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主体的な提案の大切さ

私事ではございますが、今日は結婚記念日でした。今日は昼から妻と近所のお店をはしごし、食事をとってきました。(コロナの影響と子供を昼しか預けられないため)

僕が住んでいるエリアはかなり上品でこだわりの強い、素晴らしいお店がたくさんあります。(飲食に限らず)

そんなこだわりとブレない芯を持つお店のサービスを堪能するなかで、気づいたことを書いてみたいと思います。

主体的な提案がなければ感動は勝ち取れない

『何にしますか?』と相手に聞くだけでは、高いレベルでの満足はしてもらえません。

なぜなら予測できる範囲でしか注文は出来ず、多くの場合、それをはるかに凌駕するサービスの提供は難しいからです。

期待値をどれだけ大きく上回るかが勝負

おそらく私たち消費者は期待していた満足を大きく上回った時に感動と呼べるレベルの満足を得ます。

つまり感動はサービスのクオリティそのものではなく、予想と現実の距離によって生まれると考える事ができます。

もちろん予測を下回れば不満足で二度と利用してもらえない。なんなら大きく下回った場合はクレームの原因になります。

逆に期待と現実が近かった場合は、十分なサービスだったという満足感は得ますが、感動と呼べるレベルには到達しません。

これは、数ヶ月したら『なんか美味しかった気がするけどよく覚えていないな〜…という結果になる。

期待していたことを大きく上回った時に初めて、時間が経ってからも「またあそこに行ってみよう、頼んでみよう」という気持ちになるのだと思います。

感動を生む方法は2つしかない

期待値と実際のサービスの距離が感動の有無を決めるのであれば、サービス提供者が行えることは2つしかありません。

1サービスの期待値を下げる
2期待を大きく上回るサービスを提供する

このなかで実は効果が高いのは1だと思っています。

なぜならどんな商品にも「限界効用」と言うものがあり、どれだけ努力しても得られる満足の限界値が決まっているからです。

※限界効用:1杯目のビールは感動的に美味くても、2杯3杯と増えるうちに対して美味しく無くなってくる現象…みたいなイメージです。

そうなると実は主体的な提案はサービスの期待値をコントールすると言う意味でとても有効な手段なのではないかと思います。

ガードをしていない場所を攻める

どのようなサービスを提供するにしても、消費者よりもサービス提供側の方が基本的に知識があります。

そうなれば消費者が「こう来るだろう」と考えることに対して、別の角度の喜びを与える、思ってもいないサービスを与える…といった策を考えることで「期待値と現実の距離」を大きくすることができます。

まあ、言うはやすしなのですが、考え方としてはこれが大切だと思います。

お客さんがスーパードライをくださいと言ってきた時に、そのまま提供すれば満足度はプラス1点くらい。なぜなら予想の範疇の味だからです。

ここでドライ好きが喜ぶ別のビールを提供できれば、プラス5点、10点の満足度を得られる可能性があるというわけです。

主体的に提案することは、嫌われるリスクを受け入れること

ここで誰もが思うことが「そのビールが満足してもらえなかったらどうするんだ」と言うことだと思います。

僕はこのリスクを受け入れるかどうかが、平凡なサービスと、一つ頭を抜けたプロのサービスとの違いなのかなと思います。

当然失敗の可能性はありますし、余計なことをするなと嫌われる可能性もある。

でもそれを恐れていては他のサービスと違いがありませんし、時間が経った時におぼえてもらえません。

どんなビジネスも新規顧客の獲得単価が最も高く、利益率が悪いわけですから、リピートを獲得することはある意味、事業の最重要課題と言えるわけです。

「誰も不満を言わない代わりに、全員が新規顧客で、特に大きな満足をせずに帰るお店」と「半分がやっぱドライが良かったなと言って帰り、半分がめちゃ感動して帰るお店」があった場合、合計のべ顧客数がおなじなら生き残るのは後者です。

なぜなら利益率が高くなるから。

少し極端な例ですが、リスクを受け入れた上で主体的な提案が出来る方が、絶対に強いんだなと思った話でした。

それではまた明日!