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えんぴつけずり〜色鉛筆を削ったら〜


僕、ライ。無限中学校の2年生。
なのに、大変なんだ。
色鉛筆なんか使うと馬鹿にされる時代なのに、タッチペンを家に置いてきてしまったんだ!
今は24世紀。ものすごく、AIたちが発達している。
その中で鉛筆というのはやばい、かなりやばい。
しかも、なぜか教室の隅に置いてある呪われた鉛筆削りを使わないといけないんだ。
誰も使わないのに置いてあるから幽霊が使ってる、なんて言われている。

まだ、誰も来ていない早朝だ。
よし、と安心して、鉛筆削りを使う。
こんなの使っているところ、見られたら・・・
ジャリジャリジャリと3回まわすと_
不思議な虹色の光が出てきた。
「あれっあれっあれ⁉︎」
なにかがひっくり返って、僕の声は虚しく吸い込まれていった。



「うーん、いてて。ここどこだ?」
僕は現代生らしく辺りを見回して分析することにする。
「赤い砂。大きい砂丘っつーか、砂漠っつーか」
僕はスマホを開いて現在位置を検索した。
「う、うそだろ!ここって『グレートビクトリア砂漠』じゃん!」
広大な砂漠に僕の声がこだました。
「あぁ、どうしたらいいんだ」
試しにスマホの分散連絡機能を使ってみるけど範囲が広すぎて使えない。
これは一定の範囲に電波を届けるだけだから、
ここからじゃ、日本に届くわけないんだよな。
「よし、行こう!」
僕は砂漠を歩き出した。
キミからしたらバカかもしれないけど、詩人マメロスも言っている。
『後ろではなく、前に進め』ってね。


ひたすら歩いて10分ほど。
もう一時間は経ったんじゃないかって思えるぐらいしんどい。
身体中の力が抜けて地面に突っ伏した。
もう、日が沈みかけていた。
大丈夫さ、きっと誰かが助けてくれるはず。
「うん、『果報は寝て待て』って言うし」
言った側から僕はだんだん眠くなってきた。
そして、虹色の光が僕を包み込んでいた。


「う、うん?」
あれ⁉︎
こ、ここって_
「教室だ!やりぃ!」
どうやら、戻れたみたいだった。
にしても、あれはなんだったんだろう?夢かな。
僕は考えながら色鉛筆を抜いた。
また、同じことが起こったら嫌だからね。


もう、起こらなかったと思う、たぶん。



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