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vol.46 最短撮影距離 最大撮影倍率

今回はレンズのお話です。
以前もレンズ関連の話をしているのでまだの方はこちらから見ていただけると嬉しいです。

今回はレンズの最短撮影距離、最大撮影倍率について書いて行こうかと思います。
主にマクロレンズで使う数値になります。
マクロとは、小さな被写体を大きく写す撮影方法のことです。

最短撮影距離

最短撮影距離とは、被写体とカメラがどこまで近づけるかを表しています。
より詳しく言い換えると、センサーと被写体との距離になります。
0.25m(0.82ft)のようにメートルやフィートで表記されます。

最短撮影距離と聞いて、レンズの前玉からの距離だと勘違いする人がいますが、正確には上の図のようになり、レンズからの距離はワーキングディスタンスとも呼ばれます。
最短撮影距離は、カメラに搭載されたセンサーから被写体との距離のことです。
カメラの上部などにΦのようなマークがあると思いますが、そのマークがあるところがセンサーがある位置になります。

では、最短撮影距離を一体どういう場面で使うのか。
主にマクロ撮影で使いますが、小さい花などを撮るときにどこまで寄って撮ることができるかを表しています。  

最短撮影距離はレンズの構造上、それ以上寄るとピントを合わせられなくなる限界の距離のことです。
そのため、最短撮影距離よりも寄って撮るとピントが合わなくなります。  

レンズは、遠いものにはピントを合わすことは簡単ですが、近いものにピントを合わせることは限界があります。
(人の目も、あまりにも近すぎるとピントが合わないことと同じです)

最大撮影倍率

では、最大撮影倍率とは何なのか。
これもマクロ撮影で使う知識です。
1倍、1/4倍(0.25倍)、1/2(0.5倍)のように表記されます。  

この〇倍というのは、写すモノを何倍で写すことができるか、ということを表しています。
例えば、最大撮影倍率1/4倍(0.25倍)のレンズで、直径2cmの被写体を最短撮影距離で最も大きく撮影したときに、センサーに直径0.5cmの大きさで写るということになります。
よって、ものを大きく撮るためには最大撮影倍率が大きいほうが有利だということになります。
最大撮影倍率1倍を等倍マクロ、最大撮影倍率1/2倍をハーフマクロと呼びます。  

また、マクロ撮影ではセンサーサイズも関わってきます。  

例として直径2cmの被写体を等倍マクロで撮影した際の、センサーサイズによる違いを見ていきます。
フルサイズセンサーで撮った場合、フルサイズセンサーは36.0×24.0の大きさなので、円はすっぽり入ります。
APS-Cセンサーだと、23.6×15.8の大きさなので円はセンサーから少しはみ出ます。
マイクロフォーサーズだと17.3×13.0の大きさなのでさらにはみ出ます。

センサーが小さいほど、センサーに対して被写体が大きく写るので、より大きく撮影したい場合は、センサーが小さいカメラの方が有利です。  

マクロ撮影では、レンズの最短撮影距離、最大撮影倍率、またセンサーサイズも関わってくる撮影技法です。  

ちなみに等倍マクロレンズになると比較的高価になるので、ハーフマクロにして、センサーサイズを小さくして価格を抑えるという方法もあります。  

小さな世界をクローズアップして写す写真を楽しんでみてください。  

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