Op.4 音階~楽曲の構成要素~

 序文

 みなさんどうも、K-sukelemonです。
 このシリーズ需要あるのかな……、なんて思ってたりしてるんですけど。どうやらスキしてくださる方が結構いるみたいで、こちらとしては嬉しい限りです。
 まあね。この記事を読んでる人の中でも、音大出てる人とかには『何をいまさら』って感じかもしれませんが。これはけーすけれもん。僕自身の備忘録でもあるのです。
 生暖かい目で見守っていただければ幸いです。

 今回扱うのは、『音階』です。
 え、音階? それって何? こういう人もいるかもね。
 しかし、感覚で作曲する人でも、音階ぐらいはわかってやってるんではないでしょうか。
 音階。つまり『スケール』を意識して作曲すれば、安定した、そして響きのいい音楽を作ることができます。後々話すコード理論の中で、『ダイアトニックコード』というものが出てきますが、それにも深く関係しております。
 なお、民族的な音階については、説明を割愛させていただきます(そもそも半音階の枠に収まっていなかったりするので……)。そちらを学びたい方は、ネットで検索するか、楽器店で楽典ベースの参考書、専門書を購入なさった方が良いかと。

 じゃあ、始めるよん!

 音階のしくみ

 音楽用語としては、音階の表し方はいろいろあります。『E-moll』『ホ短調』『E minor』これらはすべて、同じスケールを表しているのです!

 そもそも、西洋音階ってどのようにして生まれたのでしょうか。

 まず、ピタゴラスさんの例のアレで、音を完全五度ずつ上げていきます。CからGに。GからDに。DからAに……。こんな感じで、音を完全五度(半音七個分)の関係で、上げることを繰り返すと……。……B♭からF、FからC。あれれ? 戻ってきましたね。
 そうなんです。完全五度あげるという操作は、12回繰り返すともとのルートに戻るのです(五度圏の部分でも解説します。今は、ふーんそうなんだ~ってな感じで覚えといてください)。こうして、ルートからルートの1オクターブを『12等分』するという考えが生まれました。本当は、純正律やら平均律やらも説明したほうがいいのですが、知らなくても作曲はできるので、割愛します。気になる人は検索検索ゥ!←

 んで、そうです。1オクターブを12等分したんでしたね。この12等分したうちの1つ分の音の間隔、音程を『半音』といいますね!
 西洋音楽は、音程の単位としてこの『半音』を使います。半音何個分かで、音程を測っております。

 音階は、基準となる『ルート』の音と、1オクターブ上のルートの間で繰り返されます。1オクターブの中の12個の音の中から、どの音を選ぶかという問題なのです。たとえば……。

 C,D,E,F,G,A,B,C

 これは、ドレミファソラシド、ですね。ハ長調といいます。全部で12個の音の中から、この七つを選んでいます。快活な響きですね!

 F#,G#,A,B,C#,D,E,F#

 これは、さっきのとは響きが違う音の並びです。演奏すればわかると思います。日本語では嬰ヘ短調。英語で、Fシャープマイナースケールといいます。悲しい響きです。
 こんなふうに、1オクターブの繰り返しを基準にして、スケールは決まっています。

 音階ってどうやって生まれたの?

 仕組みは分かったけど、どうやって生まれたのか気になりますよね? 気になりませんか? 気になりますよね(圧力)。

 実は、これにも宗教が関係しています。
 時代は古代から中世のヨーロッパ。聖歌を歌う必要があります。
 さて、神にささげる歌を歌うのに、よりハーモニックな音を選び出して、その音の関係を使ってメロディーを奏でる必要があります。その努力の結果、『教会旋法』という、現在のスケールの原型が生まれました。

 教会旋法は、大量の種類があり、様々な音の選び方を使って構成された複雑なモノでした。
 僕も覚えられていません(笑)。

 その中でも、特定の二つの音階が、構成にわたって長く買われることとなります。そう、『長調』と『短調』です。

 明るい! 長音階

 長音階。通称長調は、明るい響きを持ったスケールです。

メジャースケール サンプル

 これは、Cメジャースケール(ハ長調)の一覧です。下から順番に鳴らしてみてください。ほら、明るいでしょう! 気分も上がるってもんです。
 Cメジャースケールは、ピアノの鍵盤の基準にもなっています。ピアノの白い鍵盤だけ弾くとCメジャースケールになるよう出来ているのですね。

