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会社の設立趣意

今年3月に株式会社マイホムを設立し代表取締役を務めることになりました金箱と申します。この記事では設立の背景について記載したいと思います。

昨年3月に5年半お世話になった株式会社マネーフォワードを退職して起業の準備をスタートしました。時期的にちょうどパンデミックと重なったことで、多くの方に独立のご挨拶する事ができずこの場を借りてのご報告となりますこと、失礼いたします。

0. 生産性

自分は生産性という考え方をとても大切にしています。20歳頃から人生をかけて生産性に貢献しようと考えていました。特にインターネットとプログラミングに大きな可能性を感じてエンジニアとしてのキャリアからスタートしました。

プログラムであれば、70億人全員に対してサービスを提供することができ、全人口の1日1分の生産性の改善に貢献するだけで、膨大な時間を節約できます。このダイナミックなレバレッジに魅力を感じています。

プログラミングを用いたサービスの中でも、同時に多くのお客様にサービスを届けられるSaaSに一貫して携わってきました。

ITで解決できる生産性の課題は、まだまだ社会に多く溢れています。ITが特に得意な分野は大量の情報を取り扱う分野です。また、大企業は自身のIT投資によって高い生産性が実現されている一方、中小企業が多く存在する市場では効率的なIT投資が行われておらず、生産性が低いままになっています。
そんな中でもスマートフォンが登場して10年ちょっとで、多くの方に行き渡ったことで、誰もが高性能コンピューターにアクセスできるようになりました。中小企業のIT投資に必要なハードウェアは行き渡っているので、ソフトウェアに広がる可能性は多く残っています。

大量の情報を取り扱い、中小企業が多く存在する市場に、今後ITで解決できる大きな課題が存在します。

1. 住宅業界の課題

住宅市場は新築とリフォームあわせて24兆円という巨大な市場です。また、あわせて10万社が存在する超ロングテール市場です。ITと相性のいい条件が2つとも揃った市場です。

住宅は膨大な情報の結晶であるにも関わらず、これまで紙でしか管理することができませんでした。今ではITによって、あらゆる業界がビッグデータを圧倒的な効率で、低コストで管理し始めています。そしてAIによって情報を分析することで新しい価値を生み出しています。
住宅も同じで、紙のデータがビッグデータ化されてAPIでアクセス可能にさえすれば、ITやAIによって新しい価値が次々に生み出されてくことになるでしょう。

住宅市場は巨大なので、課題解決の切り口は様々残っている領域ですが、この中でもまずは住宅会社と連携して、ハウスオーナーの課題を解決していきたいと考えています。B2B2C({弊社}TO{住宅会社}TO{ハウスオーナー})型の課題解決モデルです。

新築住宅市場は16兆円で、大手が3割、それ以外の7割に2万社(人口5千人あたり1社ですね)が存在する市場です。既存住宅は6,240万戸で、持ち家はそのうち3,280万戸です。(総務省平成 30 年住宅・土地統計調査)
在宅時間は代表値では15.8時間/日(NHK放送文化研究所調べ)と1日の65.8%にあたり、家計に占める住居費負担割合も世帯類型ごとに10~20%と大きなものとなっています。

ハウスオーナーのペインは、建てること(入口)、メンテナンスしていくこと、そして売却・相続(出口)の3箇所に存在します。フェーズごとにプレイヤーが入れ替わり、ハウスオーナーは知識ゼロで課題を解決するという難題を迫られます。
これに加えライフシフトの人生100年時代と、少子化が重なってきます。子どもが独立することを前提に、人生100年のくらしについて自分自身で解決していく必要があります。

2. 解決方法

マイホムは住宅にIDをつけることで、住宅のデータの民主化を行い、テクノロジーを導入することでこれらの課題を解決します。

2-1. 建てる(入口)
住宅を建てることは人生の中でも、とても大きなプロジェクトです。夢をカタチにする打ち合わせ、膨大な書類の管理、工程間の引き継ぎ、建設中の現場状況の共有などはスムーズに行われているでしょうか?
私たちマイホムは、この課題を住宅会社とともに解決しています。
お施主様のくらしの想いをカタチにするために、住宅会社の皆様と設計した「マイホム for Business」は既に導入数トップクラスの住宅会社向け接客クラウドになっています。

2-2. メンテナンス
住宅は、引き渡しが終わった瞬間から自分の所有物になります。自分の家を自分で管理する責任が生まれます。
オフィスや商業施設では、不動産を管理する専門の会社をいれています。マンションでも、チーム(理事会)を作って管理しています。
ところが新築住宅では、引き渡しが終わった住宅の管理をサポートするサービスがほとんど存在しません。
もし家に不具合があったときに、どこに発注したらいいのでしょうか。なんとか業者を見つけて頼んでも、家のデータが管理されていないために、壁や床を壊してみないと費用も直し方もわからないといった問題もありました。
家のデータに基づいた専門的なアドバイスを受けることができれば、このような課題は解決します。
マイホムは、引き渡したあとも住宅会社や地域の職人ととも、ずっと一緒に寄り添うためのサービスにしていきたいと考えています。

テスラやBMW、メルセデスなどの高級車はスマートフォンアプリで管理できるようになってきました。住宅は高級車よりも高い買い物なので、スマートフォンで住宅の管理を行うことがあたり前の社会になると考えています。その中で無駄や非効率が改善されて、よりよいサービスをより簡単に、よりリーズナブルに受けられるようになると思います。

3. 会社のご紹介・設立の経緯

昨年から1年間かけてチームビルディングや資金調達や開発を行ってきて、途中IoTサービスに携わったり、住宅業界に馴染んでいく活動をしていました。紆余曲折ありましたが、新会社・新組織として、本年3月から活動し始めるところまでこれました。

株式会社マイホムは、「くらしの想いをカタチに。これからも一緒に。」を実現するために設立された会社です。

よりよいくらしのあたり前を実現するために、住宅業界の専門家と、IT業界の専門家が集結した、「粘り強く何度でもチャレンジ」する集団にしていきたいと考えています。

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会社設立まで多くの方にご迷惑をおかけし、ご協力いただきました。会社を設立できたのは皆様のおかげです。
特に危機的な苦難を乗り越えられたのは、大変素晴らしいチームのみんなのおかげであり、このチームであれば大きな目標を達成できると確信しています。私の一番の誇りです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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