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400文字のダイアリー

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あふれ出る日々の思いを、原稿用紙一枚に収められるよう善処いたします。
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2020年9月の記事一覧

原稿用紙一枚分のコラム #022 ~「毛まめ」のおいしい食べ方~

実家から、「毛まめ」が届いた。 毛まめは、いわゆる枝豆の一種。 よくスーパーで見かける枝豆は、表皮がツルツルしているが、毛まめには茶色い産毛がたくさん生えている。でも、これが本来の枝豆の姿。 品種改良によって毛がなくなった枝豆が主流となってはいるものの、うまみを閉じ込め、害虫から身を守るための毛に覆われた毛まめこそ、本来の大豆に近い種なのだ。 中の豆は、粒が大きい。甘みとうまみが本当に豊かで、一度食べたら忘れられない美味しさだ。 * 250グラムの豆をボウルに入れ

原稿用紙一枚分のコラム #021 ~奇をてらってどうする?~

僕は、「奇をてらう」ことが好きではない。 人はそれを「つまらん奴」と言うのかもしれない。 だが、世の中に一石を投じるような役回りは、世間で注目を浴びているホリエモンあたりにでもお任せしておきたい。 だから、こういう記事のタイトルを考える時も、もちろん多少はひねるけど、「大風が吹いたら桶屋が儲かった」みたいな、ひねりすぎてワケが分からないようなチョイスは慎んでいる。 * やっぱり、基本が大事だと思う。 愚直に、昔から良いとされていることを見習い、繰り返そうと思ってい

原稿用紙一枚分のコラム #020 ~脱・知ったかぶり~

大人になって、自分はたいていの事を「知っている」つもりになっていた。 でも、何かがおかしい。家事をしていても、何かを忘れる。 食後にテーブルを片付けたつもりが、ひとつコップを下げ忘れる。 畳んだ洗濯物を、一部衣装ケースにしまい忘れる。 * 家事にしても、仕事にしても、「やったつもり」は、「知ったかぶり」だと考え直した。 きっと、僕は家事の全体像を知ることができていない。 「真剣みが足りない」という精神論だけでは何も変わらないと思った。 これまでだって、自分なり

原稿用紙一枚分のコラム #019 ~「岡目八目」の精神で~

「岡目八目(おかめはちもく)」ということわざをご存じだろうか。 「岡目」は、脇から見る、第三者の立場で見ること。 他人の打っている囲碁を傍から見ている者は、対局者よりも八目も先の手が見える。 囲碁を打っている者同士は勝つことに必死だが、傍観者は局面の全体を見渡す余裕がある。当事者よりも、冷静に観察している人のほうが的確に判断できることは少なくない。 * 勝ちたいという「欲」とか、チームメイトを思う「情」を、必要以上に意識してしまうことがある。 とはいえ、一歩引いて

原稿用紙一枚分のコラム #018 ~「妻の手先」~

僕は「妻の手先」に徹することにしている。 しばしば、妻をイライラさせてしまう。 良かれと思ってやったことが的外れだったり。 眠気の限界に至り、食器洗いやら洗濯ものの片づけやらをせずに寝てしまったり。 リビングの照明をつけっぱなしで、寝落ちしてしまったり。 …こうして書いていて、我ながらひどいポンコツっぷりだ。 * こんな調子だから、半年前に妻が大爆発した。 それ以来、まずは妻から言われたことを、「すぐに」「そのとおり」やることにしている。 次の段階として、ツ

原稿用紙一枚分のコラム #017 ~成功とか失敗とか、くだらないよね~

「成功」とか「失敗」とは、何なんだろう。 毎日、その瞬間、うまくいったら小躍りしてしまいそうになるし、うまくいかなかったら下を向いてしまいそうになる。 でも、そもそも、「成功」も「失敗」も、ない。 「その時点で、自分の思惑どおりにどれだけ事が運んだか」の度合いの大きさでしかない。 うまくいった(と感じた)としても、たまたま思っていた以上の結果が生まれただけで。 逆に、うまくいかなかった(と感じた)としても、成しとげられことは決してゼロではない。 大事なのは、自分の

原稿用紙一枚分のコラム #016 ~いまさらだけどnanaで遊んでみた~

妻が、昼頃に家を出ていった。 三時間のひとり時間ができた。何か月ぶりだろう。 何をしよう、何をしよう… そうだ、歌ってやろう。 * というわけで、少し前にみた「nana」というサービスを使ってみることにした。 ※いわゆる、他のユーザーの演奏とコラボできる音楽コミュニティだ。 「1分30秒しか録音できない」のだが、これがちょうどいい長さで気に入った。 何曲か歌ったり聴いたりしてみたが、ほとんどの曲のワンコーラス分が、1分30秒以内にピタリとおさまるのだ。 で、

