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【映画】昔の日本映画は、景色を求め、ロケハンにこだわり抜いたらしい

週末は映画でも観てやろうと  
思うんですが、
最近の流行りには
ついて行けなくて、
何がいいか作品を選ぶ力もなくて、
困ってしまう一方です。

「映画の迷子」になってしまいました。
本と違って、どうもアンテナが
立たないんです。

歳のせいだか、
感覚が鈍ったせいだか、
中身を知らない新作は 
とっつきがなくて
観る勇気が出ないんです。

だから、
最近は昔に観た古い映画を
改めて借りてくることが増えました。

10年、20年前に観た日本映画に
足が自然と向きます。
中身は知ってるし、
傑作だから感動間違いないし、
若い時には感じない部分も
見えてきたり…。
なかなか、いいことずくめです。

その当時も、
リアルタイムではないですが、
『犬神家の一族』(76年)や
『砂の器』(74年)には
古き良き日本の、
田んぼや海や川や山々など
まだ残っていた自然の風景に
心を奪われましたが、
今度見たら、
もう今はすっかり失われた
日本の風景が沢山つまっていて、
ヨダレがでそうになりました(笑)。

とはいえ、70年代は
公害とか自然破壊が
日本社会を覆っていた時代です。

映画に出てくるような
視界いっぱいに広がる
田んぼや山々を探すには
映画スタッフは全国を縦横に
駆けめぐっていた訳で、
相当に苦労したらしいんです。

そんなノスタルジックな景色の
日本映画を挙げてみたいと想います。

1『砂の器』(74年公開)
松本清張・原作
野村芳太郎・監督

2『犬神家の一族』(76年公開)
横溝正史・原作
市川昆・監督

3『八つ墓村』(77年公開)
横溝正史・原作
野村芳太郎・監督

4『鬼畜』(78年公開)
松本清張・原作
野村芳太郎・監督

これらの映画は
ロケーションを念入りにした
作品ばかり。ロケハンに
何年もかけたんだそうです。
CGがない時代だから、
足を棒にして探すしかなかった。

内容に関心がなくても
スクリーンに映る
自然の景色や街の景色を観るだけでも
価値はあると思うんです。

平成生まれの方なら
日本にはこんな景色があったのか?
とビックリするかもしれませんね。 

エッセイスト武田百合子に言わせると
『砂の器』は公開当時(74年)も、
すでに古き良き日本を観たい観客で
映画館はぎっしりだったと
書いていました。

デジタルでの変化も
実にスピーディーですが、 
自然や街の景色の変化も
スピーディーになりました。
今という時代の景色を、
しっかり目に刻んでおかねば
ならないですね。

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