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試合直前に16個のマス目を使った守備トレーニングをした意図は? 【発育発達編08/僕の仮説12】

2018年9月、私は4試合限定で4年生の秋季リーグの監督を務めた。

2戦を終え、1勝1敗の戦績は当時の4年生にとって予想もできないポジティブの結果だった。しかも、2戦目は選手たちの力でつかんだ勝利。それは「一人1試合、必ず半分以上は出場する」という条件で、出場メンバーもポジションも全部を自分たちで決めた試合だったからだ。

いくら事前にスカウティングし、「十分に勝てる」相手だと踏んだ試合とはいえ、一人ひとりがきちんと力をつけていなかったら、チームとしても個人としても機能することはできない。サッカーはどんな試合や状況においても、最終的には自分自身で決断してプレーしなければいけないのだから。

リーグ初日の2試合を通じて、私が伝え続けたのは3つ。

1.サッカーがチームスポーツであること。
2.最後まであきらめずに戦うこと。
3.基本システム上で傘の原理を守ること。

特に「3」については、4月から月1〜2回のペースで指導し始めた頃から何度も言っていることだった。私は4年生の間に「この基本的なプレーメカニズムを理解し、プレーで表現できるようになればOK」だと考えていた。だから、練習中からさまざまな局面を切り出しては「ここにボールがある場合、君ならどうする?」と一人ひとりに問いかけ、各ポジションの選手に立ち位置とどうプレーするかをひたすら答えてもらうことを繰り返した。

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子どもたちがそれを見た目で分かりやすく認識できるようにと、戦術ボードを30個のマス目に分けて"立ち位置の可視化"をはかった。どのマスにボールを動かすとチーム全体がどのように動き、各ポジションの選手がどこの立ち位置を取ればいいのかを、毎回質問していたので子どもたちの頭の中にはイメージの構築が少しずつ積み重なっていた。

そして、リーグ二日目の初戦は8チームの中で1位、2位を争う強豪クラブとの対戦だった。

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写真提供=佐藤博之

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