live in the hole
速度制限を示す道路標識は、鉄パイプにボルトで止められている。そのパイプの横穴にスズメが入っていく様子を見ました。
どうやら巣を作っているらしい。こちらの写真がそれ。
(スズメは写ってないけど)
あんなところに住んでるんだ〜
と、ぼんやり思いつつ通り過ぎようとして、気になって写真をパシャリ。
確かにこの横穴。天敵にも狙われにくく、ヒナも落っこちにくそうだしちょうど良さそう。
自由に空が飛べていいなぁ、どこにでも自由に住処を変えられていいなぁ、なんて呑気に思いましたが、よく考えたらここ、
暗くて日は当たらないし、
熱がこもって暑いだろうし、
騒音でうるさいだろうし、、、
よくこんなところに住めるなぁとも思い至りました。
進化の研究では、鳥って、恐竜の進化系だという説が定着しているそうです。太古の昔から続く遺伝子が、ぽっと出の人類の製造物に隠れて過ごすというのは、なんだか恐れ多いようにも、罪深いようにも感じます。
一方で、何かに似ているなぁと思ったら、我々人類の中にもそんな生活スタイルを選択している例があることにも気づきました。
暗くて日の当たらない現場で、
空調の効きの悪い蒸し暑い勤務先で、
上司の小言や怒鳴り声のうるさい顧客先で。
抑圧されて働く人々は今も大勢います。
そんな一人一人のおかげで、私たちが便利に暮らせているという側面もあります。
この雀の住処のように、種を超えてさえも影響し合っているのだから、同種の人間同士は、自ら形成した社会の中でより濃い影響を与え合って暮らしているとも言えます。
良い影響も、悪い影響も、そのまま受け入れて皆生きています。
全ての事象には裏表があるんだなぁと、暑い6月の歩道でひとり想うのでした。
創作意欲の支えになります!