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服を身に纏う②

服を好きになることは、人それぞれであると思うが、僕の場合、「モテたい」という単純な動機。若い頃にありがちなものだと思う。

中学2年生ごろから、自分で服を選んで着たいという気持ちが芽生え、それと同時にジーンズが好きになり、アメカジに走る。高校までは、ジーンズに夢中になり、Lightningという雑誌のヴィンテージやレプリカのジーンズ特集号を読みまくり知識を蓄えていた。(新しいことを知り楽しかった)

大学に入ると、おしゃれな友人たちができ、古着を買い漁ったり、モードと言うジャンルを知り、今ではスタンダードになった「モード☓ストリート」のスタイルをやるようになり、自分の中で表現・スタイルの幅が広がり、より楽しくなった。

そんなこんなで様々な紆余曲折があり、現在も服を楽しんでいる。

現在、ファッションは多様化し、昔みたいな大きな流行があれば、みんなこぞってそのスタイル・アイテムを入れたコーディネートをしていた印象がある。メディアや雑誌の影響力が10年前まではあったが、この10年で影響力が急速になくなった。

それは、SNSの登場だと言える。

これはいろんなところで言われて聞き飽きていると思うが、SNS(TwitterやInstagram)があらゆる世界を変えてきたといえる。

SNSにより、ある種、表現の自由が本当に自分の手に来たと思う。

個人投稿により、自分のスタイルを築き上げている人のスタイルが見えるようになったことで、大きな流行で街に溢れていたスタイルがなくなり、個々人の好きなもの・やりたいスタイルをしている人が多くなったと思う。

それでいうと今流行を作っているのはファストファッションなのかもしれない。特に「ユニクロ」の功績は良い意味でも悪い意味でも大きい。

世界に展開し、安く・品質の良い商品を供給し、誰でも一定のラインのおしゃれを楽しむことができるようになった。

しかし、大量に溢れかえったせいか、いわゆる「ユニクロっぽい」というスタイルが見られるようになった。また、服に着させられているような人も増えた印象もある。

安く・簡単に服を楽しめることは、良いことではあるが、より深く服を楽しむには、ユニクロからの脱却が一時的には必要なのかもしれない。

そこを抜け出し、より本質の服を突き詰めるため、様々なショップに出向いたり、そのショップの店員さんから進められた商品を着こなすため、努力したり、考えたりする。また、ショップに来る人と知り合い、その人が影響を受けたものを知り、それを服へ落とし込んでいく。その時間が服をより知ることになるし、自分の身体に馴染んでくる。服の楽しさの1つはこういったローカルが生み出すところ。

自分もこのようなことをしてきて、今もそんな感じで服を楽しんでいる。

自分のスタイルとは、受けてきた影響や出会った人、音楽、本、美術、食べ物、様々な環境からの影響から出てくるものと思う。

僕は、まだまだ知らない世界があると思っている。その都度、取り込み、考え、自分の服の選択を行い、自身の身体で表現をし続けたい。

ファッションは面白くなくなったと思っていたが、考え方を変えれば新たな視点になると思う。なにか感じて、服を楽しむ人が増えたらと思う。