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3GPPのリリースから見る5Gスマホの速度(QAM、CA、MIMO)って?

みなさん、スマホの速度ってどうやって早くしてると思います?

スマホのネットワークは、ざっくり以下の通りです。
スマホ→アンテナ(eNB,gNB)→モバイルバックホール→EPC(LTEシステム群)→インターネット

3GPPのリリース15では、5GのeMMB、URLLC、mMTC共に検討していましたが、特にeMMBの中でスマホとアンテナ間の速度アップに注力していました。
今回は、スマホとアンテナ部分ってどう高速化しているかについて考えていきたいと思います。


1.スマホとアンテナ(eNB、gNB)はどういう要素で速度アップするの?

スマホとアンテナ(eNB、gNB)の間は、無線で通信をしています。
この中の要素として以下3点が主に上げられます。
・無線電波1波の速度向上(QAM)
・異なる波長を足し合わせて速度向上(CA)
・同じ波長を足し合わせて速度向上(MIMO)

ちなみに、ざっくりというと以下
・eNB(evolved Node B) 4G用のアンテナ
・gNB(Next Generation Node B) 5G用のアンテナ

1.1.QAM

スマホとアンテナの間は、無線の電波で通信しています。
スマホとアンテナの間は電波で通信されているので、1つの電波毎に送信する情報量が多くしたらもちろん速度向上すると思います。
波で考えると、1波で送れる最低数は、波の頂上を1、波の一番最下段を0として考えれば0か1かで情報を送信できると思います。
これまでは、1波長で上記のような0もしくは1(1bit)しか送れませんでしたが、この波を細かく区切って意味付けして、1つの波で送るbit数を増やしました。
波の1/4までを1と換算して頂上を2として・・・のようなイメージです。
これをQAM(Quadrature Amplitude Modulation)といいます。
QAMといえば、1波長の意味づけを変えて、送信するbit数を増やしたんだ!と思ってもらえればOKです。
16QAMやら256QAMやら1024QAMやらありますが、数が増えれば増えるほど1つの波で送信可能なbit数が増えると考えてください。

1.2.CA(Carrier Aggregation)

QAMは、1波長の速度アップに視点を合わせていましたが、CAは波長を束ねて速度アップを図ります。
2GHz帯とか、800MHz帯とかよく聞きますよね?
これらの波長帯を組み合わせて、速度アップをしてしまえ!という考えがCA(Carrier Aggregation)です。
表記の方法も決まっていて、例えば、ドコモのPREMIUM 4Gとかありますが、これは、CA 1-3-19-42と表記されます。
これは、BAND1とBAND3とBAND19とBAND42を組み合わせたものと表現されます。
・BAND1 → 2.0GHz帯(約150MBps)
・BAND2 → 1.8GHz帯(約400Mbps)
・BAND19 → 800MHz帯(約150Mbps)
・BAND42 → 3.5GHz帯(294Mbps)
下記のドコモ PREMIUM 4Gは3.5GHzを2個並べて、理論上は受信時最大1.288Mbps出せるサービスとして歌っています。
※なお、実行速度は145Mbps~283Mbps

ということで、CAといえば、「異なる」波長帯域を組み合わせて速度向上を図っていると思ってください。

1.3.MIMO(Multiple Input Multiple Output)

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