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2019年の世界ユニコーン企業ランキング、中国は206社で世界シェア42%を占める

民間調査機関・胡潤研究院は10月末、「2019胡潤全球独角獣榜(世界ユニコーン企業ランキング)」を発表した。それによればユニコーン企業(企業価値10億ドル以上のベンチャー)に認定されたのは494社だった。平均の企業価値は239億元(33.8億ドル)である。中国206社、米国203社、両国で全体80%を占めた。3位は英国の21社、4位はインド13社、日本はわずか2社となっている。以下主なトピックを取り上げてみよう。

■企業価値の世界トップ10

1位 アント・フィナンシャル 
   1420億ドル 中国・杭州(金融科技)
2位 バイトダンス    
   710億ドル 中国・北京(メディア、短視頻)
3位 滴滴出行      
   510億ドル 中国・北京(配車アプリ、交通)
4位 インフォア   
   500億ドル 米国・ニューヨーク(ソフトウェア)
5位 JUUL Labs   
   480億ドル 米国・サンフランシスコ(電子タバコ)
6位 陸金所     
   380億ドル 中国・上海(金融科技)
7位 Airbnb      
   380億ドル 米国・サンフランシスコ(民泊仲介)
8位 SpaceX     
   350億ドル 米国・ロサンゼルス(宇宙開発)
9位 WeWork   
   300億ドル 米国・ニューヨーク(シェアオフィス)
10位 Stripe     
   225億ドル 米国・サンフランシスコ(FinTech)

トップ10も米中で2分され、WeWorkなど話題の企業がずらりと顔を並べている。

■業種別トップ10

業種別企業数と、企業価値全体に占める構成比は次の通り。

1位 電子ビジネス        68社   9%
2位 金融科技          56社   22%
3位 クラウドコンピューティング 44社   7%
4位 人口智能          40社   5%
5位 物流            34社   6%
6位 健康            27社   3%
7位 メディアと娯楽       24社   8%
8位 シェアエコノミー      22社   11%
9位 ソフトウェア        21社   2%
10位 生命科学          18社   3%

金融とシェアエコノミーで、全企業価値の3分の1を占めていた。

■機関投資家トップ10

最後は機関投資家の成績表である。494社のうち何社へ投資しているかのランキング。

1位 紅杉資本        92社
2位 テンセント      46社
3位 ソフトバンク     42社
4位 Tiger Fund     36社
5位 IDG         31社
6位 Goldman Sachs    24社
7位 アリババ       22社
8位 Andressen Horowitz  20社
8位 DST         20社  
10位 紀源資本       19社 
10位 后明創投       19社

紅杉資本(米国シリコンバレーのセコイアキャピタル系)が頭1つ抜けている。その次をテンセントとソフトバンクで争っていた。やはりソフトバンクは世界的な機関投資家の1つである。

■まとめ

中国206社の本社所在地は、北京82社、上海47社、杭州19社、深圳18社、南京12社、広州8社、成都4社だった。北京は、サンフランシスコの55社を大きく上回り、世界一のユニコーン企業の“都”となった。

一方、日経新聞によれば、2019上半期の中国ベンチャー投資は73%も減少している。ただし2018年上半期は、極端なピークを付けていたため、一昨年2017年比なら10%ほどの減少幅だ。いずれにしろベンチャー投資が調整期に入ったことは間違いない。中国はこれまで通りユニコーン企業をどんどん供給できるかどうか。下半期のデータに注目したい。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/