
【インタビュー企画 第1回】 K-Project創設者の古田京さんにインタビューしました
こんにちは!慶早戦デジタル企画委員会(K-Project)と申します。
今回から新しく、インタビュー企画を始めてまいります!
本団体出身で様々な経歴を持つOB・OGへ質問し、団体の魅力や様子をお伝えしていきます。
インタビュアー
「慶應義塾大学商学部1年のミヤクボと申します。OB・OGの方へインタビューいたしますので、ぜひよろしくお願いいたします。」
記念すべき第1回のゲストは、古田京さんです!(以降のインタビューでの表記は敬称略)
古田さんの自己紹介
古田「古田京です。よろしくお願いします!」
ミヤクボ「よろしくお願いします。自己紹介からお願いします。」

古田「96年生まれで28歳の代です。慶應には普通部(中学)から入り、大学では医学部に行きました。5歳からラグビーを始めて大学4年時に慶應ラグビー部の主将を務めました。現在は医師としてかかりつけ医になるための修行をしています。
この高齢化社会の世の中で、かかりつけ医が最後まで患者さんの人生に伴走するような、そういった医者の像にあこがれてなりました。今後はそういう医者を増やすために活動や、働きやすいような病院を作ったり経営したいと思っています。」
ミヤクボ「ラグビーと学業の両立、というのが大学生活だったのですね。」
古田「そうです。でも実は高校でラグビーをやめるつもりだったんです。
ただ、高校で全国大会に出たことで、大学でもプレーしたいと思って体育会でラグビーをする選択をしました。」
ミヤクボ「実際に、大学1年生の入学したての時期はどんな生活でした?」
古田「うん。まあバタバタという感じだったのかな。とにかく授業に出て、練習に出るを繰り返していた一年目でした。キャンパスが日吉だったので移動負担とかは意外となくて、みんなと同じようにしていた印象。」
ミヤクボ「2年生からは、医学部のキャンパスは信濃町に移りますよね。」
古田「そう。二年目の秋にすごい大変な実習があって。その時は朝練習、休まずに信濃町キャンパスに行って、実習をしたら帰ってきて練習。そして週末には試合、みたいなまあ今考えたらちょっとできない生活をしていたんだなあって思う。」
K-Projectの始まり
ミヤクボ「ハードワークですね!古田さんはそんな学生生活からどのようにしてK-Projectを立ち上げるに至ったのですか?」
古田「K-Project関連で言うと、まず大学3年生の2月ぐらいに自分が最後のシーズンを迎える手前でした。大学三年間ラグビーをプレイして、もちろん自分たちは情熱をもってラグビーをしているんだけれども、それが慶應の名を背負ってラグビーをするにあたって慶應にいい影響を与えられているか、自分たちがラグビーをやっているだけでいいのか、みたいな部分からもっといろんな人に見てもらいたくて、友人に声をかけてはじめたのが経緯になりますね。」

ミヤクボ「ご自身が大学3年生の時に立ち上げた、ということですね。古田さんは3年生から4年生にかけて具体的にどのようなことをしてきましたか?」
古田「とにかく集まって喋ろうということで。もう本当に知り合いの知り合いみたいな感じで野球部、アメフト部など集客に関心や悩みがありような友達を集めて、マンスリーミーティングと称してやっていたのが最初の一年間だったのかな。4年生の間はずっとそうだったと思います。」
ミヤクボ「そう考えると今のマンスリーミーティングとは若⼲違いますね」
古⽥「そうだね,今は K-Project の⼈たちが集まってどんなことしたか,とか最近のPTs(ProjectTeams)で早慶戦の集客⽀援をどうしたら良いか,盛り上がるかを話し合うけど当時はもうそういうくくりとか関係なしにひたすら集まってたね。 」
古⽥「・・・で,もちろんアクティブにディスカッションが⾏われるんだけど,実際こう体育会に還元できるような活動ではないよねっていうところで,実際に動くような部隊,コンサル部隊を作ろうっていうのが K-Project の始まりで,それがその次の年ぐらいだったと記憶しています。」
ミヤクボ「体育会系だけですと実働部分がなかなか難しい。だから実働できる⼈たちを構えて動き出したのが翌年だったのですね。 」
古⽥「そうだね。まあ初年度から話をしてるんだけど,体育会だけだとアイデアもすごい体育会の内輪のものになっちゃうから,アイデアのところもやっぱり体育会じゃない⽬線がないと誰のためにやってるかわからなくなる。当初から体育会とそうじゃない⼈が集まって,みんなで頑張りたいっていうのは確かにコンセプトとしてあったな。 」
創設者古⽥さんが語る K-Project の価値と課題
