洋画洋楽オタクがSnow Manを好きになった訳

中学の頃、リュック・ベッソン監督の「レオン」を観て洋画にハマった。
高校の頃、My Chemical Romanceを知って洋楽にハマった。
それからはJ-POPも聴かず日本のテレビドラマもほとんど見ずに洋楽と洋画にどっぷり浸かったまま三十過ぎまできてしまった。
好きな俳優は?と問われると、「ボーン・アイデンティティ」等に出演しているマット・デイモン氏と答えるし、好きなミュージシャンは?と問われるとNine Inch Nailsのトレント・レズナー氏と答える。
日本の俳優もミュージシャンも少ししかわからない。
どんどんとアップデートされゆく欧米の価値観に触れているうちに、人を貶して笑いを取るような日本のバラエティ番組が大の苦手になってしまったのだ。そのせいでニュース番組を見るとき以外は、たまにBGMにする程度にしかテレビをつけない日々を長いこと送っていた。

ある日たまたまテレビをつけると音楽番組をやっているところだった。
青白い照明の中、ノリの良いEDMが流れてくる。
白を基調とした衣装を身に纏ったグループが歌いながらキレのあるダンスとアクロバットを繰り出しているのを見て、新しいK-POPアーティストが日本に進出してきたのかと思った。
BTSファンの友人の影響でパフォーマンスの秀逸さからK-POPアイドルには好感を抱いていた。
何というグループだろう?
普通に格好良かったので、気になって曲が終わるまで見てしまった。
「Snow Manの皆さんでした〜」
司会者がグループ名を告げた。
スノーマン?雪だるま?おかしな名前だな。
そう思いつつ、スマホで名前を検索してみた。
とりあえずいつもお世話になっているWikipediaのページへ。

"Snow Man(スノーマン)は、日本の男性アイドルグループ。所属事務所はジャニーズ事務所"

……ん?ジャニーズ?いやいやいや、まてまて、違うスノーマンかな?????
検索ページに戻って検索窓に入力された文字を確認してから別のページを見る。

Snow Man公式サイト

そこには確かに先ほどまでテレビの中でキレのあるダンスを披露していた人たちのアー写が載っていた。
ジャニーズ
ジャニーズ?
ジャニーズだったのかあの人たち……

気を悪くされる方もいるだろうが、このときまで私がジャニーズに抱いていたイメージを敢えて正直に書く。
歌も踊りもそんなに上手くなくても顔が良くてキラキラしていればいい人たち。
大して面白さも演技力も無いのに事務所のバーターでテレビに出てくる人たち。
成り上がりだらけで泥臭い洋楽ロックの世界に長いこと浸かっていた私には到底好きになれるものではないと思っていた。
今でこそ、どのグループもJrたちも大変な努力の上でアイドル業をやっているのだと理解しているが、はっきり言って当時は、まるで馬鹿にしていたのだ。

私が初めて見たSnow Manに感じたのは、キラキラよりもギラギラ。そして圧倒的なパフォーマンス力。

あれがジャニーズ???

信じられなくて色々と検索してみた。
SixTONESというグループと同日にデビューするらしい。
SixTONESといえば、確か何かの番組で(これもたまたまテレビを付けたときにやっていたので番組名は知らなかった)ヒロミさんとリフォーム企画をやっていたジェシーくんのグループだ。彼はジャニーズで近々デビューすると番組内で言っていたのを何となく覚えていた。

ジャニーズ……マジなのか。

検索結果にYouTube動画がヒットしたので見てみた。
初めて彼らを目撃したときに披露していた曲、D.D.のミュージックビデオ。
ゴリゴリのEDM。

これマジでジャニーズの曲??ジャニーズってなんかもっとアイドルアイドルしたよくわからん曲やってるんじゃないの???何これマジでノれるし歌詞もいいし何これ格好良すぎない????ダンスはガチだしアクロバットもヤバくない???めっちゃ飛ぶし何この人たち本当に人間?????

