杉山啓(KeiSugiyama)

労働者 兼 政治団体代表。哲学対話 in 南予・八幡浜 主宰。 修士(工学)。国立科学…

杉山啓(KeiSugiyama)

労働者 兼 政治団体代表。哲学対話 in 南予・八幡浜 主宰。 修士(工学)。国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ。IMASSA認定マーケティング実務士。統計調査士。日本酒検定2級。 一人ひとりの願いと力がより良く活きる仕組みを作りたい。

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  • 地方から眺めた社会

    愛媛県南予地方に暮らしながら、社会の在り方を眺めて思ったこと。 400字程度の短い記事を月に1-2本投稿しています。 最近は不定期更新。

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久々に自分のことを書いてみようと思う。 以前私は、強い承認欲求を持て余していた。今はそうではない、とは言い切れないが。 自分を滑稽に見せて周りの気を引こうと、下品な冗談をTwitterなどに書き散らしていた。 20代も半ばに差し掛かると内容の加害性も認識するようになり、そうした言動はしなくなっていったものの、いざ選挙への出馬を目前とした時期にそれら過去の言動が多くの批判を浴びることとなり、周りの方々にも大変な迷惑をかける結果になってしまった。 承認欲求の赴くままに身を任せる

    • Z世代の“絶望”に抗いたい

      東京のある企業が主催する、大学生向けの一次産業体験インターンシップが八幡浜市で開催されました。 柑橘類の生産と加工に従事しながら、地域課題を学んで解決策を考える、という内容だったそうです。 私がいつもお世話になっているコダテルも協力していて、参加学生と開催地住民との交流会にお誘いいただいたので参加してきました。 学生さんの中に、大きなノートを携えている方がいらっしゃいました。 日記でもあり、会話の中で気になった言葉や考えを書き留める備忘録でもあるそうです。 とても素敵な習慣

      • 機会の不利

        昨年から、小倉百人一首競技かるたの競技者に復帰しました。 温かく迎え入れてくださったかるた仲間の皆さんには、感謝の思いでいっぱいです。 いざ復帰してみると、地理的な不利を実感するようになりました。 競技かるたは1人ではできません。 競技人口も少なく八幡浜市内には仲間がいないため、車を片道2時間弱走らせて松山の練習会に出向いたり、南予一円から仲間をかき集めて卯之町で練習会を開いたりしています。 私は自分で車を運転できるのでまだ良いのですが、気になるのは未成年の仲間の皆さん。

        • 令和2年国勢調査から見える愛媛県の状況 ~ひとり親世帯編~

          最新の国勢調査 (令和2年 = 2020年) の結果から愛媛県の各市町の状況を見てみようと思い立ち、公開されているデータを基にいくつかの表を作ってみました。 前々回は高齢者について、前回は働き方についてのデータをご紹介しましたが、今回は”ひとり親世帯”に関するデータをご紹介していきます。 ひとり親世帯の20歳未満世帯人員数 20歳未満の「一般世帯の世帯人員数」のうち、母子世帯と父子世帯、他の世帯員 (祖父母など) もいる世帯とそうでない世帯に暮らす人数の割合を、それぞれ

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        • 地方から眺めた社会
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          令和2年国勢調査から見える愛媛県の状況 ~働き方編~

          最新の国勢調査 (令和2年 = 2020年) の結果から愛媛県の各市町の状況を見てみようと思い立ち、公開されているデータを基にいくつかの表を作ってみました。 前回は高齢者についてのデータをご紹介しましたが、今回は”働き方”に関するデータをご紹介していきます。 1. 従事する産業別雇用者数 各産業に従事する雇用者 (雇われて働く人) の人数と、雇用者の総数に対する割合を表示しています。 全国での数値と、愛媛県および愛媛県内20市町の数値を比較できるようにしました。 この

          令和2年国勢調査から見える愛媛県の状況 ~働き方編~

          哲学エッセイ「お誕生日おめでとう?」

          32歳になった。 久しく会っていない友人知人から届く祝いの言葉を嬉しく受け取る。 何か特別なことをしたくなり、スーパーマーケットで4合瓶の日本酒を買った。 3合ちょっと飲んだところで飲酒欲よりも睡眠欲が勝り、一晩で空けられなくなったことに加齢を実感する。 ところで「誕生日」とは何だろうか。 どうして「誕生日」を祝ったり、特別なことをしたくなったりするのだろうか。 その昔この国では「誕生日」ではなく、正月に皆揃って「年取り」の儀式を行って加齢を祝っていたと聞く。 ならばき

          哲学エッセイ「お誕生日おめでとう?」

          令和2年国勢調査から見える愛媛県の状況 ~高齢者編~

          最新の国勢調査 (令和2年 = 2020年) の結果から愛媛県の各市町の状況を見てみようと思い立ち、公開されているデータを基にいくつかの表を作ってみました。 まずは高齢者についてのデータをご紹介します。 1. 高齢化率 総人口に占める65歳以上、75歳以上、85歳以上の各割合を算出しています。 全国での数値と、愛媛県および愛媛県内20市町の数値を比較できるようにしてみました。 表を見ると、愛媛県は65歳以上の割合が全国での割合 (28.0%) と比べて高く (32.5

          令和2年国勢調査から見える愛媛県の状況 ~高齢者編~

          「市民アンケート」の使い方

          2023年9月。 八幡浜市役所から1通のお知らせが届きました。 内容は、市の土地利用に関する市民アンケート回答者を集めて実施する予定だったワークショップを実施しないことにした、というもの。 回答した際に参加を希望していたため、私にも送られてきました。 アンケートの対象となった土地は、電力会社の事業所が移転したことで空いた、それなりの広さをもつ土地。 市外からの訪問も多い八幡浜港フェリーターミナルや道の駅と中心市街地のちょうど間に位置しており、街づくりを左右する開発計画になる