 メジャースケールをもう少し詳しく分析してみましょう。
 ルート音Ⅰから、二度の音Ⅱまでの間は、半音二個分です。つまり、ⅠとⅡは長二度の関係ですね。続いて、ⅡとⅢです。これも長二度。ⅢとⅣ。おっと? ここは半音一個分。短二度のようです。続いてⅣとⅤ。ここは長二度。ⅤとⅥ。ⅥとⅦも長二度。そして、Ⅶと1オクターブ上のⅠは短二度です。

 だんだんわかってくることなのですが、長音階の肝は、ⅠとⅢの関係です。ここの関係は、半音4つ分で長三度。これが楽しい響きを感じさせてくれるのです。

 悲しい……自然短音階

 明るい長音階があれば、暗い短音階というものが存在するのは、予想できるでしょう。

 短音階。通称短調は、哀しい響きを持っている七つの音です。

 しかし皆さんに残念なお知らせ。この短音階。長音階と違って一筋縄ではいきません。
 発展してきた歴史と、短音階が持つ性質が関係した結果、なんと3種類もあるのです!

 その一つ。最も基本的な短音階が、『自然短音階』です。英語で、ナチュラルマイナースケールといいます。

マイナースケール(自然) サンプル

 こちらは、Aナチュラルマイナースケール(イ短調)の一覧です。下から順番に弾いてみましょう。……か、哀しい……!
 哀愁漂います。

 ⅠとⅡは長二度。ここは変わりませんね。しかし、ⅡとⅢは短二度。つまり、ⅠとⅢは短三度です。ここが長音階と違うところ。ここが肝になっていて、こいつのせいで悲しい気分になるのです。ⅢとⅣは長二度。ⅣとⅤは長二度。さらにⅤとⅥは短二度。ⅥとⅦは長二度。そして、Ⅶと上のⅠも長二度です。

 そして、この自然短音階の大事な特徴。なんと、弾き方によっては長音階になるのです! どういうことかって? それはね。この音階で、Cから弾き始めてください。そして、Aで終わらずに二つ上のCまで行きましょう。さんはい。

 あら明るい!

そうなんです。自然短音階の構成音は、長音階の構成音とまんま同じなんですね! けっして昔の音楽家たちが手抜きしたわけじゃないですよ!?

 第三音。『Ⅲ』がⅠと長三度になるか、短三度になるか。第三音をどこに置くとみなすかで、明るくも暗くもなるんです。音楽って不思議ですね。のちのち、転調の部分で『平行調』『同主調』の話として出てきます。覚悟しとけよ……ッ!

 しかし、残りの二つはなんでしょう。これで十分じゃね?
 いえいえ。実はこの自然短音階。ある扱いにくい特徴を持っています。Ⅶから上のⅠの流れを、もう一度弾いてみてください。長音階とは違う特徴がもう一つ現れるはずです。

 ……あれ? Aで終わったはずなのに、長音階ほど終わった感じがしない。まだまだ続いて上がりそうな気がする?

 そうなんです。何故かって? 答えは、ⅦとⅠの関係にあります。
 スケールの中での第七音。これがⅠと短二度。半音違いの関係にあるからこそ。ⅦからⅠに行ったときに『あ、終わった』という強い解決感をもたらすのです。半音あがるってことは、そう言うことなんです。でも自然短音階を見てください。
 ⅦとⅠの関係は……?
 そう、長二度です。

 半音が二つ分開いています。これでは、半音違いによる解決感。『あ、終わった』感が得られません。上から降りてきて終わるならまだしも、下から上がって曲が終わるときに、不十分な響きになってしまいます。

 ど、どうすればいいんだ!? そうだ! 半音違いの音を『つくっちゃえ!』

 その結果が下のものです。

 独特の響き。和声短音階

マイナースケール(和声) サンプル

 はい。第七音『Ⅶ』を、半音上げました。これで、Ⅶ→Ⅰの関係が、短二度。半音違いになりました! わお! すごい!

 じゃあ、実際に下から弾いてみましょう。

 んんん!? なんか変な感じ!? とくにⅥ→Ⅶのところが……。

 はい。これが二つ目の短音階。『和声短音階』です。英語ではハーモニックマイナースケールといいます。自然短音階と同じく、イ短調には変わりありませんが、一音ちがうだけで随分と変な響きになりましたね。

 ポピュラーで用いられることはあまりありません。理由は響きが扱いにくいから。たしかに、Ⅶ→Ⅰの解決感は強いけど、その前です。
 Ⅵ→Ⅶが短三度やないかーい!

