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行動科学×機械学習で、より良い社会を ~ケイスリーで働くエンジニアたち

ケイスリーは、2016年に、行政向けコンサルティングを主軸とする会社として創業しました。2019年からは、コンサルティングで培った知見を活かしてプロダクト開発に着手。2020年にベンチャーキャピタル(モバイル・インターネットキャピタル社)から1.9億円の資金調達をし、プロダクト開発と事業展開を本格化させています。

1人目のエンジニア

現在(2021年9月)ケイスリーには、エンジニアチームに3名の社員(業務委託も3名程度)と、データサイエンスチームに3名の社員がいます。(会社全体では、4名の役員と約15名の社員。)

その中で、「1人目のエンジニア」として入社したのが、栃本です。ここからは、栃本の目線を中心に、ケイスリーの仕事、プロダクト、働き方、魅力などについて、お伝えしていきます。

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栃本 和宏(とちもと かずひろ)
「繋がり・成長」をコンセプトにしたサービスで起業を志していたが、ビジネス化の壁にぶつかり、ユーザー特性を理解する必要性を痛感。そんな時に、ユーザー心理だけではなく、行動もロジカルかつ定量的に把握する「行動科学」を活用するケイスリーに出会う。その考え方と、これから新しい事業を立ち上げるというフェーズ、「社員の自主性を尊重する」社風に魅力を感じ、2020年に入社。
ケイスリーでは、データ分析結果を用いたプロダクトのサービスアーキテクチャと制作全般を手がける。2つのプロダクトをスクラッチ的に立ち上げた後、現在は、仕組み作りとチームサポートや採用などに注力している。

ケイスリーは、GovTechスタートアップ

ケイスリーが開発しているプロダクトは、GovTechです。

GovTech(ガブテック)
行政(Government)と技術(Technology)を組み合わせた言葉で、行政が抱える課題を解決し得る革新的な技術を意味します。

行政DX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れが進む中で、今後ますます重要性が高まる分野だと考えています。しかし、多様で革新的なソリューションが求められている一方、日本では、大手ITベンダー/SIerが担っている範囲が広く、スタートアップはまだまだ少ないのが現状です。

ケイスリーは、このGovTech領域の中でも、行動科学と機械学習を活用したプロダクトにより、担い手が少ない「Verticalプレイヤー」として抜きんでた存在になりたいと思っています。

GovTechの主なプレイヤーや分類については、今年6月に作成したカオスマップをご覧ください。


プロダクトがめざしていること

ケイスリーのプロダクトは、行政の手間・無駄を削減して効率化を図ること、市民のより良い意思決定と行動変容を促すことをめざしています。

足元では、『BetterMe』というプロダクトの開発と実装化に取り組んでいます。これは、行政が市民に送る公的通知(たとえば、検診受診のお知らせや、ワクチン接種のお知らせなど)にフォーカスして、ハガキをSMSやLINEなどに置き換えるデジタル化を進めると同時に、行動科学に基づくナッジという手法を活用して、「行動を強制するのではなく、市民がより良い選択ができるようそっと手助けする」ことをめざすものです。

ナッジ(nudge)
2017年にノーベル経済学賞を受賞した米国シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が提唱した理論。英語で「肘でそっと突く」の意味で、行動科学の知見を活用し、人々が自身や社会にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けするアプローチ。


プロダクトの基盤となる技術

プロダクトの基盤となる技術は、行動データサイエンスと機械学習です。公的通知の文面作成や介入設計などはまだ半自動化くらいで、これらを機械学習を用いて完全自動化していくことをめざしています。モデルの学習も含めての自動化をめざして、データレイクアーキテクチャに基づいたインフラ構築を構想し、取り組んでいます。


開発プロセス

■ ゆるいスクラム開発

まだ小さなチームですが、部分的にスクラムを導入してみたところ好評で、その試みを続けています。具体的には、スプリントを1週間に設定し、プランニング(全員参加のポーカーによるストーリーポイントの見積)、レトロスペクティブ(振り返り+ベロシティなどの指標の確認+ライトなKPT)など、スクラムのエッセンスを取り入れた運用です。

最初は大変でしたが、プランニングポーカーの精度が上がったり、作業ペースの目途が立てやすくなったりと、一定の効果を実感しています。負荷の観点からデイリーは取り入れていません。今後スクラムマスターに加わっていただいたタイミングで整理していきたいと考えています。

■ コードレビュー

ブランチ切り、PR立て、レビュー、という一般的な流れです。相互レビューを推奨していますが、チームが小さく、レビュワーが特定の要員に集中してしまうこともあり、まだ完全にはできていません。どこまでやるかが手探りではありますが、レビューでの指摘は、リファクタが多く、次いでタイポやバグが中心です。実装前に、あらかた設計をすり合わせるので、PRレビューのタイミングでは設計面の指摘はあまりないように感じています。


募集職種

現在、エンジニアチームでは、このような方を募集しています。

>>TechLead
DDDなどの開発プロセス、アーキテクチャに明るく、柔軟性を持ってチーム技術の底上げをしていただける方。

>>SRE
インフラ構築を牽引していただける方。MLOpsをAIチームと調整しながら進めていただき、拡張性と安定性を備えた構成に取り組んでいただける方。

>>バックエンドエンジニア
探究心と協調性を持って開発に取り組んで頂ける方。もしかすると、データサイエンスチームと共に、MLのモデルをコーディングいただく機会もあるかもしれません。

