
【第2回】K-Project・元アメフト部広報の田内貴大さんにインタビュー
こんにちは!慶早戦デジタル企画委員会(K-Project)と申します。
先日、新しくインタビュー企画の投稿を行いましたが、ありがたいことに多くの方に見ていただいております。
第二回、本日のゲストは田内貴大さんです!
田内さんの自己紹介
田内「田内貴大です,よろしくお願いします!」
ミヤクボ「よろしくお願いします。田内さんの自己紹介からお願いします。」
田内「1996 年生まれの 28 歳です。幼稚舎から慶応そのまま慶應義塾大学に行きました。小中高と野球をやってたんですけど、大学ではアメフト部に入りながら部活の広報をしてました。そこで、プレーで貢献する以外にも色々な貢献の仕方があると学んで、そのあとは LEAP(慶応にあるリーダーシップ育成講座のこと)の学生講師なんかもしていました。今はサイバーエージェントで採用人事をやってます。」

ミヤクボ「大学でアメフトを始めたんですね」
田内「大学って部活だけじゃなくてアルバイトとかちろん授業も行った方が良いと思うから野球とは違うチームスポーツ、しかも大学から初めて試合に出れそうってなったときにラクロスかアメフトで、悩んだあげく早慶戦を見て決めましたね。」
K-Project との関わり
ミヤクボ「K-Project との絡みは?」
田内「ちょっと話が⾧くなるんですけど、まず LEAP との出会いがあったんですよ。
2 年生で LEAP っていうリーダーシップ育成講座を受けて、そこでプレーで貢献する以外にもいチームへの貢献の仕方があることを学んだんですよ。四年生のときに自分が逆に教える立場になって学生講師をしたんですね。
そこで当時なかったようなインスタグラムのアカウントを作って良いプレーを流したり宣伝したりしていたんです。それはすごく効果があって、『うわすごいじゃん!ネット使うとこんなに一気に多くの方にリーチできるんだ』っていう。
これはメディア系に強いサイバーエージェントに入った理由でもあるんですけど、やっぱりデジタルの可能性にワクワクしたんですよ。」
「ただですね、広報してる中でいっぱいわからないこととかあったりするんですよね。後は学生スポーツが好きな人が多くいるから野球部とコラボしたらいいんじゃないかとか。そんな時に普通部の時から仲が良かった古田京から K-Project っていうのをやろうかって言うのが始まったんですよね。」
ミヤクボ「田内さんは実際にどう K-Project に関わってきたんですか?」
田内「四年生の最後の方に K-Project を作ったんで最初は色んなことを試しましたね。例えば、学生時代の最初の立ち上げ期は月に一回ぐらいどこかの部の広報キャンペーンをみんなで一緒に考えるってのがありました。各部の広報メンバーを 30 人ぐらい集めて、6 人1 組ぐらいに分けてアイデア出しをする。あ!インスタのリレー投稿。今あるじゃないですか、別の体育会がある部活を盛り上げる企画。早慶戦まであと○○日!△△部がんばれ!みたいな。あれとかは真っ先にやってました。僕がアメフトで古田がラグビーで、野球部も当時誰かいたので。数珠つなぎにカウントダウンしたら面白そうだよねって。」
ミヤクボ「この note も数珠繋ぎで古田さんから紹介いただいて田内さんにインタビュー出来ていますから。共通点がありますね。」
田内「まあこれ最強で。就活の OB 訪問を数珠繋ぎみたいにしろってアドバイスするんですよ。OB の方がすごいと思う人なんかを 2 人紹介してもらえれば 1 人が 2 人に、2 人が4 人にっていう風に増えていくんで、割とすぐに普段かかわることのないレイヤーの高い社⾧とか取締役の方と繋がれるんですよ。まあ紹介される側が貰うばっかりではなくてしっかり誠意を見せることが前提条件ですけど笑」
ミヤクボ「おっしゃる通りですね。いわゆるテイカーにならないようにしっかりと誠意を見せることが大切ですよね。」
ミヤクボ「先ほどの話に戻りますが、1 期生はやはり学生時代より社会人になってから K-Project と関わることが増えたようですね」
田内「社会人になってからは太田有希乃ちゃんからお誘いいただいて。僕がサイバーエージェントってメディア・広報の第一線を行っているのでそこで何かお話してもらえませんかって。Instagram はこういう風にやったら伸びるよとか、ビジネスアカウントのこの数字ってこういうことを表していて、この数字上げるにはこういうプランニングをするといいよ、そういうのをこう皆さんにお伝えするっていうのをやりました。」
ミヤクボ「きちんと戦略を立てながら集客していたんですね。」
ミヤクボ「K-Project が最初 4,5 人で始まった状態からどういう風に人を集めましたか?」
田内「広報担当の皆が何でも悩みを相談できるような食事会をいっぱい開催しましたね。
その度に活動の理念や目的を話すんですよ。最初はやっぱりただ 5 人が熱狂してるだけなんですけど、その熱狂がこう伝播して行くように食事会後にアンケートとって、最後に僕たちの活動面白いと思ったら連絡ください!ってメッセージ書いて笑」
