言いたいだけ
青山の骨董通りには、アバンギャルドな人が行き交っている。
フック船長のようなヒゲをたくわえた青年。
ベルトがいっぱい付いているコートを着た女性。
革パン、革ジャンに身を包み、
でっかいプードルを2匹散歩させるロン毛のおじさん。
例をあげれば、枚挙にいとまがない。
あの、話の途中なんですが、
“アバンギャルドな人”ってアバンギャルド感が全然ないから、
ここからは“アバンギャルダー”って呼ばせてもらいますね。
で、コンビニでもアバンギャルダーに出くわすことがあるのですが、
彼ら、彼女らがフツーの食べものや飲みものを手にして
レジの列に並んでいるのを見ると、裏切られた気分になる。
なんだ、フツーじゃんって。
まあ、考えてみれば、当たり前なんですが。
でも、アバンギャルダーは
どんなときもアバンギャルダーであってほしいと
期待するじゃないですか。
そりゃ、アバンギャルダーには
アバンギャルダーなりの考えがあって、
アバンギャルダーやってるわけで。
アバンギャルダーからしてみたら、
オマエにアバンギャルダーの何がわかるんだっていう
話だと思うけど、アバン……
ごめんなさい。
後半は“アバンギャルダー”って言いたかっただけです。
造語なんだけど、語呂よくない?