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自宅療養中の食事問題

闘病生活の何が大変だって、一番大変なのは毎日の食事を調達する事なんだ。意外に思われるかもしれないが、病気の症状(私の場合は統合失調症の精神症状)そのものは病苦のうちのトップには来ないのである。長く病人をやっていれば自分の症状をコントロールする術は次第に身に付いてくるし、その症状も毎日毎日続くわけではない。しかし食事は違う。日に三度、毎日必ずある事だ。

うちは裕福な家庭ではないし、家族もそれぞれが事情を抱えててやっとという暮らしだ。なので頼れる人は居ないし、かと言って自分で自分の事が出来るほど自分の病状は良くないという、そういう状況に陥ったのが私が過去の闘病生活を振り返ってみて一番辛い事だったように思う。

とにかく、毎日どう食い繋いで行くかという事が、病人にとっては大問題となるのだ。

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上記に添付した画像を見て欲しい。これは私が長い間頼っていた食事である。幸にも障害年金を受給していたので食費はある。なのでそのお金を使って、アマゾンで『サトウのごはん』と『フリーズドライの味噌汁』を箱買いし、コンビニで出来合い(ほぼレトルトみたいなヤツ)のおかずを買って、それで日々の食事を賄っていた。

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おかずは一品だ。恐ろしいような貧乏飯だと思われるかもしれないが、実はこれ、そこそこお金が掛かっているちゃんとした食事なのである。おおよそ一食400円くらいだろうか。味はなかなか良い。

これだけの食事を出来ていて文句を言ってはバチが当たる。世の中の人からは「そんなの生温い。食費を安くする方法はいくらでもある!」などとお叱りを受けるだろうが、こと病人という立場に立ってモノを見てみると『方法はいくらでもある』とはならないものなのである。体力・精神力・財力それに人的リソースの限られた状況下では、節約生活すらもおぼつかないのが病人だ。病人は、体調の良い日より体調の悪い日の方が多い。だから安いスーパーにすら簡単には行けず、そうなるともうアマゾンに配達してもらうより他に方法はなくなる。

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こんな事をいちいち書くのもバカらしいが、もちろんインスタントラーメンやレトルトカレーには大変お世話になっている。というより、もはやそれにすがるしかなかったという時期があった。1日三食が全てインスタントラーメンだという日も数え切れないほどあり、それは私の日常だった。

薬の副作用で体重が増えやすくなっている所へ、さらに毎日のインスタントラーメンという食事が祟り、一時期私の体重は108キロまで増えた。それに加え、明らかなタンパク質不足で、筋力は衰え、疲れやすい体になってしまっていた。ダイエットのために運動をしようにも、その運動に耐えられるような身体(筋力)が無かったのだ。これでは病状は悪くなるばかりで、完全な悪循環に陥っていると思った。

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そんな暮らしの中でも、私は必死に抵抗したのだ。ある時期からコンビニが焼き鳥を販売するようになったのだが、焼き鳥は他のホットスナックと違い脂分が多くなくヘルシーなので、発売されるや否や私は真っ先にそれに飛びついた。私にとってコンビニの焼き鳥は貴重なタンパク源となった。その頃からだろうか。私はコンビニのゆで卵も頻繁に買うようになった。一つ70円くらいで毎日食べても飽きない『味付けゆで卵』は、高タンパクで、とてもコスパが良い。

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『食べる事は生きる事だ』という言葉があるが、私は自身の闘病生活における食事問題から、もう嫌と言うほど徹底的にその事を学んだように思う。今の私にとって、食事はもはや『生きるための栄養を摂取する行為』であり、『楽しみとしての食事』という要素は今では完全に消失している。食事は私にとって『病気を治す為』『体を維持する為』の『医療』なのである。簡易的にではあるが、栄養価を評価しながら食事を選ぶ、そんな毎日だ。こっちは生きる為に必死なのだ。だから私はインスタ映えを狙った様な贅沢な食事を今では軽蔑している。

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質素でも良いのだ。毎日三度の食事が決まった時間に食べれるという事が、どれだけ恵まれていて、ありがたい事なのかという事を、私は肝に銘じているのだ。これは別に『ご立派な考え』という訳ではない。私は自分の闘病生活で身をもって経験したからこそ、自然とそう考える様になったに過ぎない。なのでその様な経験のない『恵まれた暮らし』をしてきた人にとっては、この話は全く共感できないだろうと思う。ひょっとすると単なる『不幸自慢』だと捉えられる可能性すらある。

この食事についての話は、簡単には書き表せないくらいの思考の蓄積があるので、今後もちょくちょく書き続けていこうと思っている。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

統合失調症から回復。その後、放送大学教養学部を無事卒業し、現在は放送大学大学院・修士選科生として学びを継続中。私はnoteをTwitterとBlogの機能を併せ持つハイブリッドとして活用しています。マガジンよりは、つぶやきの方が多めです。