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好きなバンドの話を日記風に

素敵なお写真お借りしております。鉄塔のガイコツ!

バスタブの中にいたら、夜の静けさの合間に蛇口からぽたりぽたりとしずくが垂れて、水面を波紋が乱していった。

濡れた手で窓辺に立てかけたスマホの音楽再生アプリの再生ボタンをタップしたら、無課金ユーザー向けの広告が軽やかな女性の声で好きな順番で好きな歌を聴ける課金サービスへと誘う。

選べないということは、新しい出会いがあるということ。偶然も必然も嫌いではないので、無料のままサービスを享受している。

脱力した体をずるずるとお湯の中に沈めると、ちょうど聞き覚えのあるイントロが始まった。優しく語りかけるような歌声を控えめに支えるリズム、聞き手に青春を思い起こさせるようなノスタルジックな風景が独特な表現で歌詞に起こされている。

バンドメンバーは中学の同級生のみ。私はたまたま彼らと同じ地域に住んでいたことがあり、一つ一つの言葉が景色になり脳裏をよぎる。私も含めてみんなが同じものを共有していることがなんだか不思議で面白い。

彼らの地元にあった大きな鉄塔、平らな風景、稲穂を揺らす風、君と僕の物語、そういった世界観の曲が多かったためか、青春パンクと評された時代が長く続いた。

最近の歌は年相応の葛藤やバンドを組むと決めた青々しい気持ちを赤裸々に綴ったものが多い。ライブハウスに行くと、今の彼らが込められている曲が阿吽の呼吸で爆音でかき鳴らされるのだ。

先日行われたライブではMCで汗を拭きながら、「ライブ最高だね、楽しい!」とにこやかに語るボーカルの姿がとても格好良かった。仕事を楽しいって言える大人はなかなかいない。仕事を楽しくやって見せてくれる大人もなかなかいない。私はそういう人と出会うととても嬉しいし、そういう人たちがすごく好き。

そんなことをぼんやりと考えていたら、汗と涙で浴槽がいっぱいになったので、重力のある世界に戻ることにした。こころなしか、入浴前より身体は軽い。
そうです、タグの通りGOING UNDER GROUNDのトワイライトのお話でした!鉄塔のガイコツのお写真がイメージ通りでありがたーい!

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