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歌集の世界を旅する【ワークショップレポート】

言葉とことばのあわいに宿る想いを、
三十一文字の歌に託して。

8月31日、ちゃかぽんにて『歌集の世界を旅する』ワークショップを行いました。
ナビゲーターは、歌人でもある後鳥羽院資料館の榊原有紀(さかきばらゆき)さん。
なぜ短歌を詠み始めたのか?
それぞれの歌集のおすすめポイントは?
普段なかなか触れることのない短歌の世界をガイドしてもらいながら、一歩ずつ足を踏み入れていきました。

この日の参加者は、中学生や大人の島留学生、隣の島の方から来た方など、バラエティ豊か。
説明や表紙から気になった歌集を手にとり、心の琴線に触れるお気に入りの一首を探しました。

あたたかい飲み物とともに、それぞれのペースで。
三十一文字に託された想いを、丁寧に掬い取っていきます。

じっくり歌集の世界に浸ったあとは、自分が選んだ歌を順番に紹介。
なぜそれを選んだのか?
どんなところが気に入ったのか?
一つとして同じではない、それぞれの心ににじんだ想いの色が、垣間見えた時間でした。

皆のお気に入りの一首を、ここでもご紹介します。

***
あかねさす Google Earthに 一切の 夜なき世界を 巡りて飽かず
(光森裕樹)
人間は 忘れることが できるから 気を狂わずに ほら生きている
(枡野浩一)
はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢっと手を見る
(石川 啄木)
会えない人は きらいだ 眠ったら ぜんぶ 忘れる 話はすきだ
(嶋田さくらこ)
好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君
(桝野浩一)
攻めなければ 感情の丘。この靴を こころのように 履きふるしつつ
(大森 静佳)
おしっこよ いつか海へと 流れつき ぼくの膀胱に 戻っておいで
(寺井 奈緒美)
修辞とは 鎧ではない 弓ひけば そのための筋、そのための骨
(千種 創一)
花はないけれど 一輪挿しがほしい 心のための 体ですから
(田村穂隆)
そのたびに 忘れてしまう 髪切って はじめて洗う ときの軽さを
(山階基)
幸福の かたちにとても 近いので あなたの温度が(欲しかったのです)
(後藤由紀恵)
がらんとした 湯槽の中に クビになつたばかりの首 お前とおれの首が浮んでゐる 笑ひごつちゃないぜ お前
(坪野哲久)
濡れ髪のまま 海岸へ来てしまう ジャズの余韻の 為だとおもう
(有泉)
今朝五つ 餅を食べたる 子に聞かす 七つ食べたる 祖父の話を
(綾部未央)
***

実はこのワークショップ、ちゃかぽんnoteの書き手 Soneko の持ち込み企画。
味噌作りや草木染め、ブックトークやボードゲーム会など、ちゃかぽんでは日々、様々なイベントが行われています。

「ちゃかぽんで、こんなことできないかな。」
「こんな人たちと、集まりたいな。」

そんなわくわくするご相談、いつでもお待ちしています。

Writeing:島猫工房 Soneko

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