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【読書】もしも「読む自由」が奪われたら?

もしも「読書の自由」が奪われたら?
私たちはどうするでしょう?
どうなるでしょう?
それも半端なくて、
バレたら即刻、拷問や刑務所行き
という重い罰になるとしたら?

ここに1冊の本があります。
『テヘランでロリータを読む』
アーザル・ナフィーシー・著。
市川恵里・訳。白水社。

イランの大学教授の
タフな女性がいて、毎週木曜、
教え子を自宅に集めて
こっそり英米文学の読書会を
開いていた、その記録です。

1980年代、1990年代、
イランは当時の政権が、
反米路線を鮮明にしてたため、
英米文化は目の敵にされました。
文化的にも、英米の作家の小説を
おおっぴらに読むなんて、
それも女性が愛に関する文学を…なんて、
絶対に認められませんでした。

なんて酷い時代でしょう、
なんて酷い政権だろう?
イランの大学では、
いえ、広くイラン全体では、
本は政権が勧める本しか許されて
いなかったんです。

そんな時代に、
大学で文学を教えていた
ナフィーシー教授は
『ロリータ』や『ボバリー夫人』など、
愛にまつわる作品を課題図書として、
読書会を開く決断をしました。
これは命懸けな行為です。

純粋に文学的欲望から、
そうしたのでもあり、
また当時のイラン社会で
人間として大切な生き方を探るため
自然とそういったセレクトに
なったのでしょう。

バレたら拷問!
誰かに密告されたら全員が
捕まってしまう…。
そんな状況下でも人は
「読む自由」を奪われることに
そう唯々諾々と従っては
いられないのですね。

そういえば、日本でも80年前は
戦争の相手国の文化は
「鬼畜米英」といって
イギリスやアメリカの小説は
ご法度でしたね。
でもきっとこっそり読んだり
研究していた人がいたんでしょうね。
そういえば、その辺のこと、
全然知らないですね。
ちょっと調べてみようかしら?
日本一恐ろしい読書会が
日本にもあったかなあ?


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