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アリババ、家具の新零售を主導するも、仕掛けに比べ物流には弱点、スタートアップに活躍の余地

中国の家具業界にスタートアップが現れた。物流にフォーカスし、業績を上げている。中国は日本とは異なり、買主がマンションの内装を行うため、家具と資材を一体化した超大型店も多い。また照明器具だけ、カーテンだけを集めた問屋街風の大型商業施設もある。

2019年末の「中国家居企業TOP10」のトップ5

1位 紅星美凱龍 1986年創業、全国66都市に出店
2位 居然之家  1999年創業、装飾、家具、家庭用品のワンストップ型
3位 百安居   英国King FisherグループB&Q、DIYに強い
4位 宜家家居  スウェーデンのイケア
5位 月星集団  不動産、商業、家具、工業の複合企業

注目の的は、アリババ傘下に入った2位、居然之家だ。家具の“新零售(ニューリテール)”を主導しているからだ。新零售とは、オンラインとオフラインの融合、同サービスの提供を目指す。分かりやすいイメージは生鮮の即配である。しかし家具の新零售は即配ではなく、オフライン店舗のデジタル化、オンラインでオフラインへ導くO2Oの段階だ。

居然之家は、2018年2月のアリババとの提携後、順調に売上げを伸ばしている。2019年の双11(11月11日独身の日セール)時点では、73都市110店舗のデジタル化を完了していた。驚異的なスピードで改装を重ねた。300を超えるブランド(テナント)も参加し、以下の3つ作戦でオフラインへ誘った。

1 天猫モールに地域と期間限定の家具建材旗艦店「家装同城店(クーポン付き)」立上げ
2 3Dによる使用体験の演出とナビゲーションを提供
3 「居秒貸」支付宝と居然之家、共同の割賦金融商品を準備

これは見事に図に当たり、2019年の双11は、1日で208億8100万元(3300億円)を売り上げた。2018年の1.7倍である。今年の双11では、250都市、350店を網羅する予定だ。家具の新零售では、最先端の仕掛けばかり先行し、配送の高度化は遅れていた。別メディアは、家具新零售のポイントして、新型店、新技術、新物種を挙げている。遅れていた物流に目を付けたベンチャー(新物種)が現れたのは、必然だったというべきだろう。


コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/