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2度目のスウェーデンで気づいた6週間の意味

欧州1周中の板橋です。怒涛のスケジュールは時間の流れを早めて、気づけば今はデンマーク。出国して、2週間が経とうとしています。

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コペンハーゲンへはストックホルムから鉄道を利用して来ました。ストックホルムを訪れるのは実は2度目で、今回の旅において1番楽しみにしていた場所でした。

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1度目は、昨年の春。AIESECが運営する海外インターンシップに参加し、ストックホルムのとある小学校で先生として過ごしました。そのときの記録を今振り返ってみても、その6週間は毎日が濃く、心動く瞬間や葛藤を繰り返すなかで多くの学びを得ました。

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ただ、帰国してからは日本での大学生活や課外活動に溶け込み、いくつかの点と点は結びついても、スウェーデンでの6週間がぽつんと独立しているような感覚がありました。

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そこで今回、もう1度スウェーデンへ足を運び、お世話になった人たちに会いに行くことで、その感覚から卒業できないかと淡い期待を抱いてスウェーデンへ来ました。

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長くなるとは分かりつつ、出来るだけ簡潔に、感じたことを大きく3つにまとめました。私のお気に入りの写真と一緒に楽しんでもらえたら、そして何かしら心動くものがあれば嬉しいです。

スウェーデンと私を結ぶ線 - 大切にしたいものが増える

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人は究極的には自分のことしか考えれないけれど、その「自分」という範囲が広がると世界はまるで変わってくる。今回の訪問で、1年前を機に、私の「自分」と「世界」がぐんと広がったことを確信しました。

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ここでの「自分」を「大切にしたいもの」とおいてみます。初めの「自分」は自身や家族、地元、母国だったけれど、6週間という時間は私の「自分」を遠かったはずのスウェーデンにまで。私とスウェーデンとの間が、みえない線でしっかりと繋がれる。

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それは、今回またスウェーデンに戻ってきたときにすぐ分かりました。「ああ、スウェーデンだ。」とあの頃の記憶が一気に蘇る。この場所が、ここで出会った人たちが、世界からなくなるのは本当に辛く嫌だ、と思った瞬間、私の「自分」は確実に広がっていました。

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じゃあ、このスウェーデンと私を結ぶ線はどのような意味をもつんだろう。確固としてある1つは、私はスウェーデンが好きだということ。その事実は私の意識外にあったスウェーデンを大切なものとし、スウェーデンでの出来事に敏感になり、スウェーデンで何かあれば自然と心が動く。

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実はこの旅中、スウェーデンで私は盗難に遭い、手紙やお守り、パソコン、現金、多くの大切なものを失いました。でもやっぱり私はスウェーデンが好きで、嫌いにはなれなかったです。きっと、あの6週間がなければ、私はこんなふうに災難を捉えられなかったと思います。

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今後私の生き方はスウェーデンの何かしらに貢献できるのか分からないし、どのくらいこの線を活かせるのかは分からないけれど、こうした変化を感じられること自体が大切で、当たり前ではないと思っています。だからこそ、この線の意味は更新されていくべきで、またこれからの私が創っていくんだと思います。

「私」が広がる - 変化を届ける経験

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戻ってきた瞬間、目が合った瞬間、全てがふつふつと蘇ってくる。ぬけるように高い空。ホットドッグの美味しい黄色のコンビニ。スウェーデン語の響き。インタラクティブな課外授業。好奇心惹く放課後空間。そしてなにより、ずっと会いたかったみんな。

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でもそれはきっと、私の中でこうした記憶が生きているように、私と出会ってくれたみんなも同じで、彼らの中でも、日本からきた私と過ごした時間はずっと生きている。

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久しぶり!また会おうね。と言葉を交わすこと。再会する前に少しだけ日本語を覚えてくれていたこと。また一緒にFIKA(スウェーデンの文化)を楽しむこと。あの頃を懐かしむこと。

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教えてもらったことを覚えているよ、と繰り返すこと。私が創ったものが残っていること。日本の旗をみると指をさして「ヤーパン!(スウェーデンの人はジャパンをヤーパンと発音します)」と教えてくれること。今度は日本へ行くよとハグをしてくれること。

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6週間という時間はぷつんとそこで途切れてしまうのではなく、今やこれからにつながる序章に過ぎなかった。彼らと再会できた時間は1日にも満たなかったけど、こうした事実に気づくのに時間は要しませんでした。

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「私」は他からの認識で形づくられ、その認識は持ち主の人生に何かしらの変化を届けています。私は彼らと過ごしてしまった以上、彼らの人生を変えていて、この6週間はどのような意味をもてたんだろう。

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少なからず、Kyokoという日本人がいたなあ、こんなことしたなあ、話したなあ、という記憶は、私がスウェーデンを想うように、日本に来たことのない子どもたちや先生にとっても、私を含む日本を大事に想ってくれるのではないかと信じています。

最後に - 青い記憶

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スウェーデンと私、子どもたちや先生と私、6週間という時間と私、たくさんの線やそこに積み重なる時間に名前をつけるとしたら、“ Cross-Cultural eXperience ”なのかなあ、と。これは、AIESECが、掲げるVision達成のためにKeyとなる1つだと信じているものです。

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また、海外インターンシップとは、海外の企業や機関等で就労体験をすること。ただ訪れて、人と会って、観光をして、というものではなく、自分とは違う何かや環境に変化を届けようと尽力することが求められます。

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その “ Challenging environment ”は私に行動をするきっかけをたくさん与えてくれました。何もしないと何も起きないけれど、少しの勇気はまわりの世界を少しずつ変えていける、そう気づかせてくれたのはこの6週間でした。これって、“ Leadership ”に繋がってるんじゃないかなあ。

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6週間のインターンシップ。とあるストックホルムの小学校で子どもたちと放課後空間を創る。今思えば私は先生になりたかったわけでもなく、スウェーデンに特別な繋がりがあったわけでもなく、偶然が重なって実現されたものでした。

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誰がなんといおうと私はこの6週間が大切で、これからもそこに意味を重ねていきたいと思っています。この納得感は1年という時間を経た今だからこそ強く思えるのかもしれません。

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この青くさい気持ちを、青い記憶を、あの頃は若かった、なんて揶揄せず、いつまでも大事に、たくさんの人に伝えていきたいです。

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最後に、ここまで読んでくれた方、渡航を支えてくれたアイセック東京大学委員会のみなさん、役職をもっているにも関わらず渡航を許してくれたアイセック神戸大学委員会のみんな、背中を押して応援してくれた家族や友だち、出会ってくれた現地のみんな、すべての人に感謝を伝えたいです。

ありがとうございました。

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