ミヤクボ「とっても地道な努力ですね」
田内「最初はもうリアルな接点しかないんですよ。だって初めてのものを見ると人って最初疑うというか笑。あるでしょ?そういう経験。何これってなる。当時はまだ 2018 年とか 19 年だったので、あと一年遅れたらもうコロナきてたのでそういうリアルで集めることができなかったかもしれない。」

K-Project の魅力
ミヤクボ「K-Project の魅力はズバリなんだと思いますか!」
田内「2 つあると思っていて。1 つは同じ志を持った仲間がいるってこと。部活は違えど選手とかマネージャーでもいいですけど、頑張りながら広報でチームを支えたいとか自分の部活のファンを増やしたいとかいう思いは共通している同志と仲良くなると、絶対その後プラスになるんですよね。社会人になって慶應で良かったなって思うのは人脈なんですよ。
K-Project に入って出来た仲間っていうのはその先の学生生活を豊かにするしその先の社会人でも絶対豊かになるなって思ってる。」
「あともう一つは、似たような課題を持っているから自分の視野も広がるしアイディアももらえるし絶対パフォーマンスが上がるんですよね。」
ミヤクボ「K-Project に向いていると思う人は?」
田内「K-Project に向いてると思う人は自分の部活がとても好きだって人。
後は自分がいなくなった後の組織までよくして行きたいなと思える人。
というのも広告ってすぐに効果が出ないんですよね。どっちかっていうと 1,2 年後の未来の話をしてて、そういう未来の投資っぽい要素がある。だから自分がいなくなった後も組織を良くしたいって思う人はやっぱり向いてるなと思います。」
「広報って内向きと外向きがあると思ってて。 」
ミヤクボ「内向きと外向き…?」
田内「内向きの広報っていうのは選手のやる気を出すような広報。例えばカッコ良いモチべーション動画を作ってインスタグラムで流したりとか活躍している選手のインタビューとか選手密着作って流すと選手のやる気が出る。それを親とかに URL を送って選ばれましたとか、取り上げられるのがわかれば後輩たちもインタビューされたい欲求を引き出せてそれが自然と勧誘になる。」
「外側は価値を発信することで、お客さんとかほかの大学生がアメフトの取り組みってかっこいい、次の慶早戦行っちゃおうかなってなる。この二つを実現できるってめちゃ
くちゃワクワクすることなんだよね。」
ミヤクボ「話を聞いているとなんだかとってもワクワクしてきました。」
田内「逆にミヤクボ君は何で K-Project 入ろうと思ったんですか?」
ミヤクボ「高校生の頃に起業していて、その時のスキルを活かしたいと思ったのが一番大きいですね。正直なところスポーツ観戦が好きではなくて…私の培ってきたビジネスの観点から集客支援をしたいな、と。」
田内「あそうだったんだ。でもこれは大事な視点なんですよ。サイバーエージェントで行うしらけのイメトレに近くて。」
ミヤクボ「しらけのイメトレ…ですか。」
田内「自分たちのアイデアに対してこれがしらけてしまう場合はどんな状況だろう、と。
あえて自分たちの可愛いアイデアを批判的に見るんですよね。ミヤクボ君みたいな人であれば、このアイデアじゃスポーツ好きの人しか集まんないんじゃないか、とかって意見出しができるのが良いところですよね。」
ミヤクボ「アンチテーゼをぶつける、ってことですよね。」
田内「そうそう。アンチテーゼだよね。」
田内「今の話を聞いていて思ったのは今の現段階の K-Project に合ってるなって思う人は色々試してみたり、企画回してみたりしたい人はいいかもしれないよね。」
「それこそミヤクボ君も自分から note でのこのインタビュー企画を OB/OG にしてきますって企画して実行したわけじゃん。これはその社会人との接点も持てるし、考えも増えるし、かつメディアを作ってそれを見てもらうことによって K-Project の認知が広がるってさもうすげえいい策じゃないですか笑。」
ミヤクボ「ありがとうございます。」
田内「こういうのを自分で試して速攻動かす機会って意外とあんまりなくて。仕事だから上司の確認が入ったり、承認されるまで時間がかかったりとかするけど、K-Project ってあくまで学生団体で、ただ OB/OG がいっぱいいるだけで何でも好き勝手できるから、K-Project という看板を使って新しいチャレンジいっぱいしたい人、スキルをフル活用したい人にはうってつけの場所だと思う。」
初期メンバーが語る今と昔の違い
田内「最近はエンタメが増えすぎて選択肢がありすぎる。土曜日に映画も見れるし、テーマパークにも行けるしカラオケにも行けるし何でもできるようになった。50 年前の慶早戦なんて土曜日は何もすることないから神宮に行って早慶戦見ようぜってノリだったんですよ。」
ミヤクボ「今と全然違いますね。」
