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SDGsインパクト評価フォーラム・レポート 「SDGs×評価×金融」の実践(1)

「神奈川県SDGsインパクト評価フォーラム 「SDGs×評価×金融」の実践」

 ケイスリーが事務局となり、7月23日に「『SDGs×評価×金融』の実践」と題したフォーラムを開催しました。副題は「SDGs達成への貢献を見える化し、社会的価値を高める『人材』を育成する」であり、SDGsという社会課題とそれを念頭においた社会的インパクト、さらにそれを推進する金融の力によってダイナミックなうねりを生み出すためには、どのような人材が必要なのか、とテーマを設定しました。
 フォーラムには営利・非営利組織、金融機関など様々な分野から100名近くが参加し、様々な観点を交えた活発な議論が展開されました。以降3回に渡って、フォーラムの様子をお伝えしていこうと思います!
第1回:「SDGs×評価」の実践に求められる人材とは?
第2回:「SDGs×評価×金融」のエコシステムを支える人材をどう育成するか?
第3回:SDGs社会的インパクト評価実践事業「実践研修」とは?

「SDGs×評価」の実践に求められる人材とは?

 第1回は、評価専門家の源由理子氏(明治大学公共政策大学院 ガバナンス研究科 研究科長・教授)の基調講演から人材像を整理していきます。
源氏の講演では、評価の観点から実践に求められる以下の4点が強調されていました。

Ⅰ. 「評価への正しい理解」

・評価は指標を測定することではない
・評価は物事のメリット、価値、意義を体系的に明らかにすることである
 まずは評価について正しい理解をすることが必要であり、事実特定に価値判断を加えたものが評価である。

Ⅱ. 「多様な関係者との価値観構築のためのスキル」

・「対話」をとおした「合意」に価値がある
・関係者による継続的な改善と変革のプロセスが重要
評価における価値判断に正解はなく、どのような制度や社会のあり様が人間にとって良いのかを「多様な関係者と共に目指し、その方策を見つける」ことが大事である。

Ⅲ. 「過程の評価と成果の評価を結びつける」

・評価には「過程の評価(プロセス理論)」と「成果の評価(インパクト理論)」との2種類がある
・評価は成果のためだけではなく、成果と過程との結びつきが大事である
誰の、どのようなニーズを充足するために、プログラムをどのように実施すると(=プロセス理論)、社会的課題の解決に貢献するのか(=インパクト理論)、その手段と目的の道筋を明らかにするものとしてロジックモデルがある。

Ⅳ. 「SDGsの理念を踏まえる」

・「SDGs」という目標実現のための型にとらわれない戦略を考える
・「評価」を手段として目標達成のために適切なマネジメントを行う
目的としての「SDGs」と、手段としての「評価」という考え方の下戦略を立て、その過程で自然と様々な関係者が関わることで真の意味で「協働」することになる。

正しい理解に基づく合意形成

 以上源氏の講演の中での4つの重要な点をまとめましたが、どれも一朝一夕に身につくものではありません。通底していたのはまず評価やSDGsについて正しく理解すること、そしてそれに基づいて関係者の中での合意形成を行い継続的に改善を進めることです。目標達成のために様々な関係者と協働するためのツールとして「評価」が有効であると再認識できる講演でした。

次回は、、、
「SDGs×評価×金融」のエコシステムを支える人材をどう育成するか?
です。今回の「SDGs×評価」に「金融」のステークホルダーが加わることでまた新たな論点が提示されます。
お楽しみに!


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