見出し画像

緊急事態宣言後もお店を開き続ける夫にいま、妻である私が思っていること。

4月7日、COVID-19の感染拡大をうけ、緊急事態宣言が発令されました。
基本的な外出の自粛、人との接触を8割減少させてほしいとのこと。

海外のニュース等で医療現場や、患者さんの悲惨な現状をみると、こうした外出の自粛は少しでも多くの命を守るため、必要な措置です。0歳の娘を胸に抱くと、より一層危険はすぐそばにあるんだという恐怖を感じています。

ただ、私の夫は中野で飲食店を自営しています。35歳で個人事業主をスタートして5年、実は今月の11日で中野のお店は3周年を迎える予定でした。

これまで夫のお店は、中野駅徒歩7分とやや立地が悪く、私からみると決してブランド力があるとはいえない。(実際のところ中野のめっちゃ繁盛店というわけではない。)それでも、一人ひとりのお客さんと向き合い、美味しいっていう声が聞ければそれでいいという旦那の想いで成り立ってるお店でした。

本格的にコロナウイルスが騒がれ始めた2月頃から、決して高くはないもののオープン当初から徐々に上げていた売上が、じわじわと低迷。通常では伸びる新規顧客が伸びない。3月中旬、初めて夫から新規顧客獲得のために手伝ってほしいと頼まれました。

そんなさなか、3月下旬の土日の外出自粛要請。ナイトクラブなど夜の酒場がクラスターの発生源であるとの指摘。周辺の店舗でも土日の営業自粛等がポロポロと出始めました。このころから我が家でも営業自粛で休業するか、日々議論に。

夫「いつまで続くかもわからないので、今締めたら売上ほんと厳しい」
私「売上も厳しいのわかるけど、コロナ広げても大変だし、お店からでたらそれこそ大問題だよ」
夫「お店つぶすわけにはいかない」
私「うちらが持っている可能性だってあるし、娘にうつったらどうするの」
夫「感染対策したうえで開け続ける」

こんな会話の繰り返しでした。今回の自粛によって飲食店がどれくらい厳しくなるのかは素人の私が語るよりもこちらのnoteご覧いただいたほうがわかりやすいかと思います。

本当に厳しい状態なんです。飲食店の方々はあの手この手で努力を尽くしています。

緊急事態宣言が出されると噂され始めた4月上旬。心配した私の両親から、家族を考えたらお店閉めなさいと連絡が来る日々。そろそろ厳しいのわかるけど休業せねばなのでは?と私が言ったところ、

夫「お客さんの居場所、立ち寄れる場所をなくすわけにはいかない」

あー、今までいろいろと言ってたけど、それが飲食店としての素直な想いなんだなって急にふっと腑に落ちました。

日々の仕事、生活のなかで家以外にもてる居場所、人のつながり、美味しいごはん。誰かと美味しいねって共有しあえる時間、空間。ずっと飲食という仕事に向き合い、大切にしている夫だからこそ、この状況でも休業することになかなか踏み切れないだって。

いろんな意見があるのはわかっています。この期におよんで他人より自分の家族の命はどうするんだ!そうやって開いてる場所があるからクラスターが発生して収束しないんだ。コロナウイルスなめるな!もうほんとごもっともです。自分たちを正当化するつもりもありません。

ただ、日々日常が日常でなくなっているなかで、なくなっていく日常を必死で残そうと夫はもがいてるんだと思います。そして、夫と同じようにもがいている人がきっとたくさんいて、それによって救われている人もいるのでしょう。

今日も夫は営業を続けています。

一応営業時間は短縮してますし、土日は休業予定です。明日の都の発表をもってまた状況は変わるかもですが。

妻として毎日送りだしながら、これでいいのかと。
正解のわからない日々を過ごしています。

それが率直な今の気持ちです。

ただ、ひとつ、私が信じているのは、「これからの未来は、今の自分がつくる」ということ。またいつかの笑顔ために、家族にとっても、お店にとっても私が最大限できることを今やっていければと思っています。

ある意味、原始人の夫がテイクアウトとかSNSとかに興味もったのは今回がいいきっかけだったし!(笑)

不安な日々は続きますが、今は未来の笑顔の種を仕込む時期だと思って、明日も笑顔で過ごせますように。

飲食業の皆さん、ほんとつらい時期ですが一緒に頑張りましょ!

こんなnoteで興味持った人がいるのかは謎ですが、一応テイクアウトも始めたのでお店のサイト置いておきます。コロナが落ち着いたらぜひ一緒に飲みましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?