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コロナ禍で顕著化する地域の課題①

私たち(私が所属する公益法人)は様々な地域の課題に対峙し解決に取り組む方々に資金をお渡しすることを生業としている。
コロナ前は、いわゆる少子高齢化による課題、子どもの貧困など子ども若者に関わる課題、地域文化、伝承の先細り、障害を持つ方などへ制度では支えられないハザマの課題など、多様な課題解決への活動に寄付を集めてきた。

コロナ感染症はある意味災害支援と構造が似ているように思う。

この感染症が爆発的に広がり突然の休校や社会経済活動の停止となる2020年4月、最初の緊急事態宣言時は、発災時となる。
緊急時の火消し、対処的な支援、事業に終止。
発災時に、県内のNPO等の当財団の関係350団体へ緊急のアンケート。
その内容で、緊急対応に対する助成支援の構造が20~50万と300万という大きく傾向が2方向であり、まず、多く60%の団体が必要としている20~50万円の資金需要に応えるため、急ぎ、「コロナに負けない!信州応援基金」を立ち上げ、長野県の協力もあり、目標1000万円に対し、それぞれ500万達成時、第一期、第二期と合計43団体へコロナ感染に対応した、特に第一期はある意味緊急支援的な助成。
41団体の応募があり22団体を採択。
https://www.mirai-kikin.or.jp/crown-program/1186/
第二期は、コロナ禍における新しい取り組みを中心に公募、助成。
23団体の応募があり21団体を採択。
https://www.mirai-kikin.or.jp/crown-program/1656/
現在、12,785,766円の寄付が集まり、コロナオミクロン株の急激な拡大に対する第三期を準備。
第一期公募時に問い合わせがあり、第二期で申請された一つの企画が印象に残っています。
それは、ある市で障害を持つ子どもたちへの支援員をしていたからの問い合わせでした。
それは、軽度の障害を持つ子ども達が月に数回、病院でのケアを受けているのだが、コロナで受けられす、ある意味放置されている。それを訪ねていくことでケアしたいのだが、この資金は使えるのか?という問い合わせでした。
マスコミやネットでは、飲食店、販売店、宿泊業、観光等のダメージを声高に発信していたが、このような小さな声を上げることができない人々は表面に出てこず、埋もれている課題が見えてきました。
私たちは、このようなまだ顕在化、見える化されていない課題へのアプローチが重要と考えています。

藤森慎吾さんも協力していただいたチラシ

300万への資金需要に関しては、【休眠預金】新型コロナウイルス対応緊急支援助成として、2期に分け、それぞれ300万、10団体。合計6000万円の助成を行いました。

https://www.mirai-kikin.or.jp/crown-program/1509/

300万円という、県内における助成金額(特に緊急助成)は額が大きく、多様な事業が申請されました。
コロナにおいても居場所や支援場所を確保するための、改築費用、保健衛生面の環境整備、教材確保、ICT対応等幅広い事業へ助成しました。
ここでは、コロナ禍における緊急助成、という側面はありますが、組織基板に関しての審査基準は正直、比較的緩くしました。
そうしたことで、県内都市部、中山間地を問わず多様なコロナ対応の事業へお渡しでき、事業も遂行できたのですが、休眠預金というある意味、国民の財産を活用する、という視点においては、一定基準の経理能力、総務、事務処理能力、報告義務、評価への理解などの組織基盤が必要です。しかし、それらが整っていない、あるいは育っていない団体への助成もあり、後、精算時に担当プログラムオフィサーが、助成団体とともに苦労することになります。
実際として、これまで、年間数十万、多くても助成額と同程度の予算で行ってきた運営を、一気に何倍もの資金を運営していくのは、かなり、非常に厳しいことでした。
しかし、地域を見つめるコミュニティ財団としては、地域活動の小さな芽を育て、自立する組織へ伴奏することも重要な使命です。
ある程度のボリュームの資金をしっかり使って、地域の困難を抱えた人々へ活動をしていくことは、地域のソーシャルセクターとしては、またとないチャンスでもあるわけで、精算時に苦労をした団体においては、ステップアップの学び、と受け取って欲しい。
https://www.mirai-kikin.or.jp/crown-program/1307/
第一期:15団体申請、10団体へそれぞれ300万の助成。
https://www.mirai-kikin.or.jp/crown-program/1509/
第二期:12団体申請、10団体へそれぞれ300万の助成。

2020年から地域社会はコロナ感染症に翻弄され3年をむかえようとしています。
コロナ感染症拡大当初は、手探り、右往左往のなかでの対処療法への助成がほとんどだったと振り返る。
施設、設備の改変、運営の改変、人材の変化対応。
助成事業は比較的低額の20〜50万、43団体への助成。
300万という県内NPOにおいては年間予算の匹敵、あるいはそれ以上の助成金を20団体へ助成。
それぞれ、2期に分け、第一期は緊急避難的要素を主題として公募。第2期はコロナ感染症への対応事業の構築、は正直、第一期とあまり変わらない、緊急避難的要素の申請が多であった。

コロナ環境において、様々な支援策、経済、衛生、文化、教育等々、国、県、市町村、そして企業、様々な助成財団からなされている。
ある特定領域においては、多くの企業支援もあり、厚労省、農水省等、国の支援も増大、県や市町村もふるさと納税などでの支援としてわかりやすい支援先、助成先として、大きな資金が流入している。永続的にある資金でないが故、現場の団体への心配も募ります。

私たちは、まだ表面化していない、3年間というコロナ禍において、助けられていない、支えられていない人々、多くの人々がいることを感じている。
それは、離職であったり、収入減であったり、DVであったり、引きこもり、孤立、教育や経験の格差の拡大であったり長期に渡る経済的、精神的我慢が
ボディブローのように私たち地域社会を蝕んでいる。

そう、タイトルのように、災害、困難のダメージは弱い人に顕著化する。
(もっと、しっかり分析せねば、と急かされている)
災害時で言えば、復興時、復旧時の支援をコロナにおいて、しっかり見据えたい。