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24/25シーズンのリーグ・カップの組み合わせが決定 :: WSL Watch #093

23/24シーズンのリーグ・カップはアーセナルがチェルシーを破って優勝したけど、24/25シーズンのリーグ・カップのグループ・ステージのドローが8月19日に行われたんで、とりあえず、概要をまとめとこうかな、と。

WSLとWCから23チームが参加するカップ戦

リーグ・カップはFAカップと並ぶイングランドの国内カップ戦で、FAカップの主催がサッカー協会(=FA)なのに対してリーグ・カップはその名の通りリーグが主催するカップ戦、メンズ・フットボールに置き換えるとイングランドのカラバオ・カップとか日本のルヴァン・カップに該当する(スポンサーが付いてればスポンサー名を付けて呼ぶことが多いけど基本的にはどっちもリーグ・カップってことになる)。ちなみに、23/24シーズンまではスポンサーの名前を付けてコンチ・カップって呼ばれてたけど、今大会はいろいろなリリースを見る限り'リーグ・カップ'って表記されてるからスポンサーが外れちゃったのかも?

参加チームはWSLと2部のウィメンズ・チャンピオンシップ(WC)の全23チーム。本来ならもちろんWSLの12チームとWCの12チームの全24チームで行われるはずなんだけど、ロンドン・シティ・ライオネセスについて書いた"WSL Watch #086"の中でもちょっと触れた通り、レディングが財政難を理由にWCに参加できなくなっちゃって、24/25シーズンのWCは急遽11チームでの開催っていうイレギュラーなカタチになったんで、リーグ・カップの参加チームも23チームってことになったらしい。

具体的なレギュレーションとしては、グループ・ステージを勝ち上がったチームがノックアウト・ラウンドに進出する形式なんだけど、UEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)に出場するチームはグループ・ステージが免除されてるんで、チェルシーとマンチェスター・シティとアーセナルは今回のドローには含まれてない(ただし、マンチェスター・シティとアーセナルがUWCLの予選ラウンドを勝ち抜けなかった場合はグループ・ステージから参加することになる)。

グループ・ステージは20チームを南北のセクションに分けて、基本的にセクション内で4チームのグループを作るんだけど、単に地理的な理由なのか、北セクションが8チームで2グループ、南セクションが12チームで3グループ って分けられ方になってる。で、マンチェスター・シティとアーセナルが無事にUWCLの本戦出場を果たした場合は、各グループの首位の5チームとUWCLに出場する3チームの計8チームがノックアウト・ラウンドの準々決勝に進出する、と。

ざっくりとした日程としては、10月頭から年内にかけてグループ・ステージ、年が明けてからノックアウト・ラウンドって感じで、決勝戦は3月中旬予定とのこと。

ドローの結果はちょっと驚きの組み合わせに...

8月19日に行われたドローの結果、決まったグループ分けは以下の通り(太字がWSLのチーム)。

▶︎ グループA:
ニューカッスル・ユナイテッド / エヴァートン / マンチェスター・ユナイテッド / リヴァプール

▶︎ グループB:
ダーラム / シェフィールド・ユナイテッド / サンダーランド / ブラックバーン・ローヴァーズ

▶︎ グループC:
ウェスト・ハム・ユナイテッド
/ サウザンプトン / ポーツマス / ロンドン・シティ・ライオネセス

▶︎ グループD:
バーミンガム・シティ / レスター・シティ / ブリストル・シティ / ブライトン&ホーヴ・アルビオン

▶︎ グループE:
クリスタル・パレス
/ チャールトン・アスレティック / トッテナム・ホットスパー / アストン・ヴィラ

そもそもWSLのチームが9チームだけど北セクションに3チームで南セクションに6チーム、WCのチームは11クラブで北セクションに5チームで南セクションに6チームって内訳になってて、北セクションで2グループ、南セクションで3グループってことは、北セクションは全8チームの内の3チームがWSLのチーム、南セクションは12チームの内の6チームがWSLのチームになるわけで、いろいろアンバランスっていうか、具体的には、北セクションのほうがちょっと勝ち抜きやすいんじゃね? とか思ったりする。まあ、地理的条件とかを考えて決めたレギュレーションなんだろうけど。

で、実際に蓋を開けてみたらもっとアンバランスなことになってて。具体的には以下の通り。

  • グループAにWSLの3チーム、エヴァートンとマンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールが集中。

  • グループBにWSLのチームがいない。

  • グループCのWSLのチームはウェスト・ハム・ユナイテッドのみ。

  • グループDはWSLのチームとWCのチームがそれぞれ2チーム。

  • グループEにはWSLのチームが3チーム、クリスタル・パレスとトッテナム・ホットスパーとアストン・ヴィラが集中。

端的に言って、グループAとグループEは明らかに厳しい、特にグループAはそれぞれのチームの実力を考えるとかなり厳しいし、逆にグループBからはWCのチームが準々決勝に進出することが決まってたりする。それがドローの面白さ、リーグ・カップならではの面白さとも言えるのかもしれないけど。

日本での視聴方法は今のところ不明

で、気になるリーグ・カップの日本での視聴方法だけど、現状では不明だったりする。"WSL Watch #089"で24/25シーズンのWSLの中継のプラットフォームはFA PlayerからYouTubeに変わること(とFAカップは引き続きFA Playerで配信されること)は触れたけど、リーグ・カップに関しては今のところ特に何も発表されてないっぽくて。23/24シーズンまではFA Playerで観れたんだけど、24/25シーズンからはリーグ戦はFA Playerじゃなくなるわけで、だとしたら、FAの管轄のFAカップはFA Playerでも不自然じゃないけどリーグ・カップは変わるのかも? とか思ったり。普通にリーグ戦と同じようにYouTubeで配信してくれるのが一番シンプルでありがたいけど。とりあえず、まだちょっと先だし、様子見っと感じらしい。

新たな運営母体としてWPLLが正式に発足

WSLとWCを運営するFAから独立した組織が発足して、24/25シーズン以降は運営母体になるって話は去年の11月に"WSL Watch #018"で書いたけど、そのときには暫定的に'new company'を意味する'New Co'って仮称で呼ばれた組織がウィメンズ・プロフェッショナル・リーグス・リミテッド(Women’s Professional Leagues Limited / WPLL)として正式に発足したことが8月15日に発表された。当然、リーグ・カップの主催もまさにWPLLってことになるはず。

一応、上記リンクのリリースに所信表明的なことは書かれてて、もちろん一読の価値はあるんだけど、基本的には、組織の正式名称がWPLLになったってこと以外に真新しい話はない感じかな。もちろん、正式発足して動き出したってこと自体は重要なことなんだけど。

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