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起業は凄くて、サラリーマンはクソだ…

起業がやたらともてはやされてますね。
実際、新設法人数はここ数年増えています。※参考
起業が一種の流行りになっている。ただ、変な流行り方をしている気がして、なんか釈然としないのは私だけでしょうか。

私も起業や独立推奨派なので、起業する人が増えることは良いことだとは思います。
企業や国にも新陳代謝は必要で、いつまでも「モノづくり日本」なんて言って、日本を代表する企業が数十年変わらないなんて状態は変えていくべきだと思っています。
日本からも、ITでも介護でもなんでもいいので、世界に大きな影響を与える新たなサービスや企業が産まれてくる土壌ができることが大切だと思っています。
そして、私もそんなサービスや会社を目指して日々精進しています。

しかし、「起業は素晴らしい」と語っている人の中に、ただの「サラリーマン否定」をしたいだけの人がいるのが違和感の原因かと考えています。サラリーマンを否定するための対案として起業や独立をもてはやしているだけの人。
「起業や独立が善でサラリーマンや会社員はクソだ。」と。
「雇われているやつは能力がない。」と。

は?  (...いや、まぁ私も昔そんなようなこと言ってたんですけどね。分るよ気持ちは…)

これ言ってる人って本気でそんなこと思ってるんですかね?
私の知っている会社員はほんとに優秀だし、逆に「よくやっていけてるなこの人」と思うようなちょっとレベルの低いフリーランサーや起業家もいます。

これ、かなり大きな勘違いだと思うんですけど、サラリーマンは最強です。ほんとに。
会社のカンバン(信頼)と資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を使ってやりたいことができるんです。しかもいくら失敗して損失を出しても、会社が倒産しない限り翌月の給与が支払われます。また、犯罪でも犯さない限りクビになりません。
しかも、個人ではできないような大きなプロジェクトが、大した経験のない20代から任されたりします。

これほんとにすごいこと。
正社員めっちゃ有利、めっちゃ守られすぎ。

ただサラリーマン否定派はこう言います。
「会社の言うこと聞かなきゃいけないから自由がないじゃん!いつまでも会社の歯車でいるのは嫌だ!」
そうですね。上司には気に入られなきゃいけないし、周囲とうまくやらなきゃいけない。
失敗したら怒られるし、下手したら次の評価で左遷されちゃうかも。。

でも、よくよく考えてください。独立、起業はもっとシビアです。
自分の信頼一本で仕事取りに行かなきゃいけません。
お客様から契約打ち切られたら、来月の生活費なくなるかもしれません。
銀行からの借り入れの返済ができなくなって自己破産するかもしれません。
VCからの出資を受けていたら、業績に対してめちゃくちゃ詰められます。好き勝手になんかできません。会社員の上司より確実に厄介な存在になりえます。(出資者によるかも?)
株主や取引先からのクレームは全部社長のあなたの責任になります。
さらに、何が何でも社員の給与は払わなくてはなりません。自分の収入を差し置いてでも、雇用は守らなくてはなりません。

これ結構な重圧です。守られているサラリーマンとして自由にやる勇気も気概もない人が、こんな責任がかかった状況で自由にやれるはずがない。

だからこそ会社のカンバンと資源を最大限活用して多少の失敗も許容される会社員は、責任が分散されている分、自由に動きやすいはずなんです。しかも雇用は基本的に守られる。これめちゃくちゃ強いと思いませんか?
一定の給料をもらえているなら、明日食べるお金を心配せずに思い切り仕事ができるはずなんです。
自分がやりたいこと、できることを活かせる環境がサラリーマンという形でできるなら、きっとそれに越したことは無いと思うんです。

そうやっていろんな会社で働いて、いろいろ挑戦しながら力をつけて、それでもどこにも自分の目指すサービスや理念、働き方が無かった時に、初めて独立や起業という手段を考えてもいいのではないかと思うのです。

サラリーマンを見下して、いい気になっている人、ほんとにイタいからやめたほうが良いです。自分が会社で、組織で自由にできていないこと、つまり自分の社会適応力の無さを露呈していますよ。
一匹狼もかっこいいですが、大勢の人を巻き込んで大きな仕事をしている会社員は、とても良い働き方なのです。

※ブラック企業などは除く

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