ミルク缶のPB

ローソンのPB、パッケージの一新が、話題ですね。いろんなところでいろんな人がいろんな視点で語られているので、読むだけで面白いなぁ。

デザインの勝利!から、
さすがのnendoとか、
パッケージのコスト視点や
UD分析の棚の見やすさから
間違えて買った。まで。

私はローソンにほぼ行かないので、
明日行ってみて見てみて考えたい。
ただ、いま、いろいろな意見をよんで、感じていることをここに書いておこうと思う。

デザインをした人の立場に立って言えば、こう言える。われわれの提示したコンセプトが受け入れられたのだ。実はデザインは見た目ではない。コンセプトを表現できているか、に尽きる。受け入れたのはローソンの経営陣だ。

だからデザインの勝利と言われるんだよね。でも、デザインって、デザインが勝ってどうするんだ?誰のためのデザインだ?なので、そのコメントは本当は、正しくない。

結果どうなるかなんていうのはフタ開けて見なくちゃわからない。売れたら、それでいいけど、コンセプトにとって、売上だけがデザインの目的ではない。もちろん、コンセプトが素晴らしければ、ちゃんと伝わり機能すれば当然売り上げをともなう前提で語られる。

売れても売れなくても選んだのは、ローソン。とがったデザインで時代にさされば、と社長が言っていたようだ。こんなに話題を呼んでいるんだ、その選択の通りになっていると思う、間違っていない。

そしてちょっと他のコンビニチェーンと違うよ、付加価値があるからこそ、少し高いよがローソンのイメージ。それには合ってるかな。

経営判断として、いまコンビニにこの商品が並ぶことで、空気はつくった、と思う。やさしいデザイン。店舗をもつPBだからこそ、たくさん並ぶからこそ、ローソンが、やさしい雰囲気のコンビニだというイメージを感じてもらえる。手書きのようなニュアンスのあるロゴ、かっちりしたフォントではなく、ちょっと揺れたような書体。小さいかわいいイラスト、やわらかな色遣い、明るくコントラストを和らげたシズル、多言語表記、、、すべてのトーン&マナーが、やさしいに向かってる。

コンビニは、お店。ものを売るお店。もののデザインが店舗のイメージをつくる。

ただ、間違えて買うのはなぁ。。。
毎日のことだしなぁ。。
並べたものを選んで買ってもらう機能はきちんと働くか?イメージはやさしくても老若男女の心にはやさしいか?
特色使ってコスト上げてるのも、お互いにとって良かったのか?一点一点あたりや、全体として広告宣伝費と比較すると微々たるかもしれないけど、平気ではいられない。
そういう点からパッケージとしては失格だなと思う。

デザインがいいってひとことで語るのむずかしい。でもパッケージは、売り上げを伴わなくちゃ。
デザイナーが思うより、お客さんはもっとシンプルなことで悩んでることに気づかなきゃ。

まず、欲しいものがどこにあるか。

カレーはどこに置いてある?
ハンバーグは、チーズいりなのかどうか。
トイレットペーパーは、ダブルかシングルか。
納豆か豆腐か。
どこにあるねん、うろうろ。
どっちやねん、うろうろ。
では困るわけで。

そして、それはいくらで買えるのか。

緑茶がこの価格。
やっす!
まぁ、いっか、たまには。
毎日買うには、痛いな。
斜め向かいのセブンで買うか。

生活はイメージじゃない、具体的な選択から成り立つ。コンビニだからこそ、パッケージは秒で買うデザインが求められる。そして競争に勝てるのか。それが伝わる検証をしたのかな?と問いたい。してないはずがないと思いたい。その上でのこの選択だった?

コンビニは時代の主戦場だと思う。
スーパーよりもドラッグストアよりもホームセンターよりもいち早く空気を読んで、いち早く変わっていく。
コンビニだからこそ選ばれたデザイン。後ろなんか見てない、これで勝負と決めたんだ、走る。

売れなきゃ変えたらいい。
体力があるなら、その手が打てる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?