 そうなんです。これまで、隣り合った二音の関係は、いずれも短二度、もしくは長二度でした。しかしこれは、短『三度』! そりゃスムーズに音が飛ばないわけだ。
 ここによって生まれる独特すぎる響きによって、ポピュラーな響きではなくなった和声短音階。クセモノなんです。

 おいおい、これじゃ本末転倒だ。何かもっといい案はないか……。そう考えた音楽家たち。最終解は、以下のものでした。

 複雑? 旋律短音階

マイナースケール(旋律) サンプル

 あれ? こんどは、上に上がるときと下に下がるときで、スケールの形が違ってるぞ!? こんなのでいいのか!?

 いいんです(ドヤァ)。

 そもそも、例の個所が短三度になるからいけなかったんです。だったら、Ⅶの前の『Ⅵ』も、半音上げてやればいい。こうすれば、Ⅴ→Ⅵ、Ⅵ→Ⅶが長二度になりまして、さらにⅦ→Ⅰが短二度です! ……なんかもうメチャクチャな気がするけど、確かにこれはこれでよく響く。
 しかし、なんで下に降りるときはⅥとⅦどちらも半音下がって元に戻るのか。
 思い出してください。解決感が生まれるのはどんな時でしたか? そう、『上がって終わるときです』。下がって終わるときには問題ありませんから、そのまま下がっても違和感がないように、元の自然短音階に戻すわけです。

 ちょっとややこしいけど、複雑な響きが得られて、まさに『旋律』って感じがします。

 しかしね、結局どの音階も一長一短。結局どれがどれに駆逐されることもなく、現在に至るまで短音階は三種類が共存してきたのでした。

 他に音階ってないの?

 え、この四つだけ? マジで? はい。実は、西洋音階ってのはこの四つの音階でできているのです……。といいたいところですが。まだ例外的な音階があります。半音階です。

 さっき話しましたよね。1オクターブは12個の半音に分けられるって。

 『C』,『C♯/D♭』,D,『D♯/E♭』,『E』,『F』,『F♯/G♭』,G,『G#/A♭』,A,『A♯/B♭』,『B』

 この12個ですね。これを下から順に、12個全部弾きます。

 じゃらららららん。

 うーん。何とも言えないこの感じ。

 これが、『半音階』です。メロディーとメロディーの連結だったり、アクセントとして使ったり。他には転調のきっかけとして使ったり。いろいろ使い方はありますが、とにかく半音ずつ鳴らすという場合もあります。

 実はね、他にも全音音階とか、ペンタトニックスケールとか、ブルーノートとかいろいろあるにはあるんだけれども……。とりあえずここら辺にしときましょうか。

 混ぜて使ってみよう

 実際に曲を作るとき、一つのスケールだけを使って作ることはまずありません。大抵混在します。

 なんでか? スケールというのは、性格を持った音の集まりです。一つのスケールだけしか使えないというのは、一つの性格でしか音楽を作れないということ。当然、曲がいつまでたっても同じ雰囲気になってしまいます。

 短音階は混ぜて使いますし、長音階も半音階も、合わせて使います。複雑な表現をしようと思ったら、滑らかに他のスケールに切り替えたりすることが必要です。

 それに、長調も短調も、ルート音は12通りありますので、合わせて24種類あることになります。
 ピアノを弾く場合でも、それぞれのスケールで指が動かせるように練習をしたりします。

 楽器の音域にもスケールが関わってきます。

 スケールはコードを指定するときにも役立ちます。

 まさに、スケールは『音』を、『音楽』たらしめる一つの重要なファクターなのです。

 ぜひ、覚えてみてください(24種覚えるのは大変だけど……)。

 次回はねー、やっと『コード』のお話だよ。ポップスやる人も、ジャズやる人も、クラシックやる人も、避けては通れないコード理論。それをネタにだべっていきますので、どうぞ。

 ではでは。

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気に入ったようで何より。
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K-sukelemonと申します。こちらでは、音楽など物書きとしてだけでなく、マルチクリエイターとして活動しております。ごゆっくりどうぞ!