田内「そう。だから SNS で選手を発信させていくと OB からは反対を受けることもあったりで。そんなことに時間を使ってるんだったら練習してくれっていう。」
ミヤクボ「今日吉キャンパスで選手が早慶戦のビラを配っているのも新鮮な光景になりますね。」
田内「そうだね、それもマネージャーにやらせたほうが良い、というのが OB/OG の意見で多くて。」
ミヤクボ「そんな中どうやって交渉(SNS での宣伝をできるように)したんですか?」
田内「OB の皆さんも応援してくれるなった時にはアメフト部が強いほうがいいじゃないですか。それで今の学生は自分のフォーカスが当たるってなるとめちゃくちゃテンション上がってやる気になって、後輩たちもそういう誉れを作ることであそこに出たいから俺らも頑張ろうぜってモチベーションが上がる。今の時代はこういうふうなモチベーションの上げ方をすることによってチームが強くなるんですよね、と。」
ミヤクボ「つまり OB と体育会の双方の意見を抽象化することで高い次元では同じ目標である、ということを認識させて合意形成に持っていく、ということでしょうか?」
田内「そうだね、こうすると OB も懐柔できるかな、と。上の目的が一致するところで話すと、ああなるほどじゃあやってもいいよってなる。」
ミヤクボ「お話を聞いて思ったのは今の時代に求められるのが選手に対して求められるのが純粋な選手としてのパワーとか強さではなくて、知名度だったり面白さとかそういうものに若干傾いてますよね。」
田内「そうだと思います。なぜアメフト部で広報をやったのかにもつながるんですけど、日本で一番応援されるアメフト部だったらファンがいっぱい来るじゃないですか。アメフト部の人達って単純なんで例えば可愛い女の子達がいっぱい応援くるとやる気出すんですよ。これは応援者を増やすことによって日本一に近づく。だから広報を担当したんですよ。」
ミヤクボ「そうなんですね、これは確実に現場で活動している人しかわからない感覚ですね」
田内「でも今こうやってインタビューすることでわかったでしょ? 実際に行ってなくても。インタビュー企画もインタビューした一人ずつから新しい視点を 2 個 3 個でも持って帰るだけですぐに K-Project のメンバーで一番現場に詳しくなりますよ。部活に入ってないのになんであいつそんなリアルなこと知ってんだろう?って笑。」

未来の展望と課題
ミヤクボ「K-Project はミッションにもある通りスポーツと向き合っていかなきゃいけないってのがあるんですけど、やっぱそこにこう文化団体も巻き込まないとですね。」
田内「早慶戦じゃないけどスポーツの試合とかでハーフタイムに小学生の女の子たちが踊るのとかも一緒。小さい子達が来ればその保護者は絶対くるし、保護者のおじいちゃんおばあちゃんも来るかもしれないし。作り手を増やしてるから、そこに関係する人たちがどんどんくる。」
田内「マニュアル大事ですよね。情報をシェアするときにはデザインを凝って必要以上に魅せるような思考は無駄なんですよね。例えば資料の 1 ページ目にはその施策の概要と今の課題が書いてあって、2 ページ目に体制と今の課題・チャレンジが書いてあって、3 ページ目には今回参加している皆さんにこれを聴きたいっていうのが書いてあるみたいな。もう三枚で文章入れれば報告になるフレームがちゃんとあると業務が効率化しますね。」
田内「別に今のが正解ではなくて、ただやっぱりいくらでも挑戦できるし別に失敗しても怒られないし、いっぱい失敗してるミヤクボ君を見れば後輩たちは自分が失敗してもいいなってカルチャーが生まれる。結局 2 年とか 3 年先を思い描いて動くってこと。」
ミヤクボ「それは未来がありますね。」
田内「ブランディングって二年とか三年かけて作るものなので。もうちょっと⾧期的な計画を立てて行かないといけないのにはれっきとした理由があって。大学って 1 年たつとー気に組織ががらりと変わる。に対して会社はそうじゃない、ゆっくり変わっていくものだから中⾧期的な目線が必要。だから逆に自分が立ち上げたプロジェクトを最後まで自分がやらなくても、後輩にひき継いで自分はまた新しい計画を立てるっていう風になっても良いよね。ミヤクボ君にも来年後輩が入ってくるからそういうことも出来ると思いますよ。」
ミヤクボ「今日はインタビューありがとうございました!」
田内「いえいえ、これからも頑張ってください!」
インタビューを終えて
ミヤクボ「1 時間に及ぶインタビューでした。しらけのイメトレや今と昔の早慶戦のポジションの違いなど非常に有益なお話ばかりで大変有意義でした。インタビュアーとして話を聞いているはずなのになぜか私のほうが気持ちよく話す感覚がありました。田内さんの器の広さに感激しました、次回インタビューもぜひ楽しみにしてください!」
改めまして、今回インタビューに応じていただいた田内さんにはこの場をお借りしてお礼申し上げます。
田内さん、誠にありがとうございました!
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。