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スイングトレードの基本と初心者向けの銘柄選定法:おすすめリスト付きで解説!


株式の取引には、基本的な長期投資のほかに、デイトレード、スイングトレードといった比較的短い期間で利益を得る方法があります。株式投資とは本来、長期的に優良な銘柄を保有していることで、少しずつ値が上がりキャピタルゲインといわれる値上がり益を得るものです。

長期投資ではファンダメンタル分析が重要で、買う銘柄の未来に期待して選びます。それに対しスイングトレードに向く銘柄は流動性の高さと、時価総額が重要です。時価総額が中・大型で流動性の高い銘柄ですと、トレンドに乗った時にトレンドラインの間で上げ下げを繰り返しながら上昇していきます。

おすすめ銘柄としては、指数に連動するものがおすすめです。具体的銘柄として日経平均やTOPIXに連動して上がる指数がよいでしょう。大きな指数ほど、全体の流れで動きやすい特徴があり、スイングトレードに向いています。銘柄の探し方は、証券会社のスクリーナーという機能を使うことをおすすめします。
この記事は以下の項目に該当する人に適しています。

  • 投資とトレードの違い

  • 初めての投資で何をしてよいかわからない人

  • スイングトレードのやり方がわからない人

  • スイングトレードの導入により、短期、中期での利益を得たい人スイングトレードでの銘柄選びに困っている人

スイングトレードの概要とその魅力

スイングトレードの概要を簡単に把握し、そのメリットを確認しておきましょう。

スイングトレードはあくまでトレードの一種です。基本は決めたルールにのっとり、トレンドの波をつかみ上昇している間は買い持ちし、値幅が出たら売ります。

トレンドが継続している間は何度も続く上昇と下落で波を乗りこなすようにして、下値で買い上値で売ることを繰り返します。その相場の状況にもよりますが、だいたい数日から数週間で売買を終らせる短期の売買を繰り返します。

スイングトレードの最大の魅力は、比較的短い期間で利益を得られる点です。何度も利益をとっていくので、一度の値幅が小さくても、繰り返すことで大きな利益を得られます。

一方で、リスクも存在します。スイングトレードのリスクは、想定したトレンドと違う動きをする場合もあることです。株式のトレードにおいて、想定した通りの値動きをすれば誰もが利益を得られます。しかしそう簡単ではなく、一気に値が大きく下がる場合もあります。

注意点は以下の通りです。

  1. 利益を追いすぎず、ルールに基づいて利益確定すること

  2. リスク許容度以上の金額をトレードしないこと

  3. 8~10%値下がったら損切すると決めてトレードすること(株価は10%下げたあともとに戻すにはそれ以上の上昇が必要なため、心理的な負担が大きく冷静なトレードの妨げになります。)

人それぞれリスク許容度は違いますが、ルールに沿った売買をすることが重要です。

スイングトレードのコツ

実際にスイングトレードを行う際のコツをご紹介します。今回は大きく分けて4つのコツについてです。

  • MACDを利用することで、長期のトレンドと方向性を確認し、どこでエントリーすれば相場の波に乗れるかを見極める

  • RSIを確認することで過熱感がないかの確認をする

  • エントリータイミングで買う時に、何パーセント上がったら売るかを決める

  • 複数のテクニカル指標を確認し、想定通りに動いているかを確認することでリスクを最小化する

コツ①:長期トレンドの把握とエントリータイミング

エントリータイミングは非常に重要です。タイミングが早すぎると、相場の波が来ていない可能性が高くなり、博打の要素が大きくなりがちです。エントリータイミングの失敗減らすためには、長期の上昇トレンドを形成している出来高の多い銘柄を5銘柄程度選び、MACDを利用して方向感を確認しましょう。

MACDはトレンドの方向感を示します。銘柄が上昇する直前の小さな向きに注目することが有効活用するコツです。大きな上昇局面では誰もが相場の方向感をある程度判断できます。しかし、どんな相場でもMACDが小さく上を向いた時にエントリーできると、人より先に買えるため値幅がとりやすく、落ち着いてトレードできます。

