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ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー

角川武蔵野ミュージアムについて

埼玉県の所沢にある角川武蔵野ミュージアムは、住宅街に囲まれた一角に、近づくとその建造物の異質さ・異様さに驚くほど、独特な建物である。
あの有名な隈研吾設計のミュージアムは、外から見ると水に浮かんだ巨大な岩のように見える。

角川武蔵野ミュージアム

内装は黒をベースにしたシックなイメージだが、各階ごとに異なる展示が用意され、それぞれが非常に個性的だ。
特に「本棚劇場」は見たことがある方も多いだろう。2階分の吹き抜け部分いっぱいに高く積み上げられた本棚は実際に見てみても圧巻で、まるでハリーポッターの世界に入ったかのような感覚だった。

本棚劇場

ファン・ゴッホ 体験型デジタルアート展

今回の目当ては、「ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー」という、360度体験型デジタルアート展だ。

平日昼間、しかも東所沢という都心から離れた場所にあるにもかかわらず客数は多く、特に学生や主婦等の若い年齢層の方がほとんどであった。ミュージアムに隣接する「ところざわサクラタウン」には、チームラボ作品の展示もあり、若い方や家族連れに人気なのも理由だろう。

本展示は、大きな1つの会場で繰り広げられる30分間の映像作品が主で、その他の展示としてはゴッホの年表をポップに展示しているというものだ。
会場内には、ベンチやイス、ハンモックがあり、座って鑑賞することもできれば、広い会場を歩き回って鑑賞することもできる。

音楽に合わせて360度のプロジェクションマッピングでゴッホの作品を体験できるこの作品は、まるでゴッホの絵の中に入ったような感覚で、普通に絵画を鑑賞するよりも没入感とともに興味深く見ることができた。

ゴッホのひまわりの作品

ゴッホの、光と影を感じさせるその作風を、動画のように動かしたり点滅を繰り返したりすることで、作品を描いた彼の心情に少し近づける気がした。

ゴッホの自画像がだんだんと消えていく様子

ただ個人的は、率直な感想として、少し物足りなさを感じてしまった。
映像作品は30分と割とボリュームがあるものだったが、主な展示はそれだけという印象を受けた。もちろん、そのあとの年表も、わかりやすく・面白く工夫されていたが、「ゴッホの展示が見たい」人には少し物足りないかもしれない。
フォトスポットも多く設けられているため、家族連れや友達同士で「映え」を求めて訪れるにはよいスポットかと思う。

入り口付近の「映えスポット」

最後に

角川武蔵野ミュージアムは、都心からは離れており訪れるのに時間がかかるが、「本棚劇場」や「エディットタウン-ブックストリート」、今回の展示を見るには、時間をかける価値があるミュージアムかと思う。

ただ本棚劇場・ブックストリートは、一般的な図書館とは違い、その内装やテーマごと分けられた本を楽しむ場というイメージのため、ゆっくりじっくり本を読むという場所ではない印象だ。

エディットタウン-ブックストリート

またゴッホ展は、30分ごとに映像作品がスタートするので、入館時間を工夫した方が楽しめるかと思う。
ゴッホ展は、11月27日まで開催されているので是非訪れてみてほしい。

ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー
会期:2022年6月18日(土)〜2022年11月27日(日)
会場:角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
※チケット料金は、種類・会期によって異なるためHPを要参照


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