          「市民アンケート」の使い方

          未成年者の行動はどこまで制限してよいのか

          2023年8月。 私がお手伝いしている事業所に、夏休み中の期間限定で地元の高校生が数人働きに来ていました。 働いて稼いだお金をどう使うのか、気になって訊いてみたところ、皆さん特に決めた使い途は無いとのこと。 市内にある遊興施設、カラオケボックスやボウリング場で遊ぶ際にでも使うのかと思って尋ねたら、八幡浜市全体の決まりでそういった施設に遊びに行くことはできない、と予想外の回答が返ってきました。 まさかと思って調べてみると、八幡浜市役所のWebサイトで公開されている「小・中高校

          未成年者の行動はどこまで制限してよいのか

          「厚意」が「残念」を生まないために

          八幡浜市内を流れる五反田川では、毎年5月中旬から6月上旬にかけて、鯨橋という橋の周りを中心にホタルが飛び交います。 地域の方々が保護活動にも長年取り組んできた成果として見られる光景で、今年もたくさんの柔らかな光が明滅しながら乱舞する様を楽しめたのですが、一つ残念な事件がありました。 この期間中に行われたボランティア活動の草刈りによってホタルが減ってしまった、という事件です。 そもそもホタルが発光しながら飛び交うのは、交尾して産卵するための行動です。 ホタルは川べりの草木が作

          「厚意」が「残念」を生まないために

          人が減るまちの人手不足

          八幡浜でも夜の街の賑わいが戻りつつある中、ある問題が顕在化しています。 それは、代行運転サービスの不足。 感染症対策の外出抑制が行われていた間に事業者が廃業したり運転手が減らされたりしたため、回復しつつある需要に対してサービスの供給が追い付いていません。 週末の夜に代行運転を頼んだら1時間以上待つことになった、という話もたびたび聞きます。 車社会な地方都市の飲食業界にとって、なかなかに頭の痛い問題です。 誰か代行運転業を立ち上げてくれないものか、という声もよく耳にするのです

          人が減るまちの人手不足

          住み心地のよい街とは

          2023年5月。 香川県多度津町を訪ねた際に、北米のとある大都市に住む方とお話する機会を得ました。 その方がおっしゃるには、いまお住まいの街はどうも住み心地が良くないとのこと。理由を尋ねると、再開発が繰り返される都市であるためか町並みや風景から街の歴史的民俗的背景を感じにくく落ち着かない、ということをおっしゃっていました。 とても興味深い視点です。 その方は考古学の研究をされていることもあってそうした面への関心がとりわけ強いのだろうと思いますが、街の姿から歴史的民俗的背景を

          住み心地のよい街とは

          戦争体験を受け継いでいくこと

          2023年5月10日。 宇和島市に出向いて、宇和島空襲を記録する会 主催の慰霊の集いに参加しました。 78年前の5月10日、四国の片隅のこの町も空襲の標的となり、数多くの命が失われています。 3年前にお誘いいただいて初めて参列して以来、4回目の参列でした。 会員の皆さんと一緒に和霊公園の慰霊碑をお掃除した後、空襲当時を体験された方々のお話を伺ったり、和霊神社参道の太鼓橋に残る焼夷弾の落下痕を見学したり。 前回参列してからの1年の間に、当時を体験された会員さんがまたお一人亡く

          戦争体験を受け継いでいくこと

          ごみ拾いボランティアと行政

          2023年4月。 (一社)E.Cオーシャンズさん主催の海洋ゴミ回収体験事業「鬼ごみ拾い」が開催され、今回も参加させていただきました。 今回は愛媛県伊方町釜木集落近くの「恋の浜」でごみ拾い。 最寄りの道路からはロープ伝いに急斜面を降りないと辿り着けないため、参加者の移動とごみの運搬はもっぱら船による往復でした。 4日間の日程 (私は初日と最終日の計2日間の参加) で拾い集められたごみは、2tトラック山盛り10杯分ほど。 これを行政のごみ処理施設に引き渡すまでが「鬼ごみ拾い」

          ごみ拾いボランティアと行政

          方言と郷土愛

          2023年3月。 南予一期座だんだんの第3回公演「風の音リンリン」を観覧しました。 坊ちゃん劇場所属の方が演技指導を行い、八幡浜や近隣地域在住の方々が地域を題材にしたミュージカルを演じる市民劇団の公演です。 第1回、第2回の公演も観覧しており、今回も楽しみにしていました。 劇中、会場全体が一体となって大いに盛り上がる場面がありました。 「てやてや音頭」を踊る場面です。 これは夏祭りの際などに踊られる盆踊り風の音頭で、語尾に付けて強調や断定を意味する「てや」という八幡浜方言を

          Uターン者・移住者の居場所

          愛媛県南予地方にUターンして来られた方、移住して来られた方とお話をする中で、よく聞く課題感があります。 それは、同年代の人と知り合う機会が無い、生活していて孤立しがちになる、といったもの。 私自身も感じる課題です。 人の入れ替わりが少ない地域で暮らす多くの人は、子どもの頃から続く長年の人間関係の中で生活しています。 ご近所さんや代々地域に根付いている親族関係、小中高とあまり顔ぶれの変わらない学校の同級生。 そのような固定された人間関係に新しく混ざっていく負担はなかなか大きい

          Uターン者・移住者の居場所