Segment Routingは障害発生時に何秒でバックアップパスへ切り替えられるの?(TI-LFA)

ネットワークの運用者が一番気になることはトラブル発生した時の影響と対処方法だと思います。
Segment Routingで、障害が発生した場合はどうなるのでしょうか?

1.TI-LFA(Topology Independent Loop-Free Alternate)=どんなトポロジでもバックアップ用意しちゃうよ!

Segment Routingでは、TI-LFA(Topology Independent Loop-free Alternate)とよばれる機能を備えます。
バックアップパスを考える場合、一番重要なことはなんでしょうか?

そうです、バックアップパスの安全性です。
途中のルータにトラブルがあったり、ループするようなパスだった場合はバックアップパスとして切り替える経路に値しません。

SRでは、TI-LFAを用いることにより、このように安全でループしないバックアップパスへの切替を行うことが可能です。

2.TI-LFAがない場合の障害発生切替時間

TI-LFAがない場合は、通常のOSPFと同じ仕組みで障害を検知し、切替を実施します。

デフォルトでは、OSPFはネイバー間で10秒単位でKeep Aliveでお互いの生死を確認しています。
このKeep aliveが40秒間来なければ、ネイバーがダウンしたものと認識します。
そして、ダウンしたネイバーの経路を削除して、隣接している他のネイバーに経路が削除した旨の通知をUPDATEします。

単純に考えても切替までに40秒以上かかりますね。

その他の仕組みとしては、Keep aliveのパケットの代わりにFast Hello(hello 1秒 dead 4秒)やBFD(100msec 3発来なければ障害として検知!)等でダウンの検知を早くする試みがあります。
これにより、障害の「検知」は1秒内までの高速化に成功しましたが、コンバージェンス(ダウンした経路の広告とこれに伴うルーティングテーブルのアップデート)に不安が残ります。
特に大量の経路を抱えたバックボーンルータの障害切替で1秒内の切替時間を求められる場合、BFDだけではコンバージェンス時間に不安が残ります。

3.TI-LFAの障害切替時間は?

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