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サッカー少年団 人数ギリギリのチームを指導者が子ども達自身に考えさせ行動するために、練習時間の三分の一をミーティングにし、質問の大切さを知ったこと !

少年サッカー指導歴8年目のだっちょです。

私の少年団は、6年生6人、5年生1人、4年生1人、3年生以下が9人と人数がギリギリです。

ギリギリだからおのずと試合の経験は増えます。デメリットとしたら、体調不良で休みや、試合中にケガをしたら、相手より人数が少ない状況で試合をすることもあります。

結論、人数が少ないからこそ指導者が良い質問、傾聴し、ヒントを促すことで子ども達、自身が考え積極的に行動してくれます。

突然ですが、サッカー少年団で練習中にプレーの判断で、子ども達に質問しても返答がない。

チームの人数がギリギリなので、交代選手がいる他のチームと対戦すると、子ども達が試合前にもかかわらず、あきらめムードになっている。

仲間の失敗したプレーを非難する。自分が失敗し、仲間から指摘されたらふてくされる子がいる。

人数が少ないチームの指導者の皆さん、上記のことで悩んだことありませんか?

私も指導者1,2年目のときは、どうしたら子ども達が積極的に行動してくれるだろうと悩みました。そこから考え、あきらめず実践した内容をお伝えします。


練習の三分の一を、ミーティング時間に設けた


冒頭のところで、子ども達に質問しても返答がないと書きましたが、私自身も指導をしてるときに悩んだのですが、何の解決策も思いつかず、ボーっとしていた時に、自分自身の小学生時代のことを思い出しました。

私は小学生時代、勉強するのが嫌だったので、休み時間になるとすぐさま友達のところに行き、「今日、遊べる?」「このゲームやったことある?」と学校には関係ないことを話して楽しく休み時間を過ごしていました。

休み時間が終わり、先生が来ると「やっべえ、席に戻って静かにしなきゃ」と怒られないようにしてました。授業中も先生にさされ、怒られるのが嫌だったので、いつも沈黙を続けていました。

「んっ?サッカーの指導をしてるけど、子ども達が何も言ってくれないってことは、オレのことコーチとして見てるんじゃなくて、学校の先生みたいに子ども達は思ってるんじゃねえ?」って気づきました。

それじゃサッカーの練習時間に自由に楽しく、子ども達が話せる時間を作ればいいんじゃねえのと思ったのです。

けど、ただ自由に話しても意味がないので、最終的には、サッカーのプレーにつながるような話し合いが出来ればと考えました。

それが質問作戦会議です。

質問作戦会議には、ルールがあります。
ルールの内容は以下の3つです。

・ルール1 答えはすべて正解

・ルール2 「わからない」も正解

・ルール3 仲間の答えを受け止める

質問作戦会議をした当初は、子ども達も「えっ!どうせ怒られるんでしょ」というような表情をしてましたが、指導者も上記のルールを守り、子ども達が話をしている内容を傾聴し、話が行き詰まったときに質問をして話を継続できるように促す。そうすると次第に指導者の顔色を伺わず、積極的に話をしてくれるようになりました。

積極的に話をしてくれるようになった質問とは?

まずは、サッカーと関係ない質問をする。たとえば

「最近、好きなゲームは何?」

「お父さんとお母さんたっだら、どっちの方が怖い?」

話したあとに「どうしてそう思うの?」って聞くのがポイントです。この時に「なぜ?」って聞いてしまうと子ども達は、尋問されたって勘違いをするので注意が必要です。

どうして尋問されたと勘違いをしてしまうのか?

次の質問の例を読んでください。

例 サッカーの試合中、ある選手がパスミスをしました。

① なんであのときパスしたの?

② あのパスを出したとき、どんなことを考えていたの?

どちらが良い質問だと思いますか?




正解は②です。

①の問いかけは、「なぜ?」と理由を聞いていますが、パスをしたこと、そのパスがミスにつながったことをとがめる響きを持っています。指導者の中には、パスミスの瞬間に「なんでパスをしたんだ!」とより感情的な言葉を投げかけている人もいるかもしれません。こうした問いかけは、選手に意見を求めているようで、一方的に大人の意見を押しつけることになりかねません。

指導者 「なんであのときパスしたの?」

選手  「すみませんでした」

という言葉のやりとりは会話とは呼べません。その後、「理由を言いなさい」や「根拠はなんなの?」と詰め寄っても、選手とコミュニケーションしてるとは言い難いでしょう。

一方で、②の問いかけは、子ども自身の心の中にしか答えがありません。出てくる答えは、選手の正直な気持ちですから、そのとき何を考えてプレーしていたか、本当はどうしたかったかを知ることができます。

指導者はこの答えを受けて「どうしたらよかったと思う?」と次の質問で会話を続けることができます。この会話で、ミスの原因を選手自ら追究し、対策法や改善策も自分で考えるきっかけもにもなり、チャンスも得たわけです。

最初にサッカーと関係ない質問をして、話が盛り上がり、子ども達の心の氷が溶けだしたら、次にサッカーに関係する質問をします。


「サッカーで自信をつけたい時にしたい5つの質問」


1.どうして自信をつけたいのですか?

2.その不安はどこからきていますか?

3.いままでにどんなときに自信がありましたか?

4.いつまでに自信が欲しいですか?

5.どんな約束を自分としますか?

