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子どもに見せたい番組No.1「ハイパーハードボイルドグルメリポート」

世界中の珍しい文化や風習をとりあげて笑ったり驚いたり、いわゆるネタとして「消費」するような番組は多い。でもこれはちょっと違う。


取り上げられるのは、刑務所から出てきたホームレスの男性や、内戦の傷跡残るアフリカで娼婦として生きる女性など、我々からするとお世辞にも恵まれているとはいえない環境にある人ばかり。ディレクターは危険を顧みず接触し、その生活と「飯を食う」様子を撮り続ける。やがてその視線がどこまでもフェアであることに気づく。(番組として)「面白そう」だから撮るのではなく、人間対人間として、その人、その生活に「関心がある」から撮っていることが伝わってくる。


そのフラットな哲学に貫かれた映像によって、視聴者であるぼくたちは、安易な憐れみといった感情からは無縁となる。一見「ヤバい」彼らの飯や暮らしが、実は「世界のどこかにある日常」であり、その意味では、テレビのこちらにいる我々の日常と何ら変わらないことがわかるからだ。


他者の価値観を知り、多様性を理解する。他者に必要以上に干渉せず、人は人、自分は自分なりの幸せを追う。そんな当たり前の、でもこの時代にとても大切な「あるべき態度」を学ばせてくれる番組だと思う。

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