良いものを前にすると語彙は吹き飛ぶものだ。
めでたくSnow Manという沼地の前で足を滑らせた瞬間である。
何度も何度もリピートした。

他にも調べていくと、どうやらデビュー前でテレビにたくさん出るらしい。
近いところでは嵐の番組に出るらしい。
珍しく当日番組が始まる前にチャンネルを合わせて待機した。テレビの前で待機したのはおそらく7年前に半沢直樹にハマっていたとき以来である。
嵐の番組ではSnow ManとSixTONES両方のメンバーの個性がそれぞれ紹介される企画だった。
いろんな人がいるんだなぁ……人数多くて覚えるの大変そうだなぁ……
一発目に指名されたのは「人間ダンベル」
ジャニーズアイドルというよりも、俳優か何かをやっていそうな雰囲気の偉丈夫が立ち上がった。
岩本照くん
彼を認識したのはその時だった。
前置きもなく急に脱ごうとして嵐の皆さんが若干引いているのには笑ったが、そこから晒されたバッキバキの肉体には驚いた。
マンガのキャラクターかよと思わずツッコんだ。

余談だが、私は筋肉が好きだ。
海外の俳優には鍛えている方々も多いので。一番好きなのは「インモータルズ」の頃のヘンリー・カヴィル氏のギリシャ彫刻かと見紛うほどの肉体美。

岩本くんの身体は、よくこんなふうに太くならず、絶妙に美しく見えるように鍛え上げることができたものだなと感心すらした。
そんな彼が見せたのは、ダンベル代わりにメンバーを持ち上げてトレーニングするということ。
いや、マンガかよ。(2回目)
そしてダンベルこと深澤くんも、何だかんだノリノリである。面白すぎる。何なんだこの子たち。
気づけばSnow Man沼、延いては岩本照の沼にも片足を突っ込んだ状態になっていた。

番組が終わった後、またスマホで検索をしてみた。
どうやらYouTubeにジャニーズJrチャンネルなるものがあって、Snow Manが沢山の動画をアップしているらしいということに気付いた。
こういうものはとりあえず一番初めから見るのが良いと思っているので、さっそく初回から順に見ることにした。
結果、面白すぎて止められなくなった。

パーティータイムなんかよく分からないけど面白すぎるしボードゲームで大盛り上がりだしクイズ楽しいし全員キャラ濃すぎだし全体的に仲良くわちゃわちゃしてんの最高だな!?デビューしてないのにこのクオリティすごいな!?!?

等々、次々と見ていって、気付いたら朝になっていた。
まさかの平日に完徹。
その日はそのまま仕事に行った。
結局一週間かけてすべての動画を閲覧した。

おめでとうございます!
完全に頭までSnow Man沼に沈みました!!

日本のバラエティというものに苦手意識しか無かった私が、Snow Manというジャニーズアイドルのバラエティ動画は何の嫌悪感を抱くこともなく完走できたのである。とても驚いた。
オタクである佐久間くんは堂々とアニメのTシャツを着ているし、可愛いものが好きな岩本くんはぬいぐるみを大事そうに抱えているしおばけ屋敷では泣いちゃってるし、美容が好きな渡辺くんは堂々と公言しているしシナモンとお友達になってるし。
今まで男らしくないとして世間一般的にネガティブに受け取られたりバカにされてきたようなことが、すべて受け入れられて一個性として認められている。きちんとアップデートされた新しい価値観を持って作られているコンテンツの数々。
そして途中から新しく加入した3人も違和感無く溶け込んで、最年少のラウールであっても臆することなく伸び伸びと発言することができている優しい空気感。
其処彼処から感じる安心感。安定感。

日本にもちゃんと新しい風が吹き始めているな。
と思った。

Snow Manの影響もあって日本のバラエティ番組を少し意識して見るようになってから気付いたのは、EXITやぺこぱなどのお笑い芸人によって"人を傷付けない"という風潮に少しずつ向いてきているということ。

新世代ジャニーズ Snow Man
彼らならその先にも行けると思った。

古い価値観は淘汰され、その先の輝かしい未来へ

これから彼らが築き上げていく未来を見たいから
私は何があってもSnow Manを応援していこうと決めた

私の中のジャニーズやアイドルやバラエティというものに対する固定観念を盛大にブッ壊してくれたSnow Man
これからもっと、いろんな新しい景色を見せてくれることを期待して


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