指導者は質問を投げかけたら、子ども達の話を傾聴し、「ふんふん」や「なるほど」とあいづちをして下さい。傾聴したらその後、「どうしてそう思うの?」や「どのようにすれば、より良くなると思う?」って再度、質問をします。

子ども達が返答したら、「今日の練習で自信はつきそう?」って質問し、子どもが「うん!」って言ったら「練習でチャレンジしてみよう!」と声かけをし、練習を行うと子ども達のモチベーションアップになります。

この時、指導者の表情は子ども達がどんなことを言っても、スマイルが大切です。鬼の形相みたいに聞いてたら、話をしたくなくなるでしょう。ここまでの質問が水の泡になります。要注意ですよ~

良い質問をすると子ども達、一人一人違う考えを持っているんだなっていうことを学べます。


ピッチを3分割し、各ゾーンで一人一人、チームのためにまずは何を優先してプレーをするのか共有する


一人一人、個の力はあるが、なかなか試合で結果がでず、指導者としてイライラすることはありませんか?

かといって、イライラ感を出したら感情がむき出しになり、子ども達にもバレてさらに負のスパイラルへ。

その反対に、「いいよ、自由にやってごらん」
と言っても今度は、自分のことだけを考えたプレーになってしまう。

良い質問って頭になかった私は、指導者1,2年目の時、非常に悩みました。

練習方法を変えても、成果は実らずっていう感じでした。子ども達の個の力を大事にしたいし、楽しく自由にサッカーをさせたいけど、結果が出ない。

どのようにすれば?と考えました。

まずはチームでやるべきことを共有する。でもサッカーのピッチは広いので、ピッチを分けてそのゾーンごとにチームのために優先したプレーを心がけようと、子ども達に教えました。

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教えた内容は

・ディフェンディングサード、守備への意識

自分達のゴールが近いわけですから、優先順位としてペナルティーエリア前でボールを奪う。

ペナルティーエリアに進入されたら、止まらずシュートコースを意識してワンサイドカットをする。

・ミドルサード、セカンドボールへの意識

ミドルサードは、ボールを奪えば、アッタキングサードに運べる。ボールを奪われたらディフェンシブサードに運ばれる。

子ども達には、「ミドルサードの所が一番ワクワクしない?」どうしてかというと奪えば、チャンス!奪われたらピンチ!コーチはミドルサードの駆け引きが一番楽しいんだよねぇ。
「どうしてだと思う?」と質問し、いろんなイメージをしてくれれば良いかなって思っています。

・アッタキングサード、攻撃の意識

やっぱり、子ども達からしたらゴールを奪うというのが、サッカーをしてて楽しく、醍醐味だと思います。

なので、アッタキングサードでは、ボールを運んで自由に自分達が思ってるプレーをチャレンジしてごらんって言ってます。

ただし、1つだけルールを決めました。それはボールを奪われたら、奪われた選手が責任を持って追いかける。

「相手のゴール近くだからといって、追いかけず、ボールを自分達のゴールに運ばれたら、ディフェンスする時間が長くならない?」

「追いかけてすぐ奪えば、またアッタキングサードで自分達の自由なプレーが長くできないかい?」

指導者は質問して、聞いて出たアイデアを、チャレンジさせることが大切です。

子ども達、自身で試合の状況、相手チームを分析。ポジション変更も自分たちで考え、行動するようになった


子ども達、自身で話し合い考えてアイデアが出てきたら、やるべきことの内容を指導者は、「どうして、こうしようと思ったの?」と質問。そして傾聴し注意点を3つぐらい話す。

「周りをしっかり気をつけてプレーしよう」

「ボールの動きを予測しよう」

「味方選手のポジションを把握しよう」

じゃあ、みんなが出したアイデアを失敗してもいいから、あきらめずチャレンジしてごらん!プレーはチャレンジした失敗をしよう!

失敗するなって言うより、チャレンジした失敗をしようって言うと、「えっ!」子ども達の表情はなりますが、これけっこう響きます。積極的にプレーするようにもなりました。

試合後も勝っても、負けても今の試合「うまくいってたことはなに?」と質問すると、子ども達は話してくれます。

負けた試合のときに、失敗したことばかりを言っても、子ども達はなかなか話をしてくれません。必ず良かったプレーもあるはず。もちろん勝った試合の方が、良いプレーの回数は多いはずですけど、負けても良いプレーを振り返り、その後で良くなかったプレーを振り返る。

指導者は良かったプレーは「そうだよね」とうなずき肯定する。

良くなかったプレーは「どうすれば良くなるとおもう?」って質問し、子ども達からの返答があったら「練習をすればレベルアップしそう?」と問いかける。

試合前後、ハーフタイムもできるかぎり、子ども達で質問作戦会議の時間を作ることを継続してきました。

そうすると試合中、仲間への声かけ回数も増えます。相手を見てポジション変更も自分達でやるようになりました。

いい練習メニューをやらせ、試合で負けたら反省会ばかりやっても、子ども達には響きません。指導者は教えすぎず、良い質問をし、傾聴、ヒントを与え肯定すると子ども達は、指示しなくても積極的に行動してくれます。

まとめ

質問作戦会議を取り入れ、仲間と発言、意見を共感する。

ピッチを分割しゾーン別で、優先順位としてチームでやることを明確にし、共有する。

子ども達を信じて、試合の作戦、状況を質問して自ら行動するように促す。


嬉しいことに子ども達が、試合が終わって勝っても、負けても「最近、試合いい感じだよね」って言うのを聞いて私は、心のなかで「よっしゃー!」って叫んでます。

それでは、また。


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