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区役所2.0?

DX(デジタルトランスフォーメーション)が大流行の昨今ですが、
DXに明確な定義はなく、そのうち、使われなくなるかもしれません。

Web2.0、ユビキタス、ビジネスモデル、マルチメディア、ビッグデータなども流行りましたが、これらと同じ道をたどるかも
DXが使われなくなったら「DX担当の副区長」ってどうなっちゃうのでしょう。恐ろしい。。。(笑)

関係者には「世田谷区のDX」を以下のように説明しています
区役所のミッション*の効率達成のため、環境変化、技術進化に応じて、業務プロセス、ツール、体制を見直し続けること
*区役所のミッションも明文化されていないため
現在および将来の在住、在勤、在学者の幸せを極大化すること」と勝手に置いています

世田谷区の現状(人、制度、風土など)を踏まえ、どのようにDXを進めるのか、DXが進むとどうなりそうか、つらつらと書いてみます

〇DXをどのように進めていくのか

まず、DXに取り組めるよう、超多忙な現在の仕事の断捨離をしていただいてます。その上で、以下の3つの流れを平行して進めようとしています。
とはいっても、90年にわたり積み上げてきた風土、ルール、手続きやシステム、職員の意識がある中で、どう進めていけば変化するのか、職員の皆様と対話しながら、いろいろテストしながらではありますが。
 
<見える化>
 
情報/会話のデジタル化 → 情報/会話の共有 → 情報/会話の利活用
<風土改革>
 
対話の場づくり → 事実と解釈の理解 → 目的主義の運営(形式主義の修正)
<技術活用>
 
現場の課題や最新技術の把握 → 課題解決に適した技術選定 → 導入

今どんな感じかというと
<見える化>
情報のデジタル化:各専用システムに入力。紙やFAXも一定残っている。会議の資料や議事録などWordやExcelファイルにデジタル化しているものもあり。
会話のデジタル化と共有:teamsというチャットツールを導入し徐々に始めたところ
情報の共有は、主に庁内メールと会議。teamsと同じようにデジタル化と同時に共有できるツールが必要と考えてます
情報と会話の利活用は今後のテーマ

<風土改革>
対話の場づくり:
・ザツダン文化を目指し、お昼ザツダン、3副区長ザツダンを個人的にしています
・DX推進委員会を立ち上げ、その下にプロジェクトチームをいくつか作りました
・各部や課内に(一方通行の情報伝達の場とは別に)対話の場はあると思います(要確認)

事実と解釈の理解/目的主義の運営:
(既にできている部分もありますが)以下アプローチ中です
・会議で、議事の目的を確認しています
・上記のプロジェクトチームにも目的の明文化や事実表現での報告をお願いしています
・形式主義と思ったことは目的を確認し、効率的な目的達成の方法を提案しています

<技術活用>
RPA(コンピュータを使った自動情報処理)は既にいくつも導入しており、ローコードツール(簡易な情報処理アプリ作成ツール)など技術習得と活用を進めてます
また、現在は満足に使えないインターネット環境も来年こそは使えるように計画中です

〇DXが進むとどうなりそうか

特に情報と会話の共有が進むと、中間管理職の仕事が変わり、組織のフラット化し、部や課をまたがった連携が進みます(と期待)

これは、関係者が直接、一次情報(含、会話)にアクセスできるため、これまで、何かをまとめて、上に報告する、上からの指示を下に伝えるという仕事が不要になっていくためです。
また、部や課をまたがっても情報や会話が共有され、会議以外の対話が生まれ、相互理解が進みます
情報(事実)が共有されると、比較や検証ができ、アイデアが生まれます

一方で、各人が触れる情報量は一気に増えるため、これらの情報処理を支援するツールが必要になります
また、情報を正しく伝える・受け取るスキルを習得するトレーニングも重要です

少子高齢化で働き手不足が深刻化していますが、その対応策でもあります

また、上下関係なく、広く対話の風土が生まれることで、個々人がより尊重され、また多くの人の知見が生かされる組織になっていきます

〇おまけ

今月から、区職員向け掲示板に「松副のDXだより」を毎週、投稿中です
*松副:松村副区長の略
これまで「世田谷区のDXとは」「仕事を見直そう」「(仕事一つ一つの)理想を作る」と続き、次号は「事実と解釈」の予定です

DXだよりの狙いは、二つ
・デジタル化だけでなく業務や風土の在り方を全職員に考えてもらうこと
・従来ルート(ラインの上下)以外の対話の場を体感してもらうこと

早速、直接、職員の方々より感想や質問メールをいただけているのが、うれしい限りです。息切れしないように頑張ろう!

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