職種に限らず、プロダクト開発に熱意をもって、積極的に取り組んで下さる方とぜひ仕事がしたいと思っています。特に、スタートアップなど、少人数チームで働かれた経験がある方は歓迎したいです。


組織文化と働き方

ここから、2人目のエンジニア 住本 芽衣と、エンジニアチームと二人三脚でプロダクト開発を行うデータサイエンスチームのリーダー 鈴井豪も加わり、ケイスリーの組織文化と働き方についてお伝えします。

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住本 芽衣(すみもと めい)
BetterMeのプロダクトデザイン及び制作を担う。九州大学工学部卒業後、大手メーカーにて精密部品の研究開発に従事した後、2021年に入社。高いアンテナと感度を活かして、「ユーザーに寄り添うものづくり」をモットーに、何よりもユーザーの生活向上・業務効率化に貢献するUXの高いサービス開発に取り組む。


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鈴井豪(すずい ごう)
BetterMeのアナリティクス全般を担当し、特に予測モデルの構築や効果検証とそのための介入デザインに注力。統計的因果推論を中心としたデータ・サイエンスの持続可能な開発への応用が専門。
米UCバークレー校出身。現在、仕事の傍ら、米ジョージア工科大学OMSA(オンラインのアナリティクス修士)で学び、世界を代表するデータサイエンティストをめざしている。


<人と組織の魅力>

住本「多くの会社が『社会貢献』を謳っていますが、ケイスリーはそれを言うだけではなくて、本当に考えて実行している会社なんだと感じました。一人ひとりの発言や行動からも、それを感じます。そのためか、とても『良い人』が多いですね。いわゆるIT企業ではなく、プロダクト開発以外もやっているので、入社しなければ出会わなかったような人たちに出会えて、話していても面白いです。魅力的な人が多いなと感じます。」

鈴井「『人』の魅力については、同感です。一緒に働いていて、退屈しない。自分とまったく違う発想や意見が出てきて、常に知的な刺激があります。それは、先輩から教えてもらうとかではなくて、たとえば、住本さんから気づかされることも多い。ケイスリーは、表面的な多様性というより、内面的な多様性がある組織だと感じています。」

栃本「過去に働いたスタートアップには、開発のスピード感が求められる中で、過度なプレッシャーがあり、コミュニケーションが殺伐するようなこともありました。その点、ケイスリーでは、代表の幸地さんの人柄もあって、社員の働きやすさを配慮した環境を作ってくれているなと感じます。」

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<一人ひとりの働きやすさと幸せを追及>

栃本「まずは、全員フルリモート、というのが利点だと感じます。過去に、一部のメンバーだけがリモートという経験がありますが、会議でオフィスのメンバーとの温度差を感じることもありました。また、オフィスでの会話が耳に入ってこないので、情報格差も生まれやすいように感じます。ケイスリーは、全員がフルリモートで、コミュニケーションの差が生まれにくい。オンラインで雑談する場が設けられていたり、仕事以外の会話も気軽にできるので、コミュニケーションの苦労が少なくなりました。」

「それから、行政とのやりとりって大変じゃない?とよく聞かれますが、エンジニア以外が顧客とのリレーションを担当するので、現状では自分が直接的にやりとりすることはほぼありません。もちろん、やりたい人は可能性があります。フルリモートで、完全に自社開発のプロダクトなので、現状は客先に行くこともありません。」

鈴井「フルリモートに加えて、フレックスタイム制や裁量労働制など、柔軟な働き方が尊重されるので、自分で自分の時間をコントロールしやすいです。だから、プライベートとの両立もできている。僕はいま、オンラインで大学院にも通っていますが、この働き方でなければ、そういう選択肢は取れなかったと思います。人生の主導権を握れているなという感覚を持てています。」

住本「以前の職場では、子育てしながら働く、という将来像は描きにくかった。でもケイスリーでは、出産育児休暇などの制度があるだけではなく、ちゃんとそれが使われていたり、子育てしながら働く、ということにみんな理解がある。リモート会議に子供が入ってきても、微笑ましく受け入れていたり。そういう環境にいると、将来、結婚や子育てと仕事の両立、というのがイメージできるようになりました。」

「採用プロセスでは、何人ものメンバーと面接して、さらに実地試験まで行うなど、かなり手間をかけている印象でした。それは、会社として相手を見極めたい、というだけでなく、相手にも納得して選択してもらいたい、と考えているからだと思います。『より良い社会』の中には、自分たちの組織も含まれていて、まずはここいる社員が幸せになることを本当に願っているのだなと感じます。フルリモートという体制や、ユニークな福利厚生制度にも、それが表れていると思います。」


最後までお読みいただき、ありがとうございました。これを機に、私たちの会社、そしてプロダクトに興味をお持ちいただけたら光栄です。そして、私たちのチャレンジに新しい力を与えてくださるエンジニアの方との出会いに繋がれば、嬉しいです。
(ケイスリー プロダクト開発チーム一同)

※詳しい採用情報は、以下をこちらをご覧ください。


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