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バツイチアラサー女がマッチングアプリで2000いいねまでたどりつくまでの話。〜タカシ、現る〜


■離婚の辛さから蘇る儀式は「マッチングアプリ」


結婚してすぐ離婚。
精神ズタズタにやられたけど、どうにかこうにか立ち直った自分が次に起こしたアクションは「転職」「彼氏を作る」だった。
転職はまあサイトに登録すりゃあ何かしら見つかるけど、彼氏は知り合いからの発掘は無理だ。
男が見つかるサイトといえば、マッチングアプリだ!
こわごわ、マッチングアプリに登録した瞬間、わたしの戦いは始まった。

■本人確認は辛いよ

とりあえずペアーズに登録。
え、本人確認?
は?フェイスブック登録?
すでに転職は済ませていたので(すごい端折ってしまった笑)、前職の保険証の写真がちょうどあったのでそれを使った。
なんか微妙にダメな気もするけど、まあ通るわけで…
フェイスブックも申し訳ないけど、本名のサブアカを作って、遠い遠い海外の全く知らない人ばかりフォローした。
そう、わたしは男を見る目はないけど悪知恵はよく働く女だったのだ。

■プロフィールが書けなくて

まあそんなこんなでいろいろと細工を凝らして、登録を進めていく。
次なる壁は写真だ。
身内にバレては大変気まずい。
SNSに一切出してない写真にしよう。
とりあえず着物の写真があったので、口元をスタンプで隠して登録してみた。
プ、プロフィール?
何書くの…?
「いいね数が多い人のプロフィール」というものを見てみる。
…絶句…もぅマヂ無理。
こんな女子っぽい文章書けるわけない。
しんだ。
とりあえずありのままの自分で書いてみた。


■プロフィールはモノクローム 色をつけてくれ

「こんにちは!
都内で会社員をしているマコト(仮名)です。
なかなかいい出会いがないので、登録してみました。
趣味はお菓子作りです。
休みの日は美術館巡りや買い物をするのが好きな過ごし方です。
よろしくお願いします。」

…見事に絵文字ゼロのモノクロの文章だ…
確かに趣味は女子っぽいけど、ショートカットだし、ニックネームはなんか男っぽい名前だし、大丈夫かこれ…
キラキラ女子たちはなんか巧みに絵文字やら記号やら使ってるのに…
まあいい、とりあえず公開だ!
とっぷりと日が暮れた金曜の夜、なんだか悪いことをしてるような感覚に陥りながら、スマホの画面と睨めっこした。
あっという間に「その時」が来るとも知らずに。

■アプリスタート、そして目バキの朝の出会い

今でこそ冷静に振り返れるけど、マッチングアプリっていうのは、本当によくできている。
初回特典的に、登録してすぐの人はめちゃくちゃいいねがくる。
最初は浮き足だったけど、後から分かったのは、新しいユーザーにはポイント減らさずにいいねできるとかそういうカラクリだった気がする。
まあこの頃はそんなことに気付くわけもなく、夜を徹して男を漁る。
鳴り止まないいいね!
いいねが伸びるたびに満たされる承認欲求。
どうしても背が高い人じゃないとダメだったので、その条件だけは外さずにそこそこ稼いでるフツメンの男をとにかく探す。
この間もいいねは伸びる伸びる。
目をバキバキにしながら朝日を拝み、明け方にある男性とマッチングする。


■たくさんのいいねとタカシ

「おはようございます!早起き?ですね」
すでに何人かマッチングしていたけど、
「かわいいですね!お話ししませんか?」
「マッチありがとう!」
「はなそー」
なんとなく不快感覚える人とか、コピペじゃない?って思うようなメッセージでありふれる中、初めてコピペじゃなさそうな文章が送られてきた。

「いや、なんかずっと起きちゃってて。アプリ始めたばっかりで切り上げるタイミングがわかんなくなっちゃって…」とかなんとか、なんだかすごくしおらしい文章がわたしの指先を滑っていく。
「わかります!僕もアプリ始めたばっかりで。なんかよくわかんないですよねえ。」

彼の名はタカシ(仮名)。
すごい。すごい普通の人だ。笑
普通のコミュニケーションってなんだっけ?と思ってしまうメッセージばかりの中、初めて普通のコミュニケーション取れる人がやってきた。
顔は普通そうだけど、そこそこ稼いでるどころか、理想くらいの年収だし早くももうアプリやめる時がきたのか!?

脳内のお花畑の蕾が一斉に花開く。
よくよく話を聞くと、わたしが毎日仕事で訪れるビルに彼も勤務しているという。
ええーまじかー顔はそんなタイプじゃないけどー(もう彼氏になってる気分)
お花畑はもうほぼ満開になって、フローラルな香りが漂うほどだ。
とんとん拍子に話が進んでいって、次の日曜に会ってみようなんて話になった。


■タカシ、現る

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