必ず売るタイミングを決めてから買いましょう。エントリータイミングがうまくいけば、ルール通りに利益確定するだけです。上昇途中でのエントリーでは値幅もとりにくく、儲けが出る前に下落することもあり冷静さを欠くかもしれません。トレードでは欲張ると必ず失敗します。決めたルールを守り、冷静にエントリーと利益確定を繰り返しましょう。

コツ②:チャートパターンやテクニカル指標の活用

チャートやテクニカル指標も活用すると、リスクを減らすことが可能です。MACDは一つの指標にすぎず、RSIという過熱感を測る指標も確認しましょう。

RSIとは、「Relative Strength Index」の略で、テクニカルチャートのひとつです。日本語に訳すと「相対力指数」になります。要するに、買われすぎか、売られすぎかを判断するための指標として利用されています。 RSIは、過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計を足した数字で割って、100を掛けたものです。いくら値上がり、値下がりしたかはRSIでは判断できません。数値は0~100で表され、一般的に70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断されます。」

【引用:SMBC日興証券:初めてでもわかりやすい用語集

50が中央値で、70を超えると過熱気味と判断できます。エントリータイミングでは、チャートの過熱感を確認すべきです。チャートのパターンは、波を繰り返しながら上がっていくパターン、横ばい、上昇と下落をしながら下落に向かっていくパターンもあります。

スイングトレード初心者には上昇トレンドの銘柄の方が扱いやすく、リスクも少ないでしょう。まずは25日移動平均線の近くで動いている銘柄を探しましょう。25日移動平均線よりも上にいきにくい銘柄と、25日移動平均線を下値として上がる銘柄があります。

トレンドラインを上下に引くことで、25日移動平均線を中心として、どの値幅で動いているのかも確認できます。さまざまなテクニカル指標を利用することで、エントリーと利益確定のタイミングの精度をあげましょう。

コツ③:リスク管理とポジションサイズの計算

リスク管理とポジションサイズの計算は、冷静なトレードのために非常に重要です。リスク管理ができれば利益はついてきます。

例えば、損失を出してもよい金額を5万円と決めたとします。その場合のポジション計算は
5万円÷50万円=0.1で、10%の損失まで見込むと、ポジションサイズは50万円です。スイングトレードでは5~7%程度の損失が目安ですので、100万弱のポジションサイズが適正だと導き出されます。

自分自身のリスク許容度を知ることは非常に重要です。この計算を知ることで、実際にどのくらいの金額をトレードしてよいかの目安がわかります。損失してもよい金額を明確化することでナンピン買いを繰り返し、損が膨らむリスクも回避できます。仮に損してもよい金額を超えた場合、失敗と割り切りエントリーしなおすことも大切です。
参考:スイングトレード向きの銘柄の探し方|SMBC日興証券

スイングトレード銘柄の選び方

スイングトレードのコツを知れたことでこれから取り組むべき内容が明確になったことでしょう。次は、銘柄の選び方を詳しく解説します。

大きく分けてセクターローテーションについての説明と、分析方法の違いや行い方について説明します。

市場セクターの選定方法とセクターライフサイクルの理解

スイングトレードにおいて、セクター選びとセクターチェンジすることは効果的です。次に資金の回ってくるセクターを想定することが、資金回転の効率を高めてくれます。

  • 好景気時にはハイテク株が上昇しその勢いとともに、金利があがっていく

  • 高金利時期には、エネルギーセクターが上昇する

  • 高金利が続くと不景気となり、通信、小売りといった、消費安定株が上昇

  • 金利が低くなると、次の好景気に向けてに向けて銀行株が動き始める

このように、景気がよくなれば金利が上がり、金利が上がると株価は下がる局面に向かいます。その後、低金利によってデフレから脱却しようという動きがおこり、また好景気へと向かう循環を繰り返します。

セクターのサイクルを理解し、別々のセクターに資金を分散し、時期を見極めてトレードすることで、勝率が上がります。スイングトレードは何度も資金を回転させる中で、トレード成功率を上げればあげるほど、短期間で利益を大きくできます。

