「こんな福利厚生あったらいいな」を実現させた。一人ひとりが、自分らしくあれる組織をめざして。
創業5年目、社員20名足らずのベンチャー企業である当社(ケイスリー)には、ユニークな福利厚生制度があります。それは、下記について、会社が一定額まで費用負担する、というもの。
小さく新しい組織なら、事業の成長が優先で、社内支援は二の次であってもおかしくはない。なぜ、こうした制度に力を入れるのか。今回、創業者であり代表の幸地に、その理由を聞きました。すると、そこには単に「幅広い支援を通じて、社員の業務パフォーマンスを上げるため」という理由に留まらない、もっと大きく深い想いがありました。
(幸地:移住先の沖縄の海を臨む自宅から)
「こんな制度あったらいいな」を形にした
ーーどんな経緯で、この制度を作ったのですか?
福利厚生を設けたのは、創業3年目の2018年(ワーケーションは2021年に追加)。当時、制度について調べていたところ、会社によって裁量の幅があり、様々であることがわかりました。それならば「自分がほしいと思うものをつくろう!」と。
起業前の会社員時代も、研修や語学学習の支援などはありました。でも、会社指定のものに限るなど何らか制約があり、本当に使いたいものに使えないというストレスを感じていた。機器やツールを会社負担で、というのも珍しくないけれど、それもやはり会社支給だったり指定があったり。そうではなくて、自分で探せる、自由に選べる。そんな制度をつくりたかったんです。
仕事とプライベートはつながっている
ーー 中には、あまり仕事に直結しなそうなものもありますね。どういう考えからですか?
仕事とプライベートは繋がっているから、そこを分けてもあまり意味がないと思ってるんです。そして、いかにも業務と関連するところだけを支援しても、視野は広がらない。
メンバーには、視野を広げて、どんどん新しいことに挑戦してもらいたいと思ってます。新しいことに挑戦するときって、「そこまでお金をかけてやらなくてもいいかな」とブレーキがかかることも少なくない。もし、この制度が、挑戦のハードルが下がり、それを越える後押しできたら、最初のきっかけを作ることができたら、すごく嬉しいなと。
心も体も健康であること、先端技術にアンテナを張ること、それを知っているだけではなくて体験すること、感性を高めること。そういうことは、どれもとても大事だと思っています。だから、それを支援したい。
それは、そのままより良い仕事に繋がるかもしれないし、すぐには繋がらなくても、回りまわって、より良い仕事、新しい仕事に繋がるかもしれない。そうなればいいな、とは思います。でも究極的には、そうじゃなくてもいい。別に、業務パフォーマンスを上げることが、この制度の一番の目的ではないからです。
一人ひとりが、自分らしくあれること
ーー 業務パフォーマンスを上げることが狙いではない。とすると、真の目的は?
言ってみれば、それぞれが、自分の人生を楽しく、自分らしく生きていくこと。それを会社としても応援していきたい、という想いです。
当社のビジョン(実現したい未来)は、「一人ひとりが自分らしくあれる社会」。そんな社会をめざして、様々な仕事、会社経営をしています。そして、その社会の起点になるのは自分たち。まずは自分たちが「一人ひとり自分らしくあれる」こと。その先にしか、めざす社会は実現しないと思っています。だから、この制度は、ビジョン実現にとっても大切な意味があるんです。
自分の意思が尊重される、やりたいことに挑戦できる、世界が広がる、生き方の幅が広がる。そして、一人ひとりが、自分らしく、楽しく豊かに生きていく。この制度が、それを後押しできたら。そんな想いでこの制度をつくり、そしてこれからも運用していきたいと思っています。
(文/ケイスリー 今尾江美子)
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