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【私の仕事】就職は偶然でしたが、転職は必然でした。

転職は必然で就くのが理想ですね。
私は大学卒業後は、そのまま
社会人を経験せず、海外青年協力隊で、
ベトナムかミャンマー辺りで
日本語教師になってるつもりで、
就活は一切しませんでした。
日本語教師の勉強はしていましたよ。
ただ、世の中をなめてましたね。

いざ、協力隊の試験では
日本語教師は倍率もすごく、
わたしは落っこちてしまいました。
それが卒業の2か月前です。
さあ大変。
慌てて新聞の求人欄で入ったのが
漫画の出版社でした。
なんとなく、本の仕事かな?
と思って入っただけでした。
甘かったですねえ(笑)。

ところが、学生時代からの趣味で
漫画家や友人の自宅パーティで
イタリアンや韓国料理の
腕をふるっているうちに、
自分も料理人になれるんじゃないか?
編集は作家の後ろにいる黒子だけど、
料理人はお客に直接、料理を出す意味では
最前線で戦うクリエイターだ、
漫画家にはなれないけれど、
料理人にはなれるんじゃないか?
そう思ってしまったんですね…。

当時は、編集者なんて
つまらない仕事だ、
所詮、どんなに頑張っても
名前も出ないし、
読者から声も聞こえないし、
ああ、辞めたい!
20代はずっとそう思ってました。

それに、料理人は20代のうちに
ならないと不利?30代は無理?
など、色々な言説に惑わされ、
結局、最初の会社を辞めたんです。

ところが、いざお店に入ると、
月給は半分になるわ、
労働時間は倍になるわ、
一日中何十人分ものピザ生地を
こねたり、焼いたり、
もう腕も限界、窯の暑さも限界で
3、4カ月で辞めました。
もっと賢い人なら、
料理人が肉体労働を伴うこと、
厨房はめちゃ暑いことなど
簡単に予測できたでしょうに。
バカですねえ、私は…(笑)。

その後も、料理にまつわる
仕事に就こうとしましたが、
どうもうまくいきませんでした。

ただ、料理修行時代、
ひとつだけ鮮やかに記憶に
残っていることがありました。
暑い厨房の隙き間から、
少しホールが見えたんですが、
そこで、芸能人とテレビ局員が
打ち合わせしているのが
見えたんです。場所は赤坂でした。
打ち合わせって楽しそう!
ああ、やっぱり一日中黙々と
ピザを焼いているより、
誰か作り手と一緒に
何かの編集をしたいなあ、
そう思ったんです。

結局、30才になり、
元の漫画の編集に戻れた時
本当に嬉しかった。
色んな作家と合いながら、
今日は育児漫画の打ち合わせ、
夕方は恋愛ミステリーの打ち合わせ、
明日は看護師物語の打ち合わせ、と
毎回色んなことに取り組むので、
飽きないですし、毎回色んなことを
勉強していける。
しかもお金までもらえる。

それに一番大きかったのは、
自分が趣味として好きな文学話を、
それまでは仕事と切り離してましたが、
復職してからは、キャラ作りで
行き詰った作家との打ち合わせで、
魔性の女といえば漱石の三四郎のヒロインは
参考になりませんかね?など提案すると、
これがけっこう漫画に役立つことが
わかってきたんです。
そうなんです、自分には物語の
構成や人物イメージがいっぱい
蓄えがあったんです。
それで何回か漫画家に褒められると
人間って嬉しいもので、、、、(笑)。

最初に漫画の編集になったのは
ほんの偶然な流れからでしたが、
転職で漫画の編集に戻ったのは、
偶然ではなく、必然でした。

私の仕事。
今は部署も異動していますが、
色んな人物キャラが頭にあることは
役に立ちます。
何かで頭に来た人は
なるべくじくじく憎悪しないよう、
有名な小説のキャラと思って
客観的に見ることができますから(笑)。

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