ミヤクボ「古⽥さんから⾒て,どんな⼈に K-Project に⼊ってほしいですか?」
古⽥「基本的に誰でもウェルカム。結構その芯として掲げている全⼒,活発みたいな⼈。(K-Project では、メンバーの Spirit として全⼒活発平等継承を掲げている) とにかく何かやってみたいみたいな思いがあって,なんとなくスポーツに関⼼があるみたいな⼈。もはや最近(その⼈物像は)なくてもいいのかなと思ってるんだけれども,K-Project っぽい⼈は全⼒,活発みたいな感じなのかなと思っていて,何かしらこう刺激があるような活動になってきてるから,そういう⼈が来てくれれば⾃ずと良い活動になっていくのかなと思っています。 」
ミヤクボ「なるほど。古田さんから見て、K-Projectに入った人が、入る前とどう変わっていったのか。身につけられる能力などはありますか?」
古田「総じて何がいいのか、と言うと実践の場が与えられていることが一番大きいです。実学ができること、例えばSNSやクリエイティブをやる人なら、実際に動画を撮ったり編集ができる。そして人に見られる。
コンサルの仕事をしたい人は、実際に立案して部と話して、内部面でもチームビルディングやリーダーシップは学べると思います。」
ミヤクボ「おっしゃる通りですね。1年生で動画編集や早慶戦当日の照明や音響を担当したりと、集客の最前線で活動できるのはK-Projectの魅力ですね。」

古田「K-Projectのミッション・ビジョン・バリューはすごい大事にしていて、このコンセプトを作り、浸透させる過程もすごい学びが深いことだと思う。卒業後に起業する人もそうだし、大学以降で活躍する人も根本的に大切なことはすべて学べると認識しています。それが仕事におけるジャンルを超えているのが良いところです。やっぱり何でもやるもんね。みんな凄いやってて、他人事のようだけど、実はそのみんなの『どうした?』を言語化できるのがミッションだったりする。みんなが学生の力で学生の盛り上げる瞬間を作ることに何かしら希望や夢を感じているから来てて、その中でそれぞれやりたいことがまあスキルセットしてあるような構想かなって思ってる。
お金にはならないけど、実社会ではお金になるような活動を実はしているよね。」
ミヤクボ「実際にスポーツをされていた身として、スポーツの魅力って何だと思いますか?」
古田「これは僕が医者である理由でもあるんだけど、僕的には多分スポーツと命が係わる場面が1番人間が感情的かつ全力になるものかなって思って。
人の生きる、死ぬは必至な判断が迫られるけど、スポーツで勝っても負けても本当に命をかけて必死にやる、というところがスポーツのピュアな魅力だと思います。本当にそれに一喜一憂する、そこの魅力を感じることが人生のハッピーにつながるみたいな(笑)。」
「あとはその試合をつくるのは選手だけじゃないというのは改めて大切なことで、裏にいろんなプロフェッショナルがいて成り立っている。そういう試合を作るのもチームスポーツの魅力だと思います。」
ミヤクボ「魂と魂のぶつかり合いで、皆が全身全霊で挑むからこそその場でしか生まれない、見れないものがありますよね。」
古田「そう、ドラマがあるよね。あと、大学スポーツの魅力としては、プロではない学生が等身大の姿で頑張っていること、卒業しても出身校を応援する母校愛みたいな点が挙げられると思っています。」
今後のK-Projectの展望
ミヤクボ「K-Project に対して何か⼀⾔あればお伺いしたいです」
古⽥「どうなったら K-Project がなくなってもいいんだろうかみたいな話は作った時からしてて。どういう状態になったら K-Project が存在意義を果たしたことになるという意味で。学⽣も OB も居続けて集まってディスカッションすること。それ⾃体に価値があると感じる。やっぱり⼤学スポーツの未来を創造するとか,そこから⾊々な価値を⽣むっていうのは割と数年単位で時代とともに変わっていく。話し合っていく中で⼀⼈だと⾃分ごとでは
感じない⼤学の教育の課題とか⼤学スポーツ⾃体の課題とかが⾒えてくる。K-Project はもうそろそろ(こういった問題を)解決できる組織になりつつあるので,多分これからよりその価値とか,K-Project の価値とか意義を社会に伝えることができる段階。だから多分これから常に今が⼀番楽しいというのがしばらくやってくると思うのでぜひ皆さんに⼊ってほしいですね。」
ミヤクボ「現役でスポーツを取り組んでいた状態から離れて、大学スポーツが抱えている課題はありますか?」
