株の売却タイミングを理解しよう!短期及び長期の戦略を専門家が明らかにする!
この記事を読んでいるあなたはきっと、株式投資での株を売るタイミングについて悩んでいるのだと思います。
株式投資は買って終わりというわけではなく、売ってはじめて利益が確定します。
配当金だけが目的であればずっと売らずに持ち続けることもできますが、基本的には利益を確定するため、もしくは大きな損失から資産を守るためにも「売る」必要があります。
つまり、株を売るタイミングは株式投資を始めるすべての方が知っておくべき必須の知識なのです。
株を売るタイミングを判断する前に知っておくべきこと
本章では、株を売るタイミングを判断する際にまず考えておくべきことをご紹介していきます。
それは、
どのくらいの利益を狙うのか事前に考えておく
儲かっている時だけでなく損失がふくらんだ時の売り(損切り)も考える
の2点です。
1つずつ解説していきます。
どのくらいの利益を狙うのか事前に考えておく
株を売るタイミングを考える前に、そもそもどのくらいの利益が出たら売るのか、ある程度の目安を考えておくことが大切です。
なぜなら、どの程度の利益を狙うかで投資期間や投資手法が変わり、それにともなって株の売るタイミングも変わるからです。
私のオススメは下記のとおりです。
【株を売るタイミング】
買ったときの株価から+数%〜+10%以内を狙う → 短〜中期投資がおすすめ
買ったときの株価から+10%以上の利益を狙う → 長期投資がおすすめ
このように、どの程度の利益を狙うかで投資手法が決まり、株を売るタイミングもそれに応じて変わってくることを理解しましょう。
儲かっている時だけでなく損失がふくらんだ時の売り(損切り)も考える
株を売るタイミングを考えるべきなのは、利益が出ている時だけではありません。
投資は損が出てしまうこともよくあります。含み損が出た際、これ以上損失が大きくならないように株を売ってしまう、いわゆる「損切り」もタイミングを考える必要があります。
「損切り」のタイミングは正解が1つではなく、投資期間や投資手法、個人の許容度などによってタイミングが変わってきます。
以下、第2章では「短〜中期」投資、第3章では「長期投資」を対象に、それぞれの株を売るタイミングや注意点を詳しく解説していきます。
短〜中期投資での株を売るタイミング
本章は、短〜中期投資での株を売るタイミングについてご紹介していきます。
なお、本記事では
短期投資=1日〜数日でのトレード
中期投資=1週間〜数ヶ月でのトレード
長期投資=半年以上のトレード
と定義をした上で解説していきます。
大きな利益を狙いすぎず数%〜10%程度の利益で株を売る
短〜中期投資での株を売るタイミングは、「大きな利益を狙いすぎず、数%〜10%程度の利益が出たとき」がおすすめです。理由は、
短い期間では大きな利益が狙いづらい
資金を早く回転させるほうが利益を増やしやすい
ということ。1つずつ解説していきます。
【短い期間では大きな利益が狙いづらい】
長期投資では長い時間をかけて株価の成長を待つことができるため、買い値の+30%や+50%、時には2倍上昇も狙えます。一方、短〜中期の投資ではそのような大きな上昇は狙いにくいです。
私の個人的な経験では、1日〜数週間の投資期間であれば、数%〜10%の利益が出ていれば株を売るタイミングとしては十分ではないかと思います。
【資金を早く回転させるほうが利益を増やしやすい】
短〜中期投資の利点として、購入~利確を何度も繰り返して資金を回転させるほうが利益を伸ばしやすいということが挙げられます。
1回の利益が数%と小さくとも、何回もトレードを行い資金を回転させることで大きな資産形成が可能になります。
元手100万円を月に5%ずつ増やして1年たつといったいいくらになると思いますか?下記のシミュレーションをご覧ください。
もし元本100万円を運用して毎月5%の利益をコンスタントに出し続けられたら、1年間で約180万円(+80%)にもなるのです(前月の利益を上乗せしていく「複利」で計算。税金は考えないものとする)。
+5%の利益と聞くと小さく感じるかもしれませんが、年利換算すると+80%に近い数字となります。
もちろん、簡単に達成できる数字ではありませんが、短期~中期の投資では小さい利益での売却を何回も重ねることで大きな利益が狙えるのです。
狙う利益の半分の損失が出たら売却して損切りする
前項では利益が出たときの売るタイミングを解説しました。
では、株価が下落してしまったときの株を売るタイミング、いわゆる「損切り」はどのように考えればいいでしょうか。
筆者のおすすめはズバリ、「狙っている利益の半分の損失が出たら売って損切りする」です。
例えば、ある株に100万円投資して5%の利益(+5万円)を狙った場合は2.5%の下落(-2.5万円)で損切り、10%の利益(+10万円)を狙って購入した場合は5%の損失(-5万円)の含み損になったら損切りするということです。
なぜ狙う利益の半分の含み損で損切りするのがいいかというと、
利大損小を積み重ねないと資産が増えない
からなのです。
株価が上がるか下がるかの確率を50:50と考えるといいでしょう。同じ回数ずつ利確・損切する場合、利益を大きく、下がった時の損失を小さくしないと、元手の資金はずっと増えないままです。
さらに言えば、+5%の利益を狙ったトレードで損失-10%を許容してしまうと、前後のトレードで仮に+5%の利益を獲得していたとしてもトータルで―5%の損失となってしまい、逆に資金が減っていくことになります。
つまり、勝つこと以上に大きく負けないこと。それが「狙う利益の半分の損失が出たら売って損切りする」ことの意味です。
長期保有の場合の「株の売り時」
利益+10%以上を狙い、シナリオが崩れたら売る
長期投資では、短〜中期投資と違い利益率+10%以上を狙いますが、「自分が立てたシナリオが崩れたら売る」ことを心掛けましょう。
長期投資は、株が成長している間はずっと保有を続け、企業の成長による株価値上がりや配当金を獲得するのが王道です。そのため、自分が立てた企業の成長シナリオが続く限りは売らずに保有を続けるのがベストです。
では売るタイミングはいつかというと、この自分の描いた成長シナリオが崩れた時ということになります。
例えば、
社長の不祥事が判明した
もっと強い競合他社が出てきた
商品・サービスの質が落ちた
予想外の悪い決算が出た
などが売り時を考えるタイミングとなります。
これら想定外の出来事が、当初自分が立てた企業の成長シナリオをストップさせてしまうと思ったら、長期保有の方針を解除したほうがいいのです。
損失が自分の許容範囲(許容量)を超えたら売る
長期投資では基本的にシナリオが続く限りは売らないことがオススメですが、成長シナリオが崩れていないにも関わらず株価がズルズルと下がってしまう場合もあります。
この場合の売るタイミングは、「含み損が自分の許容範囲を超えたら一旦損切りする」のがおすすめです。
例えば、100万円を長期投資に使う場合、損失が20万円(−20%)までは許容できるのか、損失30万円(−30%)は耐えられないのかは個人によって許容度が変わってきます。
長期投資は長い間資金を拘束させます。もしかしたら景気の悪化などで100万円がわずか10万円にまで減ってしまう可能性も0ではないのです。そうなる前に、損失額が自身の許容度を超えたら一旦売るほうが賢明です。
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