原稿用紙一枚分のコラム #015 ~「さくらんぼ計算」との出会い~

39年生きてきて、初めて「さくらんぼ計算」なるものと出会った。 きっかけは、一枚のプリント。 昨年度末、任意の課題として先生から配られたものを、突然娘が引っ張り出して取り組み始めた。 これまで宿題は後回しにしがちな娘だったので、正直言ってビックリ&感心。 「どうしても分からないから、パパ教えて!」 と言うので、見せてもらったところ、意図が全くわからない設問。 例)53+9=53+(7+2)=? ? …数分、考え込んでしまった。 こんな考え方、自分が小学生の時は習

原稿用紙一枚分のコラム #014 ~脱・三日坊主~

このコラム、三日ほど書くのをやめていた。 二週間前から、毎日noteを書くことをひそかな目標(楽しみ)にしていたのに。 やめていた理由を書き出した。 ・二連休中、家族とずっと時間を過ごしていた ・寝る前に晩酌→そのまま寝落ちした ・Tシャツのデザインにハマった ・転職後のことを無駄に悩んでみた 家族と時間を過ごすのは悪いことではない。 掃除・洗濯・買い物・食事づくり…どれも楽しめてはいる。 Tシャツを作ってみようと思ったのも、おそらく善し悪しの問題ではない。 ハマり

原稿用紙一枚分のコラム #013 ~ライバルはいつだって「処女作」だ~

「処女作最強論」を信じている。 いわゆる、初期衝動ってやつの魔力は半端ない。 the brilliant greenも、Rage Against the Machineも、Weezerも、1枚目のアルバムが最強だとおもっている。 20代前半まで音楽をやっていたからこそ、良作を産み出し続ける苦労を少しは知っているつもりだから、こんなことは軽々しく言いたくない。 でも、「ブレイク前夜」のギラギラした思いがパッケージングされた名盤は、どのバンドにおいても勢いが凄い。 僕自

原稿用紙一枚分のコラム #012 ~タガタメに日報は書く?~

あなたは、誰のために「日報」を書くのだろう。 ぼくは仕事上、長いこと日報を出し続けてきた。 昨日の電話の着信数、応答数、問い合わせの傾向、Topics… 窓口によって、求められる内容は微妙に変わるが、日報作成はもはや仕事に欠かせない作業の一部だ。 * ずっと、上司やクライアントのために日報を作ってきた。 窓口のありさまを、なるべく正しく伝えることを意識してきた。 …その考えは、とある部長が書いた日報を見たとき、少しだけ変化した。 部長の日報は、(いい意味で)ち

原稿用紙一枚分のコラム #011 ~呼吸をだいじに~

呼吸って、だいじだ。 仕事でテンパっているとき、つい呼吸を忘れてしまう。 料理中、ニンジンの皮をむいているとき、つい呼吸を忘れてしまう。 妻に怒られているとき、つい呼吸を忘れてしまう。 …追い詰められると、息が止まる。 *** 今年に入り、「鬼滅の刃」を見てから、呼吸の大切さを考え始めた。 あの呼吸は脚色されたものではあるけれど…最近は吸うこと以上に、「吐くこと」を意識しはじめた。 そうすると、自然と姿勢にも気を遣うようになってきた。 結果、いい気持ちが全身

原稿用紙一枚分のコラム #010 ~ぼくのローストビーフの作り方~

やる気が出ないなら、楽しめばいいとおもっている。 とは言え、そもそもやりたくないことだってある。 それでも、自分がやらなければいけないことはある。 拝み倒して、場合によってはお金を払って、他の誰かに頼むという方法もある。 でも、ぼくの場合は「楽しめるポイントを探すこと」から試してみることにしている。 *** たとえば、料理。 ぼくは料理が得意ではない。でも、自分のツボにあった楽しみ方を最近見つけた。 昔、ゲームに熱中していたころ、攻略本を読みまくったり、インターネ

原稿用紙一枚分のコラム #009 ~図書館通いはやめられない~

図書館こそ、無料で楽しめる最高のアミューズメント施設だ。 小一時間、最近ちょっと気になっている作家や著者の本を物色するのが、ひそかな楽しみになっている。 表紙やタイトルにインスピレーションを感じて、ジャケ買いならぬ「ジャケ借り」もけっこうする。 古めのCDも結構置いてあるので、すこし気になっていたものの購入にまでは踏み切れなかったものは手に取る。 妻はもっぱら、料理本や雑誌が好みらしい。ついでに、娘の読みたそうな絵本も一緒に数冊借りる。 二週間のサイクルで、新たな本