古田「2つある。まずはビジネス系の観点が足りないこと、もう一つは大学スポーツの人気が大きく下がっていること。」
ミヤクボ「ビジネス系の観点ですか。」
古田「実は学内の活動は結構慶應義塾が厳しくて、そこをすり抜ける、まあそれも学びになる。本当に大人の世界、どういうスキームならお金を取って良いか、例えばクラウドファンディングとかね。実業収益がちゃんと報告されているかどうかとか、是非どんどんやってほしいし還元してほしい。」
「もう一つはまあ時代の背景なのかな。大学スポーツの人気が20年前~40年前に比べて下がっている。集客数とかで盛り上げるっていったら課題だと言えますね。そもそも、まあこれを課題ととらえるかもすごい大事だけど、その一番大事な大学四年間で取り組むことで我々や観客たちがどういう価値を得られているかが昔より見えなくなってきている可能性がある。
だから、もう一度その大学スポーツの価値を掘りなおして、本当にどこに価値があるのか、それをしっかり打ち出していくっていうことスポーツ全体として必要な段階だと思います。ただ四年間なんかやって終わりました、みたいなそういう人は多くはないかもしれないけど、そうなってしまうような気がします。」
ミヤクボ「このNOTE・インタビュー企画も挑戦ですね。」
古田「そうだね。やっぱりまずはK-Projectとして1個作りたいよね。いい試合を。こう、効果が出るものを生み出したいっていうのがありますね。例えばボクシングも日吉キャンパスの記念館でK-Projectが関わって試合するというのは大きなインパクトがあるなって思って、結構それって大人もそういう風にみているんだよね。あそこをうまく使いたいとか。
色々な教授やスポーツ関係の方と話す機会があるけど、『それいいよね、かなり意義があるよね。』って言うけど誰もやってない。ああこれK-Projectが関われることじゃんって思うことが非常に多い。だから今以上にこれを形にすることは社会的に意義がある。」

フリートーク 「価値」とは
古田「逸れるけど、価値って何で測るんだろうと最近思うんだよね。スポーツのイベントに参加している人の満足度だったり、経済的な価値、単に売り上げだとかそういうことで分かるじゃない?それのどこに価値を置くのかって凄い大事だなって最近いろんな場面で思っています。そもそもこれだけの人材が十~数十人レベルで集まってて何かしら情熱を持っていること自体が価値だと僕は考えているんだよね。それをより色々な人に広げていくという、社会的な価値をどう生んでいくかってフェーズは、今の時点でかなり打ち出し方に価値がある活動になっていると思うんですよね。」
ミヤクボ「確かにボランティアでここまで打ち込めるのは素敵なことですよね。」
古田「そうだね。ただ、こう自分たちの価値・ゴールの設定はどこに置くかみたいなテーマは常に考えて話し合うことが良い。文化・教育・その強化・経済的なところは割と芯を食っていて、すべてを伸ばしていくことが一つの指標になるのかな。」
ミヤクボ「個人的な課題としては、K-Projectにもっと愛情が必要だと思っていて、やっぱり学業やアルバイトなどのプライベートがある中でK-Projectに時間を割いているわけですから、組織が愛情を持つ必要はありますよね。アットホーム感のような、場に戻ってきたらそれだけで何か満たされるものがある、そういう環境にしたいです。」
古田「いやあ、そうなると思うよ。まあそこに軸足をぶらさずにやればアットホーム感は作れるんじゃないかなって思うけど…やあこれは難しいかもね。 」
「とはいえやっぱり振り返ると(課題や KPI を意識するのではなく)あーだこーだ喋っている時間ってある意味⻘春。これも⼤事で,多分そういう⾵な時間にありがとうと思う⼈が多いのかな。だから是⾮仲間を広げていって欲しいし,活動の幅は本当に無限⼤だからトライアンドエラーで挑戦していってほしい。 」
ミヤクボ「本⽇はありがとうございました。 」
古⽥「いえいえ!また何かあったらいつでも声かけてね!」
インタビューを終えて
40 分に及ぶ⻑いインタビューで視聴者の求める回答・意⾒を引き出すのはなかなか技術が必要だと実感しました。私もこのインタビューを通して K-Project がどんな思いで,どんな組織として始まったのかを理解できたので私も成⻑できました。今後ともインタビューを続けてさらに K-Project への理解を深めたいです。
改めまして、インタビューに応じていただいた古田さんに対し、この場をお借りしてお礼申し上げます。
古田さん、誠にありがとうございました!
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。