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北海道地震から1年。札幌市民として覚えておきたいこと。

あの地震から1年が経った。あのとき我が家の被害は幸いにも停電くらいで済んだのだけど、あの日を境に(直接的には地震に関係ないことだが)怒涛のように悲しい出来事が続き、自分の人生においてもひとつのターニングポイントとなった出来事のように感じている。3.11のときは東京在住で、このときもいろんな価値観がひっくり返って人生の方向性に大きな影響を受けた。できればもう起きてほしくはないけれど、どこかで覚悟と準備はしておかなくてはならないだろう。


そんなわけで北海道地震は、個人的にも、道民の多くの人にとっても大変な天災だったのだけど、一つだけ、天なのか神様なのかわからないが、感謝しなければならないことがある。

それは地震が9月6日だったことだ。その直前、9月4日夜から5日未明にかけて、北海道に台風21号が上陸した。当日の新聞記事を掘り返すと、道内は幅広く暴風域に入り、倶知安では洞爺丸台風に次ぐ最大瞬間風速42.4m、札幌でも32mを記録し、倒木や建物の屋根がはがれるなど大きな被害が出ていた。そもそも台風が北海道を直撃することはまれで、人も建物も、そして木々も、あまり耐性がない。5日朝に外に出てみると、我が家の周りも至るところで大木が倒れ道路を塞いだり、電線を切ったりしてすさまじい光景が広がっていたことを覚えている。その周囲では役所やインフラ企業、現場作業員の方々が朝早くから復旧にあたっていた。そのおかげで、その日のうちには道路に横たわる木々も撤去され、落ち着きを取り戻していたのだ。


そして迎えた9月6日。午前3時7分。

そこから先の被害はあらためて述べるまでもない。今でも地震の影響で苦しんでいる人たちもたくさんいるし、ちょっと震源がずれていれば我が身にも降りかかっていたわけで、その被害を軽視するつもりは毛頭ない。

なんだけど、極めて個人的見解を述べるなら、あの地震と台風の順番が逆でなかったことは、本当に不幸中の幸いだったと思う。地震でブラックアウトした夜に、台風21号が来襲して道が塞がれ屋根が剥がされたとしたら。想像すると今でも背筋が凍る思いがする。


被災された方々への配慮もあるからか、その「幸運」はあまり北海道でも語られることはないが、ちょっとした天の気まぐれによっては、もっと恐ろしい被害が起きていたかもしれない。そして今後もあり得ないことではない。想像を超える「最悪の事態」は起こり得る。そのことはずっと忘れずにいたい。

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