんな準備をされたのか、くわしくおしえてください。

れいや
Lewis選手がとってくれたデータで、相手のメタを考えていました。

そして、チーム内練習をひたすら重ねていました。

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(△右側がLewis選手、左側の手はoda監督)

――あの試合のBANカードはDNGがスケルトンラッシュ、SBがランバージャックでした。BANはどうやって決めましたか?

れいや
BANはチームで話し合って決めました。

――チーム内の1v1練習では、どなたと一番たくさん対戦されていたのでしょうか?

れいや
チーム内の対戦は、割と均等にやってました。


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(△中継時の手元画面。れいや選手は右手中指で操作する)

――試合本番のことをくわしく教えてください。試合中はどんなことを考えていましたか? 勝敗を分けた要因は何だったのでしょうか?

れいや
緊張しないよう、あまり何も考えないようにしてました。

Game2のvsゴレでは、綺麗に防衛し、読みインドラも決まって完璧だったと思います。※1

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(※1:れいや選手がダメージリードして迎えた終盤、相手のGreed選手の橋前ゴーレム展開を読んで、橋前に防衛のインフェルノドラゴンを出したプレイ。位置も完ぺきだった上、タイミングも相手がゴレを切るより一瞬早いというスーパーな読みでした)


――あの試合に勝った時の気持ちを覚えていますか?

れいや
先程も言った通り、涙が出るほど嬉しかったです。

初勝利がとても価値のあるもので、安堵の気持ちでいっぱいでした。

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――公式戦のれいや選手は試合中と試合後のギャップが大きいと言うか、試合への集中力が高く、”入り込んでる”感が強い選手と感じていました。
普段クラロワをプレイする時もああいう感じなのでしょうか、それともプロの試合だったからなのでしょうか?

れいや
普段も入り込んでますが、プロの試合は特にそうでしたね。

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◆ ◆ ◆

3.プロ選手経験から得たもの

――「eスポーツ」という言葉が新語・流行語大賞のトップ10に入ったのは2018年のことで、男子中学生のなりたい職業2位が「プロeスポーツプレイヤー」になったのは2019年のことです。CRLはクラロワにとって初のプロリーグでしたが、そもそも日本ではプロゲーマーという存在自体が黎明期で今も発展途上のあたらしい職業です。
そんな「プロゲーマー・eスポーツ選手」を実際に経験してみて、なる前の予想通りだったことや違っていたことを挙げるとすれば、何ですか?

れいや
予想通りなのは、やはりいい職業だなと感じたことです。
やりがいがとてもありました。

予想と違ったのは、ゲームを仕事にするゆえ、クラロワを楽しむ余裕が無くなる時があったことですね。

――仕事として苦しかったのはどういうときですか?

れいや
気分的にやりたくなくても、練習しないといけない時ですね。

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――プロとしての活動には、公式戦や試合に向けた練習はもちろん、写真撮影や取材対応に、チームの動画撮影やイベント参加なども含まれ、多岐にわたり忙しかったことと思います。
プロ選手としてのありとあらゆる活動の中で、「今、自分はプロゲーマーをやっている!」ともっとも実感できたのはどんなときでしたか? 

れいや
取材を受けた時や、試合後インタビューを受けた時。
そして、サイン会をした時ですね。

――僕もはるか昔の子供の頃、一時期サインを練習しましたが、当然ながら披露する機会は一度もありませんでした・・・。たしかに「ファンにサインを書く」というのは普通の生活ではなかなかできない体験ですよね。
納得のいくサインは書けましたか?

れいや
結構気に入ってます!
その後も自分のサインとして使ってます笑

――なるほど!笑

――プロとアマチュアの大きな違いの1つは、注目度の大きさとファンの存在だと思います。れいや選手にとってファンとはどういう存在でしたか? 

れいや
ファンの存在は、僕にとってモチベーションに繋がっていました。
応援や褒め言葉を貰う度、やっててよかったなーとなりますね。


――プロとして活動していくということは常に結果を突き付けられることでもあるので、緊張感や重圧は大きいでしょうし、結果のよしあしによって周りの評価が180度かわるようなアップダウンも激しかったことと思います。
難しい状況や苦しい時に心がけていたことや、何が支えになって乗り越えることができたのか、おしえてください。

れいや
メンタルやられそうになったらとりあえず寝てましたね。
また、山へいってリフレッシュもよくしてました。

――冒頭の話で出た”山登り”にはそういう役割もあったのですね。
しっかり寝て、適度に運動するというのは健康にもいいですし、高いストレスへの対策としても実に理にかなっていると思います。

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――最後の質問です。「プロゲーマー・eスポーツ選手」としての冒険で持ち帰ることができた”宝”や、この経験から得られたものがあるとすれば、れいや選手の場合、それは何でしょうか?

れいや
社会経験、ですかね。

僕はあんまりこういう機会がなく、年齢も若いので、とてもいい経験ができて、人としても成長できたと思います。


――読者の方へ伝えたいことなどありますか?

れいや
もしプロを目指している方がいましたら、是非頑張ってほしいです!
大変なこともありますが、やり甲斐のあるお仕事です!

――プロリーグでのチーム戦がなくなり、2021年2月時点で”日本で選手としてクラロワのプロ”なのは、FAVのKK選手だけになりました。道は険しいですし、なってからも楽ではないですが、それでも目指すだけのやり甲斐や価値がある職業だということですね。

――本日はありがとうございました! ■

【取材日:2021年2月8日。DMでのやりとりをインタビュー形式に編集】


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Information

れいや(Reiya)
・CRL: DetonatioN Gaming(2019)
・Clan: Calm Ark
・Best Trophies: 8010
・Best Season: 28th (2018/12)
・Titles: ”日本人で最初にトロフィー7200に到達した3人”のうちの1人(2019年。残る2人はJACKとKK)
・SNS: Twitter


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Good game!



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