ファンダメンタル分析とテクニカル分析の組み合わせ

ファンダメンタル分析とテクニカル分析は、二つの手法のどちらかに特化する人が比較的多くいます。しかし本来これらはどちらもトレードする上で重要な分析手法です。

例えば、ファンダメンタル分析においては、決算もよく先々の企業業績も伸びていくであろうと分析できる企業があるとします。それを、テクニカル分析を用いて分析してみましょう。もしかしたら多くの人がそのことに気が付き、既に高値水準にあり、株価は上がってしまっている場合もあります。

二つの分析手法を使い、株式市場において割高なのかどうか判別しましょう。ファンダメンタル分析でよい銘柄をみつけたら、トレンドラインを引いて、上昇局面でエントリーし、利益を確定するスイングトレードもできます。

どんな銘柄でも、一本調子で上がっていくことはあまりありません。ファンダメンタル分析で上昇しやすい銘柄を選定し、テクニカル分析を使って売買タイミングを測りましょう。

ニュースやイベントの影響を考慮した銘柄の選び方

ニュースを利用した、銘柄の選び方もあります。例えば、為替が円安となれば、輸出企業の利益が上がり、大手TOYOTA自動車には追い風となります。輸出企業は予定の為替を発表しています。それより企業が儲かる水準で為替が動けば、輸出で利益を拡大する銘柄からトレード候補を探せます。

ほかにも、国が海外旅行者を増やすと発表すれば、移動手段であるJR東海の株価が上がります。最近では、国内の半導体を国全体で盛り上げようという気運が高まりニュースになっています。それを受けて、半導体銘柄が買われるなどの動きもあり、いち早く情報を得た人が、その恩恵を受けています。

ただし、世の中にはニュースがあふれていますので注意が必要です。情報を得た時には、既に株価に反映されてしまっている場合もあります。テレビやインターネットニュースの後では遅いと認識しておきましょう。

新たな情報を得たときに、その関連銘柄を確認し動きをチェックする癖をつけましょう。そのニュースを起点に上昇局面に入る銘柄をみつけられれば、初動からトレードに入ることも可能です。

初心者向けのおすすめ銘柄の特徴

スイングトレードに適している、初心者にもおすすめな銘柄の特徴を説明します。抑えておくべき特徴は主に三つあります。

  1. 流動性が高いこと。流動性のある、出来高上位で時価総額の中型以上の銘柄を選ぶことが大切です。

  2. 上昇トレンドを形成していること。株式は売りから入ることもできますが、初心者は25日線を下値支持線として上昇していく銘柄が扱いやすいでしょう。

  3. 自己資金の20%程度の取得単価であること。(→例えば、資金を100万円の資金を用意した場合、20万円までの銘柄がよいということ。)

これは、トレードの際に銘柄を3~5銘柄に分散することで、リスク分散できるからです。例えば、日経レバレッジ(銘柄コード1570)、TOPIX連動型上場投信(銘柄コード1306)、東証マザーズETF(銘柄コード2516)などの指数に連動する比較的値動きのある銘柄選定をします。

エントリータイミングがきた順番にエントリーすることで、時間軸のリスク分散、投資対象の分散ができます。セクター別のETFも含めると、相場の循環にうまく乗ることができます。

これらの指数は、いずれかが先行して上昇トレンドを形成すると、追いかけるように上昇トレンドを形成することが多いため、テクニカル指標もみながら時間を分散してトレードするとよいです。

まとめ

スイングトレードにおいて初心者が成功するために重要なのは、上昇トレンドを形成している銘柄に、タイミングよくエントリーすることです。トレンドラインを確認し、そのトレードにおいてとる値幅を決めて、ルールに基づいたトレードに徹します。

欲張らないように注意しましょう。ファンダメンタルとテクニカル指標を分析することで、成功率を上げることも重要です。その上で、損切ラインを必ず決めましょう。損切ラインが決まれば、ポジションサイズが決まります。日本の市場では25日移動平均線を下値支持線として動く銘柄が多く、値幅を取りやすい傾向があります。

リスク管理もシンプルで25日移動平均線を割り込んだ場合、損切できます。初心者は、ルールに基づいてトレードするのも難しく、感情が入りがちです。感情に左右されないようにするためには、データに基づくルール設定が大切です。同じトレンドが続く限りルールを破らずトレードすることこそ、初心者がスイングトレードで成功する秘訣です。

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