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フィットネスとテクノロジーの可能性第3回 ウェアラブル・デバイス

2022年から23年にかけての次のキーワードは、ウェアラブル・デバイスです。

 JWIで運営する9ROUNDというキックボクシングベースの30分サーキットトレーニングのジムでも、ウェアラブル・デバイスを使ったシステムを採用しています。胸や腕に装着してエクササイズをしながら、右側写真のスクリーンにあるように、脈拍や心拍が表示されます。


 数値が見えることによってモチベーションを上げることができ、逆に、自分のペースで無理をせず安全にフィットネスを進めることができるという非常に便利なシステムです。手首や腕、胸の辺りに装着することで気軽にデータが得られるこのデバイスは、実は2016年から注目され、多くのジムや施設でも採用されるようになりました。

 歩数や心拍数はもちろん、消費カロリーや座っている時間、睡眠パターンなど、多くの健康指標が把握できるテクノロジーです。しかも、このウェアラブル・デバイスは年々進化を続け、最新のデバイスでは血圧、酸素飽和度、体温、呼吸数、心電図までモニターできるようになっています。

 つまり、今ではより簡単に、正確な「自分データ」の取得が可能になっているということです。この進化の流れは、今後も続いていくと思います。デバイス自体が小さくなって使いやすくなり、より安価に、そしてより多くの情報を手軽にゲットできるという時代がすぐにでもやってくるでしょう。

 ここまでウェアラブル・デバイスというテクノロジーが形を変え、内容を変え進化してきた背景には、自分を知りたい、客観的に見てみたいという人間の根底にある欲求があると思います。

 たとえば、テレビで占いを見ていて、言われたことをついつい気にしてしまう。今日はどういう日ですと言われると気になる。そんな経験はありませんか?テクノロジーからはかけ離れた話のように見えますが、自分のことをもっと知りたいという面では共通しています。

 自分としては普通に生活しているつもりでも、心拍数が高いことが数値で出てくると、どうしたんだろうと思ってみたり、逆に、そんなに動いているとは思わなかったけれど消費カロリーが高い、結構動いたんだなって思ってみたり。

 そのような「自分を知りたい」という欲求は人間としてごく自然なことで、知ることによって何かに気づいて行動を起こしてみる。日常の生活に与える影響は大きいと思います。そこから医療の場にも繋がり、病院に行った時にデータを渡すことによって、より診察の精度が上がる。そんなケースも